第20回大阪アジアン映画祭が3月23日に閉幕し、中国映画「バウンド・イン・ヘブン」がグランプリ(最優秀作品賞)に輝いた。同作は婚約者に歌手フェイ・ウォンのコンサートチケットを取り上げられた女性が奇妙な男に出会う壮絶な純愛ストーリーだ。
授賞理由は「映画が描く(映す)テーマが多様化する中で、特に『映画祭』では選ばれにくい、もっとも古典的な“恋愛映画”の本作にほとばしる熱度と強度に衝撃を受けました。主演2人がたどる『運命』は映画を目にする私たちを疑いもなくその物語に没入させ、映画的歓びを共有させてくれるその世界に魅了されました」と発表された。原題は「捆綁上天堂」。「カンフーハッスル」の脚本家フオ・シンの初監督作で、
コンペティション部門の上映作品を対象にした来るべき才能賞は韓国映画「朝の海、カモメは」を監督した
パク・イウンは「47歳にして新人賞をいただきました。海外で上映されるたびに、韓国とは違った場面で、観客の方が笑って泣いている姿を見て、私の気持ちも豊かになっていきます。そして映画が豊かになっていくのを感じます。観客の皆様、大阪アジアン映画祭の皆様に感謝いたします」と喜びを語った。
最優秀俳優賞はモンゴル映画「サイレント・シティ・ドライバー」のトゥブシンバヤル・アマルトゥブシンへ。同作は「セールス・ガールの考現学」で知られる監督ジャンチブドルジ・センゲドルジが霊柩車の運転手として働く男を描いた新作。授賞理由は「アマルトゥブシンは静謐で、決して不快でない男らしさを体現し、それは映画の領域に深く共鳴した。彼の内なる感情を伝える卓越した演技力は、静穏だが暗晦な世界に生きる主人公の複雑な孤独を的確に捉えた」とされている。
各賞の受賞結果は以下の通り。なお「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」が行われる来年度、次回の第21回大阪アジアン映画祭は8月29日から9月7日に開催される予定だ。
第20回大阪アジアン映画祭 受賞結果
グランプリ(最優秀作品賞)
「バウンド・イン・ヘブン」(Bound in Heaven / 捆綁上天堂)中国
来るべき才能賞
パク・イウン「朝の海、カモメは」(The Land of Morning Calm / 아침바다 갈매기는)韓国
スペシャル・メンション
「私たちの話し方」(The Way We Talk / 看我今天怎麼說)香港
最優秀俳優賞
トゥブシンバヤル・アマルトゥブシン「サイレント・シティ・ドライバー」(Silent City Driver / Чимээгүй хотын жолооч)モンゴル
JAIHO賞
「君と僕の5分」(404 Still Remain / 너와 나의 5분)韓国
薬師真珠賞
ラン・ウェイホア(LAN Wei-Hua / 藍葦華)
カオ・イーリン(Alexia KAO / 高伊玲)
ツェン・ジンホア(TSENG Jing-Hua / 曾敬驊)
ホアン・ペイチー(Queena HUANG / 黃珮琪)
「我が家の事」(Family Matters / 我家的事)台湾
JAPAN CUTS Award
「素敵すぎて素敵すぎて素敵すぎる」
芳泉短編賞
「洗浄」(WAShhh / 洗浄)マレーシア
芳泉短編賞 スペシャル・メンション
「金管五重奏の為の喇叭吹きの憂鬱」
観客賞
「蔵のある街」
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おおとも ひさし @tekuriha
大阪アジアン映画祭のグランプリは中国の壮絶な純愛描く「バウンド・イン・ヘブン」 -
"JAPAN CUTS Award
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