特攻服NIGHTMARE×“木更津貨物”が直接対決

2014年7月6日 22:49 448 41 音楽ナタリー編集部

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氣志團主催の対バンライブシリーズ「極東ロックンロール・ハイスクール第弍章」の第11回公演が、7月4日に東京・EX THEATER ROPPONGIにてNIGHTMAREをゲストに迎えて開催された。

LUNA SEA「TRUE BLUE」をセッションするNIGHTMAREと氣志團。

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氣志團

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NIGHTMARE

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舞台裏で記念撮影をするNIGHTMAREと氣志團。

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3年前に行われた「極東ロックンロール・ハイスクール」でも対バンしている氣志團とNIGHTMARE。2度目の対決となる今回は「～ジャイアン vs ブタゴリラ BEYOND～」と銘打ち、約3時間にわたってライブバトルを展開した。

前回はそろいの白い学ラン姿で登場したNIGHTMAREの面々だったが、今回は白い特攻服を仕立て氣志團との対決に挑んだ。オープニングでは微熱DANJIによる恒例の寸劇が繰り広げられ、星屑輝矢演じるしーちゃんが自前の柩（G）人形を取り出し「ひっつーかわいくない？」と伊達姫（NIGHTMAREのファン）になったことをアピール。しーちゃんがしっかり伊達姫の共感を呼んだところで、ライブの幕が上がり特攻服に身を包んだ5人が颯爽と現れた。「My name is "SCUM"」から口火が切られたNIGHTMAREのステージは激しくボルテージの高いナンバーのオンパレードに。YOMI（Vo）はステージを軽やかに歩き回りながら挑発的に歌い上げ、柩、咲人（G）、Ni～ya（B）の3人はフロアに突っ込まんばかりの勢いでステージ前方で熱演を繰り広げる。

YOMIは「NIGHTMARE、特攻服でやってきました！」「この3年の間に俺たちもかなり強くなって帰ってきました！」と氣志團に対して宣戦布告。そして「mimic」「Dizzy」とシングル曲を連続投下し、「極上脳震煉獄・弌式」ではKISSES（氣志團ファン）も巻き込み、フロアにヘッドバンギングの嵐を起こした。自前の特攻服にそれぞれ刺繍を施した5人は、MCでお気に入りのものを紹介。「綾小路上等」という刺繍を入れた柩は「本人（綾小路翔）に見せたら喜んでくれた！」と報告し、Ni～yaは「愛羅武勇」と氣志團の楽曲タイトルを入れたことを明かす。そしてRUKAにはドラム席から立ち上がり、「宮城は都会」と刺繍されたズボンを自慢げに披露。「氣志團の地元って木更津でしょ？宮城県が田舎だって思われたくなくて。あの……パルコあります」と地元の都会ぶりをアピールする。YOMIは「僕たちも仙台を盛り上げていけるバンドになれたらと思います」と力強く述べた。ライブの終盤では、この対バンタイトルとリンクする「ジャイアニズム死」「極東乱心天国」の2曲を勢いよく届けたNIGHTMARE。最後は「ありがとう！バイバイ！」というYOMIの挨拶をもってライブを締めくくった。

対する氣志團は普段の学ラン姿ではなく、NIGHTMAREと深い関わりを持つ仙台貨物に似た“木更津貨物”として登場した。赤いつなぎで登場したメンバーに、KISSESも伊達姫も大興奮。仙台貨物のイガグリ千葉と同じほっかむりをした綾小路翔が姿を見せるとひと際大きな歓声が沸いた。サプライズはこれだけで終わらず、氣志團が1曲目として届けたのはなんと「サタデーナイトゲイバー」。歌詞の一部を“木更津貨物”バージョンに変えて披露する氣志團の芸達者ぶりに伊達姫たちもすっかりとりこになり、続く「ゴッド・スピード・ユー！」では会場が一体感で包まれた。

綾小路は「ウィーアー木更津貨物です！卑しい宅急便です。ついに俺たちのデビューライブにやってきてしまったね」と自己紹介。冒頭で被っていたほっかむりは、本番直前にYOMIから「翔さん、忘れ物です！」と手渡されたことを明かし、「ちなみになんであの人、（仙台貨物の手ぬぐい）持ってるの？今日、関係ないでしょ？」とツッコミを入れる。そしてKISSESが自分たちのふがいなさ故にいかに肩身の狭い思いをしているかを切々と語り、そんな彼らへの恩返し曲となった最新ヒット曲「喧嘩上等」にとつなげた。同曲では木更津貨物のつなぎを着た微熱DANJIもダンサーとして加わり、オーディエンスを盛り上げていた。

「SUPER BOY FRIEND」が終わったところで、綾小路は「もう帰るよね？氣志團に優しくしてくれた人には楽屋から何か持って来ようか？ Ni～yaの髪の毛持って来ちゃおうか？それくらいはさせてくれる？だって一緒にいてくれるもん」と懇願し、なんとか観客を引き止めようとする。さらに氣志團という名前ではもはや明るい兆しは望めないと木更津貨物への改名を宣言すると、号泣会見で話題の地方議員をはじめとする時事ネタやモノマネを盛り込んだ毒舌トークを炸裂。最後は集まってくれたオーディエンスに向かって感謝の思いを伝え、温かな拍手と歓声を浴びていた。オーディエンスに向かって「愛羅武勇」をプレゼントしたあとは、大ヒット曲「One Night Carnival」へ。この日、合唱しない観客への脅迫のネタとして選ばれたのは咲人だった。綾小路は“ひどく弱った鳩2羽”を近所に住む咲人の家のポストに入れると宣言し、「今の髪型変えちゃうよ！バンド辞めちゃうよ！」「氣志團の歌を歌うことは裏切りじゃないの。NIGHTMAREを救うためなの！」と伊達姫たちを必死で説得する。また綾小路は赤い髪に変えたばかりの柩についても言及し、「あの子、日の丸弁当でしょ？特攻服は白米で刺繍はゴマで頭は梅干し。特攻服じゃなくて日の丸弁当コスでしょ？」といじり倒していた。観客の美しい合唱が起き、なんとかNIGHTMAREの解散が免れたところで「MY WAY」が高らかに響いた。本来はここで終了の予定だったが、氣志團は仙台貨物の「絶交門」をカバーするうれしいサプライズを敢行。イントロで尺八の音色が聞こえた瞬間に驚きの声が上がり、フロアは一瞬で狂乱状態となった。

氣志團の手の込んだ演出に、NIGHTMAREも感激した模様。アンコールで再登場したYOMIからは「今年はこてんぱんにされました！」と完敗宣言が飛び出す。さらにYOMIは「今年も『氣志團万博』で僕の弟のバンド仙台貨物がお世話になります」と、綾小路に向かって深々とお辞儀をした。全員がそろったところで綾小路が「これはいい大人が本気出してやるから。プロのコピーみせてやる！」と高らかに宣言し、LUNA SEAの「TRUE BLUE」のカバーになだれ込む。4人のギタリストが織り成す豪華なギターセッションと、綾小路とYOMIによる情熱的なツインボーカルに会場は熱狂。一方で早乙女光（Dance & Scream）が、巨大なLUNA SEAのRYUICHI（Vo）のパネル写真を前面に出したダンボール工作を装着して登場すると大爆笑が起きた。曲がクライマックスに突入すると、ダンボールの上部からクラッカーが放たれ金テープが盛大に舞い、奇妙な祝祭ムードが漂った。そして「氣志團最高！」「NIGHTMARE最高！」「ここにいるみんな最高！」というシャウトが飛び交う中で、NIGHTMAREと氣志團ならぬ木更津貨物の対決は幕引きとなった。