再生数急上昇ソング定点観測 (2024年5月1週目) [バックナンバー]
キタニタツヤ×タローマン監督の馬鹿しかやらないMV / KAIRYUとREIKOのバラードは伝説になるのか?
今、盛り上がり始めている曲 / これから盛り上がりそうな曲について詳しく解説
2024年5月3日 18:30 18
YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週刊連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで4月19日から4月25日にかけて集計されたミュージックビデオランキングの中から要注目トピックをピックアップします。
文
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、5位にBE:FIRSTの「Masterplan」が初登場した。同曲は27位にオフィシャルオーディオ、44位にダンスパフォーマンス映像がランクインしており、4月24日にはダンスプラクティス映像も公開された。合わせてチェックすることで、楽曲の魅力をより深く堪能できる。
RIIZE「Impossible」ミュージックビデオ
39位には
HoneyWorks「運命の人だった。 feat. 榎本虎太朗・瀬戸口雛(CV:花江夏樹・麻倉もも)」ミュージックビデオ
41位は
ZORN「声」ミュージックビデオ
42位には
なとり「絶対零度」ミュージックビデオ
ダンスナンバーからロックサウンドまで、幅広いジャンルの楽曲が並んだ今週は下記の3曲をピックアップ。
HY「366日 feat. 大橋卓弥(スキマスイッチ)」コラボレーションムービー
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場38位
HY「366日(Official Duet ver.)」ライブミュージックビデオ
2018年にHYがベストアルバム「STORY ~HY BEST~」をリリースした際、
そんな名曲から着想を得て制作されたのが、フジテレビ系で現在放送中の月9ドラマ「366日」だ。このドラマならではの面白い試みは、エンディングで各話ごとにHYの仲宗根泉が別の男性ボーカルを迎えてデュエットする「366日」が流れるところ。第2話で大橋卓弥とデュエットしたバージョンが流れると、X(Twitter)で「曲が流れるシーンで泣いた」という声が多く挙がった。コラボレーションムービーで、個人的に心をつかまれたのはラストのサビだ。2つの巨大なエネルギーがぶつかってビッグバンが起こっているような素晴らしい盛り上がりは、思わず涙腺が緩んだ。
HY「366日 feat. 與那城奨 (JO1)」コラボレーションムービー
HY「366日 feat. 川崎鷹也」コラボレーションムービー
なお、4月22日放送の第3話では
キタニタツヤ「次回予告」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場69位
地上侵攻を繰り返し敗れ散る怪人の下っ端戦闘員の主人公と、ヒーロー像とかけ離れた戦隊との対決を描いた異色のヒーローバトルマンガ「戦隊大失格」。4月にテレビアニメの放送がスタートし、そのオープニングテーマとして
キタニタツヤ「次回予告」リリックビデオ
4月7日に公開されたリリックビデオは「ウルトラマン」初期シリーズのオープニングのパロディで、これを観たファンの間では「もしかして、MVではキタニがウルトラマンに変身するのでは?」とささやかれていた。しかし4月21日に公開されたMVでは、キタニがまさかの巨大生物の役で登場。
MVのディレクターを務めたのは、2022年に放送され話題となったNHK Eテレ「タローマン」を手がけた藤井亮だ。「タローマン」は「70年代に放送されていた、岡本太郎をモチーフにした特撮ヒーロー番組」という設定のモキュメンタリー。本当に存在したかのように当時の雰囲気を徹底的に再現した番組で、「次回予告」のMVにも通じるものがある。
TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇 PR動画
4月22日に放送されたニッポン放送「キタニタツヤのオールナイトニッポンX」で、キタニは「MVをバンバン撮っている人ではない方に、今回はお願いしたんですけど、これがめちゃくちゃいいMVに仕上がっている」「今回、初めて特撮のMVを撮りました。ビルのジオラマの中で、怪人の格好をして正義のヒーローを倒すという、ありがたい経験をさせていただきました。顔を青く塗って、死ぬほど肩が凝る衣装を着た」と話していた。MVは特撮のダイナミックな映像にも目を奪われるが、背景に映り込む看板やポスターなどに、ほぼすべての歌詞が常に映り込んでいるというアイデアも素晴らしい。この非常に手間と時間のかかる映像制作について、藤井はX(Twitter)で「馬鹿じゃないとやらない手法」とポストしている。
藤井亮 @TAROMANポスト
ちなみに、ラストの提供クレジットを“提供目”にするというアイデアなど、MVにはキタニの提案を採用した演出も含まれているという。楽曲・映像ともに、作り手たちの熱い思い、好奇心、本気の遊び心が感じられる。
MAZZEL「ICE -Ballad Ver.- feat. KAIRYU(MAZZEL) & REIKO」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場90位
「ICE」のオリジナルバージョンは、
MAZZEL「ICE feat. REIKO」ミュージックビデオ
そんな「ICE」を、BMSGの中でも屈指の歌唱力を誇るKAIRYU(MAZZEL)とREIKOがリメイクしたのが、今回のバラードバージョンだ。
美しいピアノの旋律の中で、KAIRYUのクールなウイスパーボイス混じりの歌声と、REIKOのスキルフルでありながら少年性を帯びた歌声が見事に絡み合った素晴らしいパフォーマンス。特に、歌い出しの「わかってた / この時をずっと待ってたようにwe'd go back」というフレーズは、まるで原曲の段階で2人で歌うことを想定して書かれた曲に思えるほど、歌声だけでなく歌詞もハマっている。
MAZZEL「ICE -Ballad Ver.- feat. KAIRYU(MAZZEL) & REIKO」-Behind The Scenes-
レコーディングやMV撮影の裏側を追った「Behind The Scenes」も公開されており、その中でREIKOが「数年後にすごい伝説の曲というか、バージョンになっている気がする。めっちゃいい!」とうれしそうに話すシーンが印象的だった。ぜひ、ほかのメンバー同士で歌った「ICE」も観てみたいものだ。
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- 真貝聡
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ライター / インタビュアー。雑誌やWebで執筆するほか、MOROHA「其ノ灯、暮ラシ」、BiSH「SHAPE OF LOVE」、PEDRO「SKYFISH GIRL-THE MOVIE-」といったドキュメンタリー映像作品や、テレビ特番「Mrs. GREEN APPLE ~Review of エデンの園~」にインタビュアーとして参加している。
すうちゃん( ˙灬˙ )🖖 @suuueee_chao0
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