[Alexandros]、念願叶ったディスフェス3日目で洋平×尾崎セッションも

12月20日に東京・Zepp Tokyoにて[Alexandros]主催のライブイベント「This Summer Festival 2014」の東京公演2日目が開催された。

前日にキュウソネコカミとORANGE RANGEを招き、同会場にて東京初日を大成功に収めた[Alexandros]。この日の公演にはクリープハイプと9mm Parabellum Bulletが招聘され、3バンドによる東京で“一番遅い夏フェス”が繰り広げられた。

ステージに現れたクリープハイプは、尾崎世界観（Vo, G）の「よろしくお願いします」という囁きに続いて、「HE IS MINE」を奏で始める。ファンにはおなじみの「セックスしよう！」という合唱で一体感を作り上げると、長谷川カオナシ（B, Cho）がリードボーカルをとる「かえるの唄」へ。小川幸慈（G）によるエモーショナルなギターの音色で観客の高揚感を煽った。MCで尾崎は[Alexandros]にお礼を述べてから「うれしいんだけど、背の高さがあるから……」と冗談交じりに話を続ける。そして「今日あるかわからないんですけど、集合写真が一番いやなんですよ。座って座高で勝負していきます」と意気込んだ。

12月3日にリリースした最新アルバム「一つになれないなら、せめて二つだけでいよう」収録のこぶしの効いたナンバー「大丈夫」や、尾崎の「“Summer Festival”ということで、日焼け止めの曲を」という紹介から披露されたキラーチューン「憂、燦々」など、クリープハイプはさまざまなタイプの楽曲でオーディエンスを魅了していく。その後バンドは疾走感あふれる「百八円の恋」で会場を一気に揺らし、尾崎のハイトーンボイスが会場中に響き渡ったロックンロールナンバー「社会の窓と同じ構成」を投下。異様な熱気が立ち込めるフロアに「社会の窓」で追い打ちをかけると、続く9mm Parabellum Bulletにバトンを渡した。

9mm Parabellum Bulletは、かみじょうちひろ（Dr）のスティックカウントから「Discommunication」でライブをスタートさせる。左足小指の骨折のため椅子に座って演奏した滝善充（G）は、今にも椅子から転がり落ちそうなほど体を揺らしながらアグレッシブにギターを弾いてみせた。バンドがファンにはお馴染みの山本リンダのカバー「どうにもとまらない」と「Black Market Blues」というキラーチューンを連投すると、フロアは一瞬にして狂騒状態に。かみじょうと中村和彦（B）による強靭なビートに乗せて、菅原卓郎（Vo, G）はパワフルで情熱的な歌声を会場の隅々まで届けた。

「生命のワルツ」で圧倒的なプレイを見せつけたあと、菅原は「ここで会ったのも何かの縁だから楽しもうぜっていうことだな」と同曲の歌詞内容に触れつつ「サンキュー、[Alexandros]！」と主催の[Alexandros]に感謝。中村のシャウトが冴え渡った「Cold Edge」や大合唱を巻き起こした「新しい光」でラストスパートをかけ、「Punishment」をドロップすると、「ありがとう！ 最後まで楽しんで！」とメッセージを残して9mm Parabellum Bulletはステージをあとにした。

この日一番の歓声に迎え入れられた[Alexandros]は「『This Summer Festival 2014』へようこそ！ [Alexandros]と申します。最高の夜にしようぜ」という川上洋平（Vo, G）の言葉を皮切りに演奏をスタート。庄村聡泰（Dr）のドラミングに合わせて、白井眞輝（G）がアドリブで9mm Parabellum Bullet「Discommunication」のギターリフを鳴らしたところに川上がストロークを重ねて「Waitress, Waitress!」に突入させると、歓喜の声が上がった。

3曲を歌い終えたところで川上は「ほかのバンドもめっちゃくちゃカッコよかったけど、お前ら全員うちらの虜にしてやるからな！」と言い放ち、バンドは3月にリリースする新曲や磯部寛之（B, Cho）の剛健なベースで会場を踊らせた「Rocknrolla!」などをハイテンションにパフォーマンスしていく。「Cat 2」では白井の激しいギタープレイや咆哮で観客をヒートアップさせた。そんな白井に対して「まーくんがギターでよかった！ 白井眞輝愛してるぜ！」とラブコールを送った川上は、喉を気遣い前日の打ち上げに参加できなかったことを悔やむ。すると、磯部は「あーうまかった！ ORANGE RANGEもキュウソネコカミもみんないい奴でめっちゃ楽しかったもんね！ 打ち上げ！ でも今日ここでもっと最高のライブしてもっといい打ち上げするんだろ!!」と叫び、それを受けた川上が「打ち上げいらねえよ！ ここが打ち上げだ!!」と叫び返すという微笑ましいやりとりも見られた。

さらにMCでは磯部が過去に9mm Parabellum Bulletの会場スタッフのバイトをしていたことが明かされた。磯部は「今日こうやって同じステージに立てて光栄です」と9mm Parabellum Bulletへのリスペクトを示し、川上も「自分たちのイベントに9mmを呼べて本当にうれしい」と素直な気持ちを語る。続けて「ここにもバンドマンとかいると思うんですけど、よかったら“こっち側”に来てください。いつでも挑戦を受けます」と述べてから、バンドは初期ナンバー「spy」をメロウに演奏した。その後[Alexandros]はライブで定番のアッパーチューンを中心に、オーディエンスに楽曲を届けていく。11曲を歌い終えると川上は「東京！ 愛してるぜ！」とメッセージを送り、4人はステージを降りた。

アンコールは「This Summer Festival 2014」では恒例となった川上の弾き語りコーナーで幕開け。彼は「今日のバンドの曲は難しいんだよね」と言いつつ、9mm Parabellum Bulletの「Black Market Blues」をワンコーラス披露した。続いて川上は「俺が弾くにはあれだから本人呼びましょう」とクリープハイプの尾崎をステージに呼びこむ。尾崎は「横に並びたくないって言ったのに……」と文句を言いながらも川上のアコースティックギターを受け取り、クリープハイプ「傷つける」の伴奏を担当。オーディエンスはステージを真剣に見つめ、2人の貴重なセッションを目に焼き付けた。尾崎と入れ替わりで[Alexandros]メンバーが揃うと、バンドは本編以上の熱量でライブアンセムを連発。川上がメンバーに耳打ちして急遽披露することとなった「Don't Fuck With Yoohei Kawakami」で観客の興奮をピークへと導いたところでこの日のライブは幕引きとなった。

名古屋、東京と回った「This Summer Festival 2014」も残すところ大阪公演のみ。本日12月22日に大阪・なんばHatchで行われる大阪公演にはandropとACIDMANがゲストに招かれる。