佐々木敦&南波一海の「聴くなら聞かねば!」 11回目 前編 [バックナンバー]
ExWHYZメンバーとアイドルの変化を考える
EMPiRE解散から始まった新たなストーリー
2023年1月18日 18:00 13
構成
EMPiRE解散~ExWHYZ結成
佐々木敦 やっとお会いできましたね(笑)。
一同 よろしくお願いします!
佐々木 僕は前身グループのEMPiRE時代から皆さんのことを推していて、雑誌「BUBKA」で考察原稿を書かせてもらったりもしていて。今に至るまでの流れもずっと追っているんですけど、とにかくEMPiRE解散からExWHYZ結成の流れは怒涛の展開でしたね。
maho あまりに突然すぎて、びっくりしました。あのときはツアーの真っ最中で、「グループの未来のために今回のツアーをどうやっていいものにするか?」というミーティングをしてたんです。その直後に渡辺さんから「グループを解散します。ツアーファイナルが解散ライブだから」って突然言われて、「はい?」みたいな。そのあとすぐに新グループを結成すると言われて。あのときは衝撃でしかなかったですね(笑)。
佐々木 解散を告げられたときの動画がYouTubeにも上がっていますよね。渡辺さんに解散を告げられたあとに、「同じメンバーで新グループを結成します」と言われたときの皆さんの脱力ぶりが、とにかくリアルで何度も観直してしまいます(笑)。
mayu 解散を告げられたとき、私は驚きよりも「ほう……」っていう感じだったんですよ(笑)。たぶん、そのときの状況を受け入れられなかったんだと思うんです。あまりにも急すぎたし、「エンタテインメントとして、さすがにこれってどうなの?」と思っちゃって。でも、渡辺さんのことだから何かあるんじゃないかと思って、とりあえず最後まで話を聞いてみようと思ったんです。
南波一海 「何かあるかも」って思いながら聞く体になっている(笑)。
佐々木 それはWACK所属だからでしょ(笑)。
一同 はははは(笑)。
南波 ずっと気になっていたんですよ。WACKに所属している皆さんは、そういうサプライズ的なものをよく仕掛けられているわけで、実際のところ渡辺さんに言われた言葉を素直にそのまま受け取っているのかなって。
mayu メンバーによるよね?
maho うん。それに、いろんなパターンが考えられるし。
佐々木 過去の事例を考えても、どんなことでもあり得るってことで(笑)。
mikina 渡辺さんって重要なことを急に言ったりするんですよ。私は解散を告げられたとき、最初はドッキリだと思ったんです。でも、あまりに沈黙の時間が長かったので、さすがに嘘じゃないなと思って。
佐々木 嘘だったら嘘で、どんな嘘なんだよっていう(笑)。
mikina 渡辺さんは嘘か本当かわからないようなことを突然言い出すので。
mayu 「もう事務所なくなるから」とか。
mikina 「お前クビな」とかね。
maho ホントそう(笑)。
mikina あまりに沈黙が長くて、「まさか解散はないだろう」っていう気持ちがなくなっちゃって、今後の人生について考えちゃいました。「どうやって生きていけばいいんだろう……」って(笑)。
佐々木 皆さん、あの動画をあとで観たりしましたか?
一同 観ました。
mayu 自分の泣いている顔が面白すぎて(笑)。
maho ひどいですから、顔が(笑)。
mikina 恥ずかしい。
南波 でも解散宣告の直後に新グループを結成すると聞いて、前向きな気分にはなったわけですよね?
mayu そうですね。
maho EMPiREで、幕張メッセという大きな会場でライブをやらせてもらって、ここから次のステップにどうやって進んでいったらいいのか、メンバーみんなで試行錯誤してる時期だったので。EMPiREが終わるのが嫌だとかじゃなくて、ここからみんなでさらに成長していけたらいいねって。
過去に捉われることなく新たなモードに
佐々木 ExWHYZという新たなグループに生まれ変わると同時に、グループのイメージや音楽性もガラリと変化しましたよね。そのあたりについてはいかがでしたか?
mayu 解散発表後に“元EMPiRE”として「元EMPiREなりのラストツアー」という機会を設けてもらったのが自分的には大きくて。そこでEMPiREというものに対してケジメをつけられたんです。EMPiREのメンバーとして5年くらい活動してきたけど、このツアーで集大成を見せてから新章に突入して新しい自分になりたいと思ったので。
佐々木 「元EMPiREなりのラストツアー」は、ある種、ExWHYZへの移行期のような感じだったんでしょうか?
mayu はい。あのツアーがあったからこそ切り替えがうまくできたと思います。ただ自分でも不思議なんですけど、今になってみると、正直EMPiREの曲が歌いにくくなってるんですよ(笑)。ずっと歌ってきた曲なのに、今はExWHYZのmayuとして活動しているから、ExWHYZの曲のほうが歌いやすいし自分にフィットしてる感じがして。
佐々木 逆にもう1回EMPiREを再結成しますってなったら苦労するんですかね?
mayu 私は「マジか!」って思っちゃう(笑)。EMPiREにはもちろん愛情もあるし、そもそも自分の全部を捧げてきたグループだし。でも今は完全にモードが切り替わっていますね。
南波 さっき話に出たEMPiREの幕張メッセ公演って、パフォーマンスも演出もトータルでものすごい完成度だったわけじゃないですか。今後の方向性について試行錯誤してたという話もあったけど、とはいえあそこまでグループとして極まっていた状態から、ぱっと次のモードに切り替われるというのは単純にすごいことだなと思います。
mayu 私たちには「過去に捉われないようにしよう」っていうグループとしてのスタンスがあるんですよ。過ぎたことは過ぎたことで、「あのときはよかったけど、でもあのときのやり方を今そのままやるのはどうなんだろう?」って。
南波 まあ、そこは社風がね(笑)。
mayu 過去に執着してないというか、未来のことを考えていたいので。ExWHYZに生まれ変わることによって、その次の未来に向かうチャンスが広がると信じています。
佐々木 mahoさんとmikinaさんは、すぐにモードを切り替えられましたか?
mikina ExWHYZになるにあたって、変わらなきゃいけないという気持ちは強くありました。のびのび新しいことをやりたいとか、始まりを怖がらないでいたいとか、そういう気持ちが自分の中にあって。もちろんEMPiREはすごく愛してるんですよ。その愛している経験とか記憶を土台にして、今、ExWHYZで生きているっていうか。言葉にするのは難しいんですけど、そういう感覚なんですよね。
maho 私はEMPiREで活動してきたからこそ、チャレンジすることに対する勇気を身に付けられたと思っていて。その経験があるからExWHYZとしての活動にも、すんなり向き合うことができました。ExWHYZのメンバーはみんな根が明るいから、それぞれ変化を楽しんでいるんですよね。そういう姿を近くで見ていたから、私も一緒に楽しめたというか。
佐々木 EMPiREで得たものが、ちゃんと今の活動に生かされているわけですね。そういう意味でも意味のある5年間だった。
mayu それは間違いないと思います。
大胆なサウンドの変化がグループにもたらしたもの
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お二人がいろいろと深く聞いてくださり、お話ししてくださったのでわたしたちも話すのがただただ楽しかった回です
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