左からAyase、RIKU、ikura。

THE RAMPAGE RIKUの「音楽大陸」 Vol.3(後編) [バックナンバー]

YOASOBIがついにCDをリリースした理由

音楽をシェアする時代に新しい宝物を

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THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカル・RIKUさんの連載「音楽大陸」Vol.3後編には、前編に引き続きYOASOBIの2人が登場。1月6日にリリースされたYOASOBIの1stアルバム「THE BOOK」についてRIKUさんが迫ります。

デビュー曲「夜に駆ける」を発表してから1年、初めてCDをリリースしたYOASOBIの2人は、音楽を無料で楽しむことができるこの時代をどう見ているのか。コロナ禍以降の音楽シーンについて両者が語り合いました。また後半では最近のプライベートの過ごし方も明かしてくれています。

取材・/ 清本千尋 撮影 / 曽我美芽

YOASOBI楽曲を歌ううえでikuraが気を付けていること

YOASOBIに話を聞くRIKU。

YOASOBIに話を聞くRIKU。

RIKU ここからはYOASOBIさんの話題に戻して話したいんですけど、名曲中の名曲「夜に駆ける」が「Billboard JAPAN」の年間1位の楽曲に輝いたそうで。おめでとうございます!

ikuraAyase ありがとうございます。

RIKU 「夜に駆ける」は本当に素晴らしい曲だと思うんですけれども、「小説を音楽にする」というテーマがある中でどんな思いを込めて書いた曲なんですか?

Ayase デビュー曲になるので、まずはベースを固めようと思ったんです。ひと言で「小説を音楽にする」と言ってもどういった形でアウトプットするのがベストなのか、かなり模索しました。その小説のテーマソングを作るようなものなのか、果たしてまた別のやり方なのかを試行錯誤して、結果的に小説の世界観を音楽でどれだけ広げられるのか、ということを意識して作りましたね。

RIKU ikuraさんが歌ううえで意識したことはありますか?

ikura 最初は「小説を音楽にする」ってどういうことなんだろうというところから始まったんです。それからすぐに「夜に駆ける」のレコーディングがあって。「小説を音楽にする」という大きなテーマがある中で、今までの幾田りらの歌い方をするよりも、小説の主人公として歌おうと思いました。いい意味でフラットに、色を付けすぎないようにしましたね。

RIKU なるほど。YOASOBIの活動では曲ごとに自分じゃない誰かになれるというか。

ikura そうそう。憑依させて歌う、みたいなイメージです。

RIKU それって難しくないですか?

ikura 難しいです。でも最近はいろんな主人公になれるのが楽しくなってきました。

買わないときっとこの感動は味わえない

RIKU 「THE BOOK」のお話もしたいんですけど、お二人はこれまで配信で楽曲をリリースして、今回が初めてのCDリリースなんですよね。今回CDを出すことになった経緯を教えてほしいです。

Ayase(YOASOBI)

Ayase(YOASOBI)

Ayase 自分たちも配信だけじゃなくて、モノとして作品をリリースしたい思いはずっとあって。それこそ昔俺はEXILEのCDを買って宝物のように思っていたんですよ。今は手軽にサブスクとかで音楽を聴けるんですけど、その音楽が入ったものを独り占めしてワクワクしながらケースを開けて、ブックレットに載っている写真や歌詞を見てっていう行為をすることでCDが宝物になる。CDを買うごとに自分の人生に宝物が増えたという感覚があった。だからそういう経験をYOASOBIの音楽でもしてもらいたいなと思ったんです。

RIKU その感覚わかるなあ。

ikura 私もYOASOBIとして手に取れるものを残したいという思いはずっとありました。たくさんの人にYouTubeやサブスクで発表した作品に触れていただいたので、今度はYOASOBIが出すCDを手元に欲しいと思う人がどれぐらいいるんだろうとワクワクしています。

RIKU 今は歌詞も検索すればすぐに出てくるけれど、何度も歌詞を読んでブックレットがふにゃふにゃになっていくのもよかったりするんですよね。資料を見させていただいたんですけど「THE BOOK」はパッケージも面白いなと思って。

Ayase 誰かの宝物になってほしいからこそ、パッケージにはものすごくこだわりましたね。

ikura 「THE BOOK」はバインダー型になっているんです。この中にYOASOBIの世界観がギュッと詰まっています。

YOASOBI「THE BOOK」展開図。

YOASOBI「THE BOOK」展開図。

Ayase バインダーだからどんどん追加することもできるし、順番も変えられるようになっていて。買って聴いて終わりじゃない仕様になっています。

RIKU オリジナルのYOASOBIさんのアルバムが作れるんですね。すごい。

Ayase CDを買う……いや、音楽を買うハードルが上がっているからこそ、体験としてこのアルバムを買ってほしいんですよ。買わないときっとこの感動は味わえないから。

RIKU 1stアルバムがここまで最高すぎると、2ndアルバムへのハードルも上がっちゃいますね。

Ayase そうですね。もうケースを開いたらホログラムが出るとかそんな具合でしょうか? がんばらないと(笑)。

RIKU 面白い作品をフィジカルで出すアーティストが増えていくことで、日本での音楽の聴かれ方や捉え方が変わったらいいなと僕は思うんです。僕らにとって自分たちの音楽を発信することは、最大の承認欲求じゃないですか。その欲求を満たすためにいろんな形で音楽を発信し続けて、根本にある音楽自体が認められたときには本当にうれしい。YOASOBIさんの「夜に駆ける」はダイレクトに音楽自体が認められたわけで、日本の音楽シーンのムードも曲自体の魅力に集中してきている。だからこそ今はプレイヤーとして極め甲斐がある時代だなと思ったりもします。

ikuraとAyaseがかました曲とは?

RIKU 「THE BOOK」の収録曲はお二人の中でどれも大切な楽曲だと思うんですけど、「これはかました!」みたいな曲がもしあれば教えていただきたいです。

Ayase かましたのは当たり前ですけど「夜に駆ける」ですね。デビュー曲というのもあって気合いが入っていて。曲に優劣もないし、全部均等に愛しているんですけど、自分が好きな音楽をしっかり落とし込めたのは「たぶん」。ローファイなヒップホップというか、チルい感じのトラックにR&Bっぽい歌唱を乗せた曲なんですけど、それこそEXILEという自分のルーツにもつながっていて。こういう後ノリ的なスイング系のリズムが好きなのはEXILEさんの影響だと思うので。

RIKU ikuraさんはどうですか?

ikura 私は「群青」です。その前に出した4曲は私がまずどんな歌い方をするのかを計画して、それをベースにAyaseさんと話し合って歌い方を固めていったんですけど、「群青」は自分が「こうやって歌いたい」とコーディネートしたものがそのまま採用されて。レコーディングもスムーズで、ほかの曲と比べてすぐに終わりました。過去のレコーディングでYOASOBIっぽさを自分自身がつかめてきたのも大きかったと思うんですけど、YOASOBIに必要な歌の要素と自分がやりたいことがうまくマッチした瞬間でもあって、それがすごくうれしかった。ぷらそにかのメンバーも合唱パートに参加してくれて、みんなに背中を押されながら歌えたのも思い入れが強い理由ですね。

音楽をシェアして楽しむという感覚がもっと広がったら

RIKU コロナの流行で、2020年は音楽業界にとって苦しい1年でしたが、その中でYOASOBIさんは一躍人気アーティストになりました。そのことについてお二人はどう考えていますか?

ikura(YOASOBI)

ikura(YOASOBI)

ikura 今年はみんな1人でいる時間が増えて、今までよりも音楽を聴くようになった人が多いと思うんですよ。忙しない日々の中で、今までは目を向けられなかった娯楽に時間を使うことができたから、YOASOBIの「小説を音楽にする」という作品が時代にフィットしたんじゃないかなと思っていて。コロナ禍でステイホームの時間があったから、みんながYOASOBIにたどり着くスピードが速かったのかなと。

Ayase そうだね。2020年の音楽シーンはコロナ禍でマイナスな側面が大きかったように見えると思うけれど、プラスになった面で言えば、自宅でどう楽しむかというところにみんなが目を向けて、音楽とは関係ない畑の人が歌う動画をアップしたり、著名人たちも好きな音楽をシェアしたり、音楽をほかの人と共有して楽しむベースができあがったと思うんです。もちろんコロナの問題は早く収束してほしいと願っていますが、自由に音楽を作ってシェアして楽しむという感覚自体はもっと広がっていってほしいなと思っていますね。

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