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「幸せですね」星野源、満員の初武道館ワンマンで完全復活

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昨日2月6日、星野源が東京・日本武道館にてワンマンライブ「星野 源 ワンマンライブ "STRANGER IN BUDOKAN"」を開催した。

当初は昨年7月19日に開催が予定されていたが、本人の病気療養のため延期を余儀なくされていたこの公演。星野にとって念願の武道館ワンマンライブというだけでなく、復帰後初めてのライブとなり、満員の会場は祝福ムードに包まれた。

「源さーん!」という声があちこちから飛び交う中、星野はミニスカートのナース2人に連れられてステージへ登場。星野は客席に手を振ったり、ナースのスカートの中を覗き込もうとしたりと茶目っ気たっぷりの行動で観客を笑わせる。ひとしきり会場を和ませると、最新アルバム「Stranger」の1曲目を飾る「化物」を歌い始めた。曲の途中で星野が「こんばんは、星野源です!」と挨拶すると、彼の帰還を祝うように割れんばかりの拍手が沸き起こった。

この日は伊賀航(B)、伊藤大地(Dr / SAKEROCK)、高田漣(Pedal Steel Guitar)というおなじみのメンバーに加え、野村卓史(Piano, Key / グッドラックヘイワ)や高野寛(G)、マリンバ奏者、ストリングス隊、ホーン隊が星野のパフォーマンスをサポート。「ダンサー」では高田の弾くユニークなペダルスティールの音色が彩りを添え、「ギャグ」では伊藤の躍動的なリズムに乗せて、陽気なアンサンブルが展開するなど、バンドメンバーのプレイも随所で光っていた。最初のMCで星野は「いやあ、ただいま」と改めて観客に挨拶し、「すげえうしろまで人がいる!」と大興奮。そして「ちょっと下ネタ言っていい?」とエクスキューズをすると、「ただいまんこー!!」と満面の笑みで叫ぶ。病院のベッドでずっと言おうと考えていたと星野が告白すると、観客は大きな笑い声をあげた。続けて、ラララの大合唱が朗らかなムードを醸し出す「パロディ」、優しくセンチメンタルなサウンドが会場を包み込む「くだらないの中に」が届けられた。

「ご存知だと思いますがいろいろありまして……」と話し始めた星野は、公演の延期を発表した際にほとんどキャンセルが発生しなかったことを報告し、「みんなのおかげでここに立ってる」とファンに感謝を伝える。そして1曲1曲の歌詞を噛み締めるように熱唱していく。オレンジのライトがステージを照らす中で披露された「くせのうた」では、柔らかなピアノとマリンバのアンサンブルに乗せて切ない声が響いた。

またパフォーマンスの合間には星野と縁の深い“一流ミュージシャン”からのメッセージがスクリーンで上映され、バービーボーイズの杏子とKONTAになりきったレイザーラモンRGと椿鬼奴、アン・ルイスに扮した森三中の黒沢かずこ、友近扮する演歌歌手・水谷千重子、バナナマンによるフォークユニット赤えんぴつが登場し、星野の初武道館公演を祝福。映像の上映が終わるたびに星野は笑いながら「“一流ミュージシャン”の皆さんありがとうございます」と仲間に感謝を伝えていた。

中盤のブロックでは、マリンバとのセッションで魅せる「キッチン」や、弾き語りによる「電波塔」が披露された。このブロックで特に会場を興奮させたのはNUMBER GIRL「透明少女」のカバー。星野は入院中に、休日はDJをしているという看護士の女性に排泄を手伝ってもらったエピソードを語り、「本当にあの子には助けられた。風のように去っていった、そんなあの子は『透明少女』!」と曲につなげ、敬愛するアーティストの名曲を気持ちよさそうに歌い上げた。

ミラーボールの光が雪のように武道館内を彩り、ロマンチックなムードを醸し出した「レコードノイズ」を経てライブは後半へ。星野は「これから盛り上がっていくよ! スタンダッププリーズ」と着席していた観客を立たせ「それじゃ、行くぞー!」と叫ぶ。ギターのイントロが鳴った瞬間に「おおっ!」とうれしそうな歓声が沸いた「フィルム」では、星野の素朴な歌声と伸びやかなストリングスの音色が味わいのある空気を作り出す。さらに「生まれ変わり」ではYOUR SONG IS GOODのサイトウ“JxJx”ジュン、片想いのオラリー、キセルの辻村豪文がコーラス隊で参加。曲の終盤では客電が灯り、楽しげな合唱が会場を包み込む。そのあとの「知らない」ではドラマチックなストリングスのアンサンブルをバックに、星野は情感たっぷりの歌声を響かせた。

「知らない」の余韻が残る中、星野は「もうすぐ終わっちゃうんです」と寂しそうにつぶやく。すると「ヤダー!」という声があちこちから起き、「俺だってイヤだ!」と星野も返す。続けて「いやあ、でも幸せですね。幸せですね。この曲がここでやれてうれしい」と笑みを浮かべると、ホーンのイントロから始まる「夢の外へ」につなげた。スクリーンには客席を見渡しながらうれしそうに歌う星野の表情が大映しになり、観客の笑顔を誘う。本編最後のMCで星野は「ウエーブやっていい?」と観客にウエーブをリクエスト。2階の下手から始まったウエーブがアリーナで終了すると、星野は「俺のためにドミノしてくれてありがとう!」とご満悦の様子。そして「Stranger」の最後に収録されている「ある車掌」で本編を締めくくると、ナースに連れられて楽屋へと向かっていった。

その後、アンコールを求める観客の耳に聞こえてきたのは、寺坂直毅のドラマチックな前口上。星野が療養中にWiiのカラオケソフトを通して、運命の1曲に出会ったことがアナウンスされる。さらに「いつかこの歌を武道館で歌いたいと思っていました。そしてこの武道館で、不死鳥のようによみがえったのです!」という紹介を経て「君は薔薇より美しい」が始まった。そしてステージに舞い戻ってきたのは、長髪のウィッグに黒いジャケット、白いパンツにサングラスという出で立ちの布施明ならぬ、星野扮するニセ明。彼は華麗なステップやターンを決めながら、往年の名曲を堂々と熱唱する。星野は間奏で「どうもーニセ明です。ここは料金に入ってないからクレームはやめてね」とアンコールであることを強調しながらメンバー紹介を実施。野村と伊藤を紹介する際には「お前とここでやれてうれしいよ」と仲間と一緒に武道館に立っている喜びを明かした。

「君は薔薇より美しい」が終わると再びナースが現れ、星野を連れていく。彼の不在中にはスクリーンに映画「地獄でなぜ悪い」のシーンが投影され、次の曲への期待を高める。そして「地獄でなぜ悪い」の題字が現れた瞬間、映画の衣装を着た星野が刀を持って登場。彼はにぎやかなアンサンブルをバックに、映画の主題歌として書き下ろした最新曲「地獄でなぜ悪い」をハンドマイクでパフォーマンスする。「同じ地獄で待つ!」と最後のフレーズを歌いきると星野は会心の表情を浮かべ、バンドメンバーとともに観客に挨拶。「では、お気を付けてお帰りください」と深々とお辞儀をすると、「また会いましょう」とファンとの再会を誓ってステージをあとにした。

なお昨日の武道館公演の模様は、3月8日(土)にWOWOWにてオンエア。また星野は3月10日より全国ツアー「星野源の復活アアアアア!」を開催する。

星野源「星野 源 ワンマンライブ "STRANGER IN BUDOKAN"」
2014年2月6日 東京都 日本武道館 セットリスト

01. 化物
02. ダンサー
03. ギャグ
04. パロディ
05. くだらないの中に
06. 湯気
07. ステップ
08. 季節
09. くせのうた
10. スカート
11. キッチン
12. 電波塔
13. 透明少女
14. レコードノイズ
15. ワークソング
16. フィルム
17. 生まれ変わり
18. 知らない
19. 夢の外へ
20. ある車掌
<アンコール>
21. 君は薔薇より美しい
22. 地獄でなぜ悪い

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