のっち

のっちはゲームがしたい! 第2回 [バックナンバー]

「FGO」の開発現場に潜入!多くのマスターを夢中にする理由を探ってきました

第2部開発ディレクター・カノウヨシキさんと推しサーヴァントについてトーク

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Perfume・のっちさんがゲーム業界のさまざまな人々に会いに行く連載「のっちはゲームがしたい!」。今回はスマートフォン向けRPG「FGO」こと「Fate/Grand Order」の企画・開発・運営を手がけるディライトワークス株式会社を訪問し、普段見ることができないゲーム開発の裏側を見学させてもらいつつ、「FGO」第2部 開発ディレクターであるカノウヨシキさんにいろいろな話を聞いてきました。

取材 / 倉嶌孝彦・橋本尚平 文 / 橋本尚平(取材後記は除く) 撮影 / 上山陽介 題字 / のっち

門外不出の開発画面を目撃

これまでも「FGO」への課金によって経済を回してきたというのっちさん。今からその「FGO」を開発しているディライトワークスにお邪魔します。

エントランスからすぐのロビーには、FGO関連のさまざまなグッズなどが陳列されています。大量のグッズを1つひとつチェックしながら早くもテンションが上がるのっちさん。赤セイバーことネロ・クラウディウスの実物大の大剣が飾られているのを発見し、右手に構えてポーズを決めました。

カノウさんに案内されて、のっちさんがまず訪れたのは、関係者以外立ち入り禁止の開発フロア。かなり広々とした室内でたくさんの社員がパソコンに向かっています(取材は2020年3月に実施)。皆さん集中して黙々と作業を進めているため、どことなく緊張感が漂います。

ここでのっちさんは、ギルガメッシュ(アーチャー)やメカエリチャンII号機といったサーヴァントの、攻撃モーションと宝具演出の開発画面を見せてもらいました。

デスクには2つのモニタが並んでおり、右のモニタには実際にプレイヤーが見ている映像、左のモニタにはそのときゲーム内で何が起こっているのかを別角度から見た映像が流れています。

のっちさんは2つのモニタを見た瞬間、「えっ! すごい! こんなことになってるんですか!」とビックリ。てっきり2Dアニメだと思っていたバトルシーンでしたが、実際は背景が3Dで描かれており、そこに書き割りのように2Dのキャラクターが配置されていました。普段プレイヤーが見ているのは、その3D空間の中に置かれた複数の仮想のカメラの視点だったんです。また背景だけでなく、ド派手な宝具演出もすべて3Dアニメーション。のっちさんは興味深げにモニタを覗き込み、「そっか、エフェクトのデータは3Dにしたほうが使い勝手がいいってことなんですね」と納得していました。

普段は絶対に見ることができない、文字通り“ゲームの裏側”を見せてもらったのっちさんは思わずため息。見えない部分まで作り込まれたバトルシーンの全貌を目の当たりにして「これからは背景までしっかりチェックします」とつぶやいていました。

リアルな効果音作りに挑戦

「来ていきなりこんなものを見られるなんて!」と興奮を隠せないのっちさんが次に訪れたのは、ゲーム内のさまざまな効果音、いわゆるフォーリーサウンドを制作する専用の録音スタジオ。ここではいろいろな小道具を駆使して、足音や衣擦れ、海の波音、武器の打撃音などを表現します。

こういった効果音は、一般的なゲーム会社はパソコンの中だけで制作することが多いそうですが、ディライトワークスではオリジナルのフォーリーサウンドにこだわることで、没入感が高まるリアルな音を追求。社内に本格的なフォーリーサウンド用のスタジオを持っているのは、ゲーム会社では珍しいそうです。

ここでフォーリーサウンドの担当者が、沖田総司〔オルタ〕の宝具演出の音作りを実演。火バサミに金ベラをこすり付けると、まるで太刀で斬るような硬く鋭い音が響き渡り、のっちさんは驚きの声を上げました。

道具の押さえ方やこする速度によっても音が変わるので、実際の制作では微調整をしながら、納得できる音が録れるまでなんテイクもレコーデイングを重ねます。そしてのっちさんも音作りに挑戦。

鳴らし方をレクチャーしてもらったのっちさん。開発画面を見ながらタイミングを合わせて、沖田総司〔オルタ〕の気持ちになって金ベラを構え……「くらえ! なんかすごいビーム!」。

録音した効果音はすぐにプレビューして、キャラクターの動きに合っているかなどを検証します。なお、実際のゲーム内ではこの金属音だけでなくさまざまな音が重ねられていて、サーヴァント1騎に対して約40のオリジナルのフォーリーサウンドが使われているとのこと。道具の素材や鳴らし方などを変えて音色に変化を付けることで、キャラクターそれぞれの個性を表現します。

さらにのっちさんは、鎖を巻いたスコップを揺らしてカチャカチャ鳴らした音や、小石を敷き詰めた床で足踏みする音を出して「鎧を着て歩く」というシーンを表現しました。鎖の音を聞いたのっちさんは「マシュが歩くとき、めっちゃこの音してますよね……!」「本当に鎧を着てる気分!」と大喜び。

フォーリーサウンドに正解はなく、あらゆる日用品からアイデア次第でさまざまな音を作り出すことができるので、ディライトワークスでは社員みんなで常に新しいアイデアを考えながら試行錯誤しているとのことです。のっちさんは「こういうこだわりが、ゲームの臨場感や生々しさにつながっているんですね」と感心していました。

最後に訪れたのはリフレッシュエリア。「新しいゲームを作り出すためには温故知新が必要」ということで、ここには古いアーケードゲームの筐体などが置かれたゲームセンターや、古今東西のボードゲームが自由に遊べるカフェがあります。のっちさんは足を踏み入れるや否や「ここで働きたい……!」と感嘆のため息。ゲームセンターでは、千葉・幕張メッセで開催された「Fate/Grand Order Fes. 2019 ~カルデアパーク~」にて稼働していたメカエリチャンの玉転がしゲーム「チェイテピラミッド姫路城クライム」に挑戦し、見事一発でクリアしました。

ボードゲームカフェでは、小さいものから大箱まで取りそろえられた約300種類のゲームをプレイすることが可能。社員は休憩時間や就業後に集まってボードゲームに興じています。ちなみにのっちさんは「犯人は踊る」というカードゲームが大好きとのこと。また仕事現場などでよく「カタン」をみんなでプレイしているそうです。

その後のっちさんは会議室に移動し、カノウさんへのインタビューを開始。2人のトークの中で、のっちさんの推しサーヴァントが明らかになります。

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のっち「自分が自分であることを全肯定してくれる物語なんですよ」 / カノウ「僕の開発も、坂本真綾さんの『逆光』と共に始まった感覚があるんです」

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