このライブは安倍が10月22日にニューアルバム「光へ -classical & crossover-」をリリースしたことを記念して行われたもの。彼女はフルート、バイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノをバックに従え、シックなサウンドでファンを魅了した。
定刻になると場内が暗転。ステージ後方の壁に、安倍がオーケストラの指揮をしている映像が映し出される。映像内での演奏が終わると、COTTON CLUBのステージ上に姿を現したバックメンバーが荘厳なサウンドを奏で始め、その音に誘われるように安倍がゆっくりと登場。ミュージカル「エリザベート」の楽曲「私だけに」でライブの幕を開ける。彼女はまっすぐに前を向き、凛とした表情で深みのある歌声をたっぷりと聴かせた。
MCで、しきりに緊張している旨を口にする彼女。客席と会話をしながら、時には冗談も交え、歌唱時とは異なるチャーミングな一面も見せる。またアルバムのプロモーションのためテレビ出演した際にモーニング娘。の元メンバーからメールが来たエピソードを明かし「バチバチしたライバルだったときもあったけど、今はお互い応援し合えるんだって、じーんとした」とうれしそうに語った。「夢やぶれて」「グリーンスリーヴス~永遠~」といったアルバム収録曲を披露したあと、今夏にリリースしたセルフカバーアルバム「Smile…▼」(▼はハートマーク)から、モー娘。時代のナンバー「ふるさと」をパフォーマンス。オリジナルとは雰囲気をがらりと変えたアレンジで、艶やかに歌い上げた。
この日はアルバムの編曲を担当した青山政憲がピアニストとして参加しており、中盤には安倍と青山によるトークが展開される。青山が「『オケとアンサンブルしているな』と思ってレコーディングしてるときも鳥肌ものでしたよ」と絶賛すると、安倍はその言葉を受け恐縮しつつ、「こういう歌を歌わせてもらえるようになったんだなと感慨深い」と素直な思いを口にした。
彼女は「皆さんの前で初披露するナンバーが多すぎて泣きそう」と胸の内を吐露しながらも、背筋を伸ばし堂々と楽曲を歌唱していく。大興奮でミュージカル「レ・ミゼラブル」の魅力を語ると、「オン・マイ・オウン」へ。目を閉じてイントロを聴き入っていたかと思うと、歌詞に合わせた迫真の表情で歌に入る。上を向いたり、手を伸ばしたりとまるで劇中の役を演じているかのように、豊かな表現力でドラマチックなナンバーを歌い上げた。
最後に安倍はオリジナルナンバー「光へ」について言及。「今の自分の感情と重なる世界観で、この曲を通して愛とか夢とか、人生とは何かといったことを教えてもらってるような気がします」と楽曲への思いを噛みしめるように語り、伸びやかな歌声で本編を終えた。アンコールで再びステージに登場した彼女は「突然変わっていくなんてことはなくて、1歩ずつ1歩ずつ進んでいこうと思ってます」とファンへメッセージを贈り、「夢はひそかに」を歌唱。2日間限りの特別なライブを笑顔で締めくくった。
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安倍なつみ「クラシカル・クロスオーバー SPECIAL LIVE」
2014年10月24日 COTTON CLUB セットリスト
01. プレリュード
02. 私だけに
03. ローズ
04. 夢やぶれて
05. グリーンスリーヴス~永遠~
06. ふるさと
07. 33(トラントトロワ)~Smile Life~
08. Stand Alone
09. オン・マイ・オウン
10. 光へ
<アンコール>
11. 夢はひそかに
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