くるり、赤公、キュウソ、QOOLANDが魅せたAX最後の日曜

2014年5月26日 16:24 204 13 音楽ナタリー編集部

204

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

122 170
6 シェア

記事へのコメント（13件）

昨日5月25日に東京・SHIBUYA-AXにてライブイベント「HOT STUFF presents Tumbling Dice1 ～ダイスをころがせ～」が開催された。

岸田繁（Vo, G / くるり）（撮影：チームライトサム）

大きなサイズで見る（全10件）

QOOLANDのライブの様子。（撮影：チームライトサム）

大きなサイズで見る（全10件）

キュウソネコカミのライブの様子。（撮影：チームライトサム）

大きなサイズで見る（全10件）

赤い公園のライブの様子。（撮影：チームライトサム）

大きなサイズで見る（全10件）

くるりのライブの様子。（撮影：チームライトサム）

大きなサイズで見る（全10件）

このイベントはHOT STUFFが推す新人バンドと、彼らがリスペクトする先輩アーティストとの競演を実現させる企画。初開催となった今回は、先輩アーティストとしてトリを務めたくるりをはじめ、キュウソネコカミ、赤い公園、オープニングアクトのQOOLANDが出演し、ライブバトルを繰り広げた。

トップバッターで登場したQOOLANDは、アグレッシブなハイスピードチューン「勝つまでが戦争」でライブの口火を切る。平井拓郎（Vo, G）と川崎純（G）は、冒頭からツインタッピングを織り交ぜたギタープレイを炸裂させ、観客の視線を釘付けにした。勢いを保ったまま続く「熊とフナムシ」では、フロントに立つ3人が息のあった振り付けを見せるなど、エンタテインメント性の高いステージを展開していく。平井が「自分、一生懸命やるっす！」と気合いを見せ、バンドはその後「白夜行」「さよならNEVADA」「ドグラマグラ」というキャッチーなナンバーを連発。鮮烈な印象を残してステージをあとにした。

続くキュウソネコカミは1曲目「良いDJ」で会場の熱気を一気に高め、間髪入れずに「スマホはもはや俺の臓器」というフレーズが印象的な「ファントムヴァイブレーション」を届ける。その後ステージに「第1回チキチキサイコロで次の曲を決める大会」と題した1～6まで曲名が書かれたボードと、大きなサイコロが運び込まれた。これはイベントタイトルにちなみ、サイコロの出た目で演奏曲を決めるという試み。3曲目「オリジナリティ」の演奏中、観客の頭上では大きなサイコロが転がり、曲が終わったタイミングでステージに戻された。その後サイコロの出た目によって決定した「サブカル女子」がさっそく投下され、大きな熱狂を生み出した。MCでヨコタシンノスケ（Key, Vo）はくるりのファンであることを明かし、「俺はキュウソネコカミにすごく自信を持っているから、くるりにも『どうだ！』っていう感じでやっていきますよ！」とアピールした。ヤマサキは「Twitterでエゴサーチしてたら『キュウソ終わったあとペットボトル落ちてたからもう聴かん』とか書かれたから、お前らペットボトルは拾うように！自分の出したゴミは持って帰れクソが！ふざけんじゃねえ！」とエキサイト。そしてバンドは攻撃的な姿勢を崩さず、「ウィーワーインディーズバンド!!」「ビビった」というアップリフティングなナンバーを畳み掛けて出番を終えた。

赤い公園が1曲目に届けたのは「絶対的な関係」。佐藤千明（Vo）が「AX準備できてるか！」と叫ぶと、藤本ひかり（B）と津野米咲（G, Key）が荒々しいリフを奏で、会場を轟音で包み込んだ。佐藤の伸びやかな歌声が響きわたった「風が知ってる」、ダークな雰囲気の「塊」などが披露されあと、MCで佐藤は「私たちは自分たちのことを“情緒不安定なバンド”って呼んでるの」と自己紹介。そして「さっきやったオカルトな感じの『塊』に続けてやると、次の曲もオカルトに感じるかも」と話してから、先ほどの雰囲気から一転したかわいらしいポップソング「贅沢」や、高速ビートのアッパーチューン「カウンター」といった多彩な楽曲を披露した。佐藤は「こないだね、『赤い公園のライブ後は会場にペットボトルばっかり落ちてる』って書かれてたから、お前らペットボトルは自分ちに持って帰れよ！そこまでがライブだからな！」と突然キュウソネコカミのMCを拝借。続けて歌川菜穂（Dr）は「ちゃんとラベルとキャップは分けて捨ててね」と分別に協力するよう付け加えた。ライブ終盤にバンドは津野の奏でる鍵盤の音色が幻想的な雰囲気を作り出す「きっかけ」、轟音バンドサウンドと伸びやかな歌声で会場を包み込んだ「ふやける」を演奏。津野と藤本がステージを降りて客を煽るなどして、熱狂のままにライブを締めくくった。

くるりはまず最初に岸田繁（Vo, G）が1人でステージに現れ、「ブレーメン」をエレキギター弾き語りで披露。歌の途中で、佐藤征史（B）、ファンファン（Tp, Key）、山本幹宗（G）、福田洋子（Dr）が加わり、雄大なムードの楽曲を盛り立てた。最初のMCで岸田は「はい、どうもこんばんは、くるりです」と挨拶してから「『FINAL AX』ってことで、ひさしぶりにAX来たんですけど、いつぶりでしたっけ？」とファンファンに話題を振る。ファンファンは「私、girl next doorの解散ライブぶりです」と答え、1階フロアでライブを楽しんでいたことを話した。その後岸田は「変な曲なんですけど新曲やります。キュウソネコカミぐらいおもろい曲なんで笑ってもええですよ」と語ってから、エレクトリックシタールのバッキングや、「よいしょ！」「がってんだ！」といった合いの手が入る新曲「Liberty & Gravity」を披露。ライブ中盤には異国情緒感の漂う「ハヴェルカ CAFE HAWELKA」や、人気曲「ロックンロール」を届けた。そして岸田は「初めて赤い公園を観たんですけど、すごいよかったっす。まあ“情緒不安定バンド”っていうと、俺らのほうが先輩なんです」とユーモア混じりにコメント。続けて「AX、ありがとうございました」と感謝の言葉を述べてから、本編ラストに「東京」を歌い上げた。アンコールに応えて再びステージに登場した彼らはキラーチューン「ワンダーフォーゲル」をプレイ。フロアいっぱいの観客を笑顔にして、SHIBUYA-AX最後の日曜日となった公演を締めくくった。