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アヌシーW受賞アニメの監督「ハイジ」からの影響語る、片渕須直とトーク

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「ぼくの名前はズッキーニ」トークイベントの様子。左からクロード・バラス、片渕須直。

「ぼくの名前はズッキーニ」トークイベントの様子。左からクロード・バラス、片渕須直。

ストップモーションアニメ「ぼくの名前はズッキーニ」のトークイベントが本日11月28日、東京・日本大学藝術学部 江古田キャンパスにて行われ、監督のクロード・バラスとアニメーション監督の片渕須直が登壇した。

本作は、亡き母に付けられた愛称“ズッキーニ”を大事にしている9歳の少年が、孤児院・フォンテーヌ園の中で自分の居場所を見つけていく物語。アヌシー国際アニメーション映画祭2016の長編部門で、グランプリにあたるクリスタル賞と観客賞をダブル受賞した。

10年前に読んだというジル・パリスの原作についてバラスは「孤児院に引き取られた男の子が、それぞれにつらい過去を抱えた子供たちと出会い、自分のつらさを乗り越えていく話」と説明。子供の頃に高畑勲が演出したテレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」を観ていたことに触れ、バラスは「自分の感情を大きく動かされました。私も子供たちに向けて感情が動くような作品を作りたいと思っています」と述懐する。

片渕が受け持つ授業の一環として行われたイベントには多くの学生が参加。バラスは、テスト映像を見せながら「ストップモーションは実写と平面アニメの中間にある技術」と述べ、「日本の福笑いに似ている」と言いながら持参したズッキーニの人形の表情を変えていく。また「顔が大きいとアニメーターが動かしやすく、作業が効率的に行える。表情を大きく動かせ、感情を表現しやすい」と技術的な事柄にも言及した。

経済的な理由などにより背景の変更を減らせる長回しを意識的に入れたと言うバラスに対して、片渕は「失敗すると大変なのでは?」と質問。笑顔でうなずいたバラスは「ストップモーションアニメは後戻りできない分、撮影前にいろんなパターンを考えます。その際、特に大きく動くシーンとほとんど動かさないシーンのバランスを考えます。そのような考えは片渕監督の作品からも感じます」と答える。

片渕は「演技が抑制的。小さく小さく動かしている。それが感情を伝えてくる」と作品を称賛。また「このような作品が日本で受け入れられることが大切。自分たちが観てきたアニメとは全然違うかもしれませんが、いろんなタイプの作品があったほうがいいわけです。これから皆さんが自分の作品を世の中に出していくときにも同じことが言えます」と学生たちに呼びかけた。

「ぼくの名前はズッキーニ」は2018年2月10日より、東京・新宿ピカデリー、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国ロードショー。

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