この春、長年グループを牽引してきた一期生が全員卒業し、ほぼ同時期に四期生9名を迎えた櫻坂46。総勢33名の新体制となった彼女たちは、2ndアルバム「Addiction」を携えた今回のツアーで愛知、福岡、広島、東京、大阪の5都市を巡ってきた。中でも東京公演は坂道グループ史上最大規模の東京ドーム3DAYSとなり大きな話題を呼んだ。そして迎えたツアーファイナルの舞台は、櫻坂46にとって初の京セラドーム大阪。この公演にて櫻坂46は3時間超のエンタテインメントショーを繰り広げ、駆けつけたBuddies(櫻坂46ファンの呼称)を圧倒した。
これが櫻坂46の本気
“てんかりん”こと山崎天&
冒頭の挨拶を終えた櫻坂46は「嵐の前、世界の終わり」「Nightmare症候群」というダークな世界観をまとった楽曲を次々と披露してオーディエンスを魅了。「マンホールの蓋の上」では、車に水をはねられた森田ひかるがゴミ箱を蹴り飛ばし、「チッ」と舌打ちを放つ演出に、客席からは悲鳴に近い歓声が上がる。ライブならではのアレンジも見どころで、SNSにおける誹謗中傷やネットリンチをテーマにした「流れ弾」や、恋愛の選択をシニカルに描写した「自業自得」では大幅なダンスブロックを追加。「流れ弾」ではセンターの
ユニット曲から期別パフォーマンスまで
最新シングルより大園玲、守屋、向井純葉、村井優、村山美羽によるユニット曲「真夏の大統領」が初披露されたあと、ステージで展開されたのは期別のパフォーマンス。二期生は松田がセンターの「紋白蝶が確か飛んでた」と、メンバーとBuddies全員でタオルを振り回す「ドローン旋回中」でドーム内にさわやかな空気を呼び込む。続く三期生は小田倉麗奈が初センターを務めた「恋愛無双」や初の三期生曲であるサマーチューン「夏の近道」で会場を盛り上げた。そして、ムービングステージに乗りながら満を持して登場したのは四期生9名。東京公演から今回のツアーに参加した彼女たちは、グループ最年少の山田桃実を中心に据えた「死んだふり」を披露し、先輩たちに負けない全力のパフォーマンスでBuddiesから温かい拍手を浴びた。なお「ドローン旋回中」「夏の近道」では二期生、三期生のメンバーたちがトロッコに乗り込み、アリーナ外周を回遊してオーディエンスを喜ばせた。
続く「偶然の答え」からは、櫻坂46の繊細で美しい世界観を映し出すブロックへと突入。壮大なサウンドスケープが描かれる「偶然の答え」、幻想的な都会の雪景色が広がる「TOKYO SNOW」、センター中嶋優月の表現力がひと際光る「Nothing special」が届けられると、場内はセンチメンタルな空気に包まれた。その流れの中で披露されたのは、静けさと激しさが同居する「I want tomorrow to come」。この曲では2番に差しかかったところで四期生たちが合流し、最新形の櫻坂46の姿をファンに見せつけた。
カオス極めるステージに“れなぁ砲”炸裂
「見てて?」という石森璃花の甘い囁きに一瞬でドームが沸騰したBACKS曲「港区パセリ」からライブもいよいよ佳境へと突入。グループ史上もっともハイテンションなナンバーとも言える「UDAGAWA GENERATION」ではサーカス団とのコラボレーションが実現し、本格サーカスとの共演により、ステージはカオスの様相を呈していく。櫻坂46がメンバー以外とステージを作り上げるのは今回が初めて。さらにこの楽曲のMVでお馴染みの守屋麗奈が大砲で吹き飛ぶ、通称「れなぁ砲」の演出も飛び出し、観客を大いに驚かせた。
その後、櫻坂46はグループ屈指のロックチューン「何歳の頃に戻りたいのか?」を皮切りに、人気曲を畳みかけるように披露。「承認欲求」の前に披露された「もう一曲 欲しいのかい?」では山下瞳月が「まだまだ声出せるよなぁ!? 京セラドーム、まとめてかかってこい!!」「京セラドーム、態度で示せ!!」と叫び、熱狂するBuddiesをさらに焚き付けた。「嵐の前、世界の終わり」からここまでMCを一切挟まずに走り抜けてきた櫻坂46。最後は的野美青がセンターを務める最新シングル曲「Make or Break」を投下し、怒涛のステージを締めくくった。
「Buddiesのみんな準備はいい?」
アンコールを求める声に応えてステージに登場した櫻坂46は再びトロッコでアリーナ外周を回りながら「Buddies」を歌唱。より近い距離でBuddiesとの絆を確かめ合った。キャプテンの松田からこの日のライブの感想を聞かれた四期生の勝又春は「四期生一同、まだまだ未熟者ですが、常に前進し続ける先輩方に少しでも近付けるように精一杯がんばっていきます」と思いを語る。的野はこのツアーを通して自分の弱みや課題がたくさん見つかったと切り出し、「これからも自分の失敗に心が沈んでしまうときがあると思うんですけど、そういうときは、今日一緒に描いたこの景色や時間を思い出して、ともに時間を共有した仲間として、これからも支え合っていけたらと思います」とBuddiesへの信頼がうかがえるコメントを述べた。そして田村は以前松田が話した「メンバーそれぞれの夢を櫻坂46というグループで叶えられるような、そんなグループになろう」という言葉に感銘を受けたと言い、「Buddiesが私たちの夢を皆さんの夢と一緒にしてくれたら、もっともっと大きい夢も叶えていけるんじゃないかなって本気で思っています。だからこれからも支え続けてほしいし、私たちも支え続けさせてください!」と生き生きとした表情で語った。
そんなメンバーの言葉で会場がエモーショナルな空気に包まれる中、櫻坂46が最後の1曲として届けた「櫻坂の詩」では、的野が事前に用意していたコメントを忘れてしまいあたふたするという微笑ましい場面も。松田は駆け抜けてきたツアーを振り返り、「改名してからは、前が見えづらいこともあったし、櫻坂の色ってどんな色だろうとたくさん模索してきました。でも、諦めずに櫻坂に向き合ってきたから、こうして今の櫻坂46があります。ドームにも立てたし、満開の桜を見ることもできたし、櫻坂らしさを見つけることができました。このメンバーとなら、Buddiesとなら、なんだってできると私たちは思っています」と熱く語る。続けて松田は「こんなに熱くて最高のグループをはもっとたくさんの方に知ってほしいです。そのために私たちはどんな壁が立ちはだかっても、夢を諦めずに最後まで追い続けます。そして一緒にまだ見たことない景色を見に行きましょう。Buddiesのみんな準備はいい? これからも一緒に夢を追い続けていきましょう」とメッセージを届け、全国で26万人を動員した大規模ツアーに幕を下ろした。
ライブの余韻冷めやらぬ中、会場のスクリーンを通して、13枚目となるシングルの発売と、活動5周年を記念したアニバーサリーライブ開催が発表された。会場などの詳細は後日アナウンスされる。
また終演後には櫻坂46のYouTubeチャンネルにて緊急生配信が実施された。配信に登場したメンバーは大阪にちなみ、たこ焼きやタコの被り物を着けてトークを展開。緊張感あふれるライブとは裏腹な、リラックスしたゆるふわトークでBuddiesを楽しませた。
※山崎天の「崎」はたつさきが正式表記。
セットリスト
櫻坂46「5th TOUR 2025 "Addiction"」2025年8月23日 京セラドーム大阪
01. Addiction
02. 半信半疑
03. Start over!
04. 嵐の前、世界の終わり
05. Nightmare症候群
06. マンホールの蓋の上
07. 流れ弾
08. ノンアルコール
09. 自業自得
10. 真夏の大統領
11. 紋白蝶が確か飛んでた
12. ドローン旋回中
13. 恋愛無双
14. 夏の近道
15. 死んだふり
16. 偶然の答え
17. TOKYO SNOW
18. Nothing special
19. I want tomorrow to come
20. 港区パセリ
21. UDAGAWA GENERATION
22. 何歳の頃に戻りたいのか?
23. もう一曲 欲しいのかい?
24. 承認欲求
25. Make or Break
<アンコール>
26. Buddies
27. 櫻坂の詩
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