佐々木敦&南波一海の「聴くなら聞かねば!」 3回目 前編 [バックナンバー]
神宿と新しいアイドルの在り方を考える
“THE LIFE OF IDOL” これが私たちの生きる道!
2021年3月3日 20:00 2
構成
とりあえずアイドルから始めましょう!
塩見きら 緑担当、しおみぃこと塩見きらです。よろしくお願いします!
一ノ瀬みか 赤色担当、みかちんこと一ノ瀬みかです。よろしくお願いします!
羽島みき 黄色担当、みーにゃんこと羽島みきです。よろしくお願いします!
佐々木敦 (たじろぎつつ)初めまして、佐々木敦と申します(笑)。今日は皆さんありがとうございます。僕はつい1年ほど前からアイドルに興味を持つようになったんですが、そのきっかけの1つが神宿さんの動画だったんです。なので今日はお会いできて光栄です。
羽島・一ノ瀬・塩見 おおー! うれしい!
佐々木 最初は名前を見て「ん? シンジュクって読むのかな?」という感じだったんですが(笑)、ちょうど塩見さんがグループに加入された頃(2019年4月)に偶然発見して。その後、アップされる動画やミュージックビデオを観ていったら、神宿の皆さんはどんどん変化なさっているなと。この連載でも、南波くんとよくその話をしていたんです。
南波一海 僕は2015年に1度取材させてもらったことがあるんですが、今では皆さん別人のように変化を遂げていてすごいなと。それで、なぜそうなったのか、今皆さんがどんなことを思っているのか知りたいなと思って。
羽島 うれしい。ありがとうございます。
佐々木 最初にそもそもの話を伺いたいんですが、羽島さんと一ノ瀬さんはスカウトされて神宿のメンバーになっていますよね。お二人はアイドルという存在について、それまでどんなイメージを持っていたんでしょうか?
羽島 私は幼稚園の頃からアイドルに憧れていて。当時ミニモニ。さんが大好きだったので、先生にラジカセを借りて音楽を流して、お友達と一緒に真似して踊ってました。成長日記にも「将来の夢はアイドル」と書いてたりして。
佐々木 では、アイドルになるべくしてなられたんですね。スカウトされたときはどう思いましたか?
羽島 すごくうれしかったです。芸能界に憧れを持ってはいたものの、オーディションを受けたりはしていなかったので。今グループで一緒に活動している妹の(羽島)めいとお母さんと一緒にいたところに声をかけられて、3人で話を聞いたのが始まりでした。
佐々木 なるほど。一ノ瀬さんはどういった経緯で神宿のメンバーに?
一ノ瀬 私は中学2年生のとき引きこもりになって、学校に行けない時期があったんですけど……9つ歳が離れた姉に原宿へ連れ出されて、そこでスカウトを受けました。そのときは女優やモデルになるのが夢だったけど、具体的には動けていなかったので、もしかしたら夢に手が届くんじゃないかと思ってうれしくて。でも最初はアイドルのスカウトだと明かされずに、「芸能界に興味はありませんか?」と聞かれたんです。
佐々木 手の内を明かされずに(笑)。
一ノ瀬 そうなんです。で、女優やモデルの仕事に興味があることを伝えたら、「なるほど……ちなみにアイドルはいかがですか?」って(笑)。そのときはまだアイドルというものにしっかり触れたことがなかったので、正直どうなんだろうと思ったんですが、「アイドルだったら女優にもモデルにもなれる可能性があるから、とりあえずアイドルから始めましょう!」と言われて、今に至ります。
南波 すごい。スカウトする方はそうやって話を持っていくんですね(笑)。
羽島 妹も同じく、アイドルよりも女優やモデルのお仕事に憧れていたみたいなんですが、「アイドルから別の職業を目指すのもアリだよ」と提案されて……(笑)。
一ノ瀬 同じこと言われてる(笑)。私はそれまで友達もあまりいなかったし、一匹狼みたいに過ごしてきたので、グループでアイドル活動するなんてまったく想像していませんでした。だからアイドルになると決断したあと「顔合わせするよ」と言われたとき、「顔合わせ? 誰と?」と思って……そこで実際に会ったのが神宿のメンバー4人だったんです。
佐々木 なるほど。じゃあ、最初はアイドルの活動には慣れなかった?
一ノ瀬 そうですね。歌はもともと好きでしたが、ダンスは完全に初心者でしたし。踊ろうとすると手と足が一緒に出ちゃうんですよ(笑)。当時は、バレエを13年習っていたみきにいろいろ助けてもらいました。
羽島 苦手な動きがあったら「ここはこうだよー」ってよく教えてましたね。
南波 でも、そんなふうに集まったメンバーが1つのグループとしてこうやって長く活動を続けているなんて、なかなかないケースですよね。オーディションでもなく、同じ事務所で一緒にレッスンを受けていた仲間同士で結成されたわけでもなく。
羽島・一ノ瀬 確かに。本当にそうですね。
自分自身が変化していったことがとにかく楽しくて
佐々木 塩見さんは2019年に開催された新メンバーオーディションを経て神宿に加入されましたが、加入発表の瞬間の映像、特に登場シーンがすごく印象的でした。ワンマンライブ(同年4月開催の東京・チームスマイル・豊洲PIT公演)でオーディションの結果が発表されていましたが、公演中「WHO IS WINNER?」という文字がスクリーンに映し出されたと思ったら、「塩見きらー!」というド派手なコールとともにステージに登場されていましたね(笑)。
塩見 あはは。そうでしたね(笑)。
佐々木 あんなドラマチックな加入発表、ほかのアイドルでもあまりないですよね。以前から神宿の一員になりたいという思いは強かったんですか?
塩見 そうですね。実は私も、YouTubeから神宿にハマったんです。私はもともとアイドルが好きで。アイドルの方がどんなことを考えて、どんな思いで活動しているのかにすごく興味があって、アイドル誌を買ってインタビューを読み漁ったり、YouTubeで動画を観たりしていました。そうするうちに自分を変えたいという思いが生まれ、同じタイミングで神宿の動画に出会って。楽屋で過ごすメンバーの動画を観たりしているうちに、神宿の雰囲気がすごく好きだなと思ったんです。
佐々木 それでオーディションを受けられたと。選考中、自分で「これはいける」と思った瞬間はありましたか?
塩見 いや、まったくです(笑)。発表当日も、審査が終わって「(新メンバーは)塩見きらさんです」と言われたとき、思わず「えっ!?」と聞き返したくらいで(笑)。途中、自分が受かるか落ちるかみたいなことはそんなに考えていなかったんです。それよりも、「変わりたい」と思って行動を起こしたことによって、自分自身が本当に変化していったことがとにかく楽しくて。これが私のやりたいことだとわかったんです。でも気付いたら、ステージ上であんなことになってしまって……。
一同 あははは!(笑)
佐々木 でも、あの映像は本当にすごいですよね。加入が発表された直後に、ステージ上でメンバーと一緒に歌っているんですから(笑)。発表と同時にお披露目という稀なパターン。
塩見 忘れられない思い出です(笑)。
髪色もネイルも、自分が好きなように
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音楽ナタリー @natalie_mu
【連載】佐々木敦と南波一海の「聴くなら聞かねば!」第3回:神宿と新しいアイドルの在り方を考える(前編)|“THE LIFE OF IDOL” これが私たちの生きる道!
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