ちょうど1年前のこの日、東京・NHKホールにてデビュー15周年記念ライブを開催した彼ら。今年も昨年同様に大阪と東京の2公演を行い、各地のファンへメモリアルなライブを届けた。
SEのフェードアウトにあわせてさっそうと現れたメンバーは、亀井亨(Dr)の力強い8ビートから「真昼の子供たち」を奏でてライブを開始する。田中和将(Vo, G)は「こんばんはー!」と集まった観客へ挨拶し、2曲目「Glare」を終えると「渋公ー! 10周年記念ライブぶりです。今日は16周年を記念していってみたいと思います」と語りかけた。続くハードなロックチューン「シスター」、GRAPEVINEのディープサイド「スレドニ・ヴァシュター」がフロアを翻弄したかと思えば、ノスタルジックな「This town」が張りつめたムードを和らげる。終盤の間奏では田中と西川弘剛(G)がステージ前方に歩み寄り、息の合ったツインソロをより観客の近くで聴かせた。
田中が「噂によると結成20周年らしいんですよ」と明かして場内に温かい拍手が広がったあとは、最新アルバム「愚かな者の語ること」収録の「コヨーテ」、ゆるやかなミドルナンバー「ポートレート」、高野勲(Key, G)のピアノがスタイリッシュに響く「Afterwards」と新旧のナンバーが演奏される。「Sing」では真っ青な照明とミラーボールが会場を幻想的に彩り、「411」では金戸覚(B)のウッドベースが楽曲に深みを与えた。また「1977」演奏後に一瞬間が空くと、田中が「そうか、ここしゃべらなあかんのか。しゃべることないんですよ(笑)」と飾らずに話す場面もあった。
後半のブロックはファン人気の高い「Darlin' from hell」からスタート。彼らはアッパーな「ミスフライハイ」「MISOGI」を畳み掛けてオーディエンスを高揚させると、カントリー調の「片側一車線の夢」で柔和な雰囲気を作り出す。本編ラストの「無心の歌」ではステージ後方から放たれたたくさんの光が、ホール全体を明るく照らしてクライマックスを印象付けた。
アンコールを受けリラックスした表情で再登場した5人は、「うわばみ」「君を待つ間」をオーディエンスに届ける。ドラマチックな展開を見せる「豚の皿」では田中の怒声のようなボーカルが客席を圧倒し、強烈な余韻が場内を満たした。ステージを去ってもなお止まない拍手に応え、「特別やで」と披露されたのは1997年に発売されたデビュー作「覚醒」より「手のひらの上」。彼らは最初期の楽曲で往年のファンを喜ばせ、全22曲のステージに幕を下ろした。
なおGRAPEVINEは12月18日に東京・SHIBUYA-AXにてゲストを迎えてのライブイベントを実施。詳細は後日発表される。
GRAPEVINE「LIVE IN TOKYO」
2013年9月26日 渋谷公会堂 セットリスト
01. 真昼の子供たち
02. Glare
03. シスター
04. スレドニ・ヴァシュター
05. This town
06. コヨーテ
07. ポートレート
08. Afterwards
09. Sing
10. 411
11. Neo Burlesque
12. なしくずしの愛
13. 1977
14. Darlin' from hell
15. ミスフライハイ
16. MISOGI
17. 片側一車線の夢
18. 無心の歌
<アンコール>
19. うわばみ
20. 君を待つ間
21. 豚の皿
<ダブルアンコール>
22. 手のひらの上
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