ヒャダイン

アーティストにも広がる麻雀の熱狂 Vol. 3 [バックナンバー]

ヒャダインはなぜ、突如として麻雀に目覚めたのか

「牌が配られて整理してる時間、新しい人生が始まる感じがする」

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日本初の麻雀プロリーグ「Mリーグ」などの影響により、若い世代にも人気が広まっている麻雀。本連載では、そんな麻雀を愛するアーティストに、麻雀を始めたきっかけや音楽活動への影響などについて語ってもらう。今回は昨年麻雀を始めたばかりだというヒャダインが登場。一度は挫折するも、今ではどっぷりとハマった麻雀の魅力について愛情たっぷりに教えてくれた。

取材・/ 丸澤嘉明 撮影 / 山崎玲士

麻雀を始めたきっかけは

──ヒャダインさんが麻雀を始めたのはいつ頃ですか?

去年の夏前くらいですかね。友達に麻雀が好きな人がいて、「楽しいからやってみようよ!」って、ものすごくウキウキしながら誘われたんです。そこまで言うなら……と思って、初心者向けのアプリでルールを覚えて、まずは「雀魂」[※1]をやるようになって。友達と三麻[※2]を打ったり、雀荘に行ったりしています。

ヒャダイン

ヒャダイン [高画質で見る]

──いきなり三麻も?

仲のいい友達が、僕を入れて3人組なんですよ。4人そろわないので、必然的に三麻(笑)。萬子の2~8がなくて、北がドラになって、チーができないくらいですかね。「雀魂」にも三麻モードがあるので、それで慣れました。三麻は打点も高くなりやすいですし、一発逆転の可能性があって、そこが面白いです。

──麻雀を始めて、どんなところにハマっていったんでしょう?

実は、始めてすぐに一度挫折していて。ルールをひと通り覚えてリアルで打ったときに、僕より初心者の友達にめちゃくちゃ負けたんですよ。それで一気に気持ちが落ちてしまって。

──インスタに「さよなら麻雀」というタイトルで日記を上げていましたね。「BADに入ってしまった」と書かれていました。

さよなら麻雀

そもそも麻雀を始めたきっかけって、友達に誘われたのもありますけど、一番大きかったのは“老後のため”なんです。老後に健康麻雀[※3]をやって、孤独やフレイルを防ぎたいなって。山登りが趣味です、みたいな社交性もないですし(笑)。知らないおじいさんやおばあさんとも、雀卓を囲めば仲よくなれるんじゃないかと思って。

──そう言えばNHK総合「あさイチ」の老後特集にもゲスト出演されて、そんな話をしていましたね。

そうなんです。それで、街を歩いていたら健康麻雀の張り紙を見かけて、「これだ!」と思って始めたんですよ。でも、自分より歴が浅い友達に負け続けて、だんだん不機嫌になって、自分の怒りをコントロールできなくなってしまって。

──負け続けるストレスはよくわかります。

このまま麻雀を続けても、将来「怒りん坊の前山田さん、また来たわ」「あの人と麻雀やるの嫌なのよね」って避けられる嫌な爺さんになるな、って(笑)。そう思って、麻雀とは距離を置くことにしました。

──でも今は再び打ってるんですよね? 何かきっかけがあったんですか?

友達がまた誘ってくれたのもありますし、その友達が入っているサークルに連れていってもらったんです。そこで初対面の人たちと打ったら、みんな負けてもワイワイ、ギャーギャー言いながら楽しんでいて。それがすごく心地よかったんですよね。勝ち負けはもちろん大事なんですけど、それだけじゃないなって。「あ、こういう楽しみ方もあるんだ」と気付けたのが大きかったですね。

──負けても必要以上に落ち込まなくなった。

一番大きかったのは、友達にバッドな気持ちを言えるようになったことかもしれないです。「負けて悔しい」ってちゃんと吐き出せるようになってから、麻雀が楽しくなりました。

※1. 雀魂:基本プレイ無料で遊べるオンライン対戦麻雀ゲーム。美少女などのキャラクター(雀士)が登場し、カスタマイズして楽しめるのが特徴。

※2. 三麻:3人でプレイする麻雀のこと。

※3. 健康麻雀:「賭けない、飲まない、吸わない」を原則とする麻雀。認知機能の維持・向上、コミュニケーションによる社会的つながりの強化など、心身の健康に多くの効果が期待されている。

正月には麻雀合宿も

──今では月イチくらいのペースで雀卓を囲んでいる写真をXにポストしていますよね。

そうですね。今年の正月に友達と1泊2日で埼玉の滑川町にグランピングに行ったんですけど、その道中に東松山市にある雀荘に寄って、4半荘[※4]打ちました。そしてサウナやバーベキューを楽しんだあとも部屋にあったこたつを囲み、持参した牌でさらに2半荘。翌朝、朝食を済ませて東京へ戻ると、そのまま都内の雀荘へ向かい、再び4半荘を打ったという。

──めちゃくちゃ打ってますね(笑)。楽しそうです。

麻雀合宿みたいな感じで、すっごく楽しかったです(笑)。

洗牌するヒャダイン。

洗牌するヒャダイン。 [高画質で見る]

──一緒に打つご友人はアーティストの方なんですか?

いや、全然そんなことはなくて。麻雀友達のコミュニティが2つあって、そこから広がっていった感じです。フリーアナウンサーの友人もいますけど、普通の友達もいます。

──最近はアーティストでも麻雀をやっている方が増えていますよね。

スガシカオさんがすごくやっているらしくて。始めた当初、麻雀のことをSNSでつぶやいたときに、お誘いをいただいたんです。ただ、そのときはちょうど自分がバッドに入っている時期で、お断りしてしまって。なので、もう一度連絡してみようかなと思っています。相当お好きみたいですね。

──アーティストの方と打ったことはない?

まだないです。中川翔子さんも麻雀が好きみたいなんですけど、今は子育てで忙しそうですし。「ヒャダインさんも麻雀やろうよ」って前に言われていたので、落ち着いたらぜひ一緒に打ちたいですね。

※4. 半荘:麻雀の1ゲームの単位のこと。「東場、南場、西場、北場」で行われる一荘戦の半分、つまり「東場、南場」のみを戦う形式。もともとは一荘戦で行われていたが、時間がかかるため半荘が主流となった。

麻雀というゲームの魅力

──麻雀って運の要素もかなり大きいですよね。

基本的には運ゲーだと思います。だけど、やっぱり強い人はちゃんと強い。運ゲーでもあるし、メンタルゲームでもあるし、ボードゲームでもある。その全部の要素が同時に成立している、不思議なゲームだなと思います。

──昔から麻雀には“流れ”を重視する考え方もあります。ヒャダインさんは、そういうオカルト的な感覚は信じるほうですか?

フラットでいようとは思っているんですけど、“風が吹いてるな”と感じる瞬間はめちゃくちゃあります。何回も連続であがれたりすると、「これはなんなんだ?」って思いますよね。「雀魂」みたいなコンピューターの麻雀でも、「操作入ってない?」とか、「バフかかってない?」って疑いたくなるくらい(笑)。でも、手積みでも同じことが起こるから、ホント不思議ですよね。いいときもあれば悪いときもあって、人生と一緒だなって。

──確かに、配牌[※5]の時点で「これは上がれそう」っていうときもあれば、どうしようもないときもありますよね。

ありますね。どうしようもない配牌だったのに、打っていくうちに「おやおや?」って持ち直すこともあるし。最初のクソみたいな配牌を考えたら、よくここまで来たな、みたいな。一方でカンチャン[※6]を嫌ってほぐしたら、次のツモでほしかった真ん中の牌を持ってきたり、テンパったと思って捨てた牌でロン[※7]されたり。そういうときも「ああ、人生だな」って思います。最近は、倍満[※8]をテンパイしてるときに相手に1000点で上がられても、「まあ、そんなもんよ」って割り切れるようになりました。

──負けて不機嫌になっていた初期のことを考えると、それはかなりの成長ですね。麻雀はメンタルゲームというお話もありましたが、思い通りにいかなくても平常心を保てるかどうかが大事というか。

本当にそうですね。勝ったからって浮かれていると足元をすくわれるし、負けてもへこまない。これも人生と一緒だなと思います。負けて落ち込んだところで結果が変わるわけでもないし、次の配牌がよくなるわけでもない。だったら過去は過去として切り捨てて、気持ちを切り替えていくしかないんですよね。

洗牌するヒャダイン。

洗牌するヒャダイン。 [高画質で見る]

──音楽活動を見ていると、ヒャダインさんは切り替えたり切り捨てたりするのは得意な印象があります。

おっしゃる通り、音楽では取捨選択がすごく得意だと思います。バーッと作っていって、「違うな」と思ったらそれをバンって捨てられる。自分でもそう思ってたんですけど、麻雀ではけっこう引きずってましたね。始めたばかりの頃は特に。麻雀をやることで、自分の弱さもかなり見えてきました。なかなか降りられない自分がいるんですよ。自分の手が育ってくると、どうしても「あがりたい」という欲が出てきて、2人からリーチが入っていても押して放銃[※9]しちゃったりとか。降りる勇気がまだ足りない。欲をかいてしまうところは、音楽でも麻雀でも、自分の性格と通じるのかもしれないです。曲作りでも、「ここだけは譲れない」っていう部分があるので。

──こだわるところは、とことんこだわる。

そうですね。でも麻雀では、それをやると負けにつながるんですよ(笑)。ゲームはこだわっちゃいけないんだなって思いました。“こだわらないことにこだわるべき”というか。曲作りは、ライバルが目の前にいるわけじゃない。相手が何を考えてるかを読む必要がないんですよね。そこは大きな違いだと思います。

※5. 配牌:最初に配られる手牌のこと。

※6. カンチャン:「2・4」や「3・5」のように、順子の真ん中の牌を待っている状態。「2・3」や「3・4」の両面待ちと比べて待ち牌の数が少ないため埋まりにくい。

※7. ロン:ほかの人が捨てた牌であがること。捨てた人が点数を支払う。

※8. 倍満:あがりの際に獲得できる点数のこと。役の合計が8~10翻あり、子の場合は16000点、親の場合は24000点という高得点。

※9. 放銃:ほかの人のあがり牌を捨ててしまうこと。振り込みとも言う。

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ピエール・アネスキデス @pierre_anes

ヒャダさんが魚谷さんに麻雀教わって、魚谷さんがヒャダさんにサウナ教わる未来とか来ないかなぁ? https://t.co/HMHC7saVAN

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