ステージナタリー

朝夏まなとの集大成、宝塚歌劇宙組「神々の土地」が東京へ

299

宝塚歌劇宙組「レヴューロマン『クラシカル ビジュー』」より、朝夏まなと。

宝塚歌劇宙組「レヴューロマン『クラシカル ビジュー』」より、朝夏まなと。

現トップスター・朝夏まなとの退団公演となる、宝塚歌劇宙組「ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~」「レヴューロマン『クラシカル ビジュー』」の東京・東京宝塚劇場公演が、本日10月13日に開幕。これに先がけ、通し舞台稽古と囲み取材が本日行われた。

作・演出を上田久美子が手がける「神々の土地」は、ロシア・ロマノフ家の一員として王朝を救う道を模索した青年の愛と葛藤の物語。ロシア帝国皇帝ニコライ2世の従兄弟ドミトリー・パブロヴィチ・ロマノフ役を朝夏、ドミトリーの旧友フェリックス・ユスポフ役を次期トップスターの真風涼帆、ニコライ2世の長女オリガ役を次期トップ娘役の星風まどかが演じ、セルゲイ大公妃、ロシア帝国皇后アレクサンドラの妹イリナ役には、本公演をもって退団となる伶美うららがキャスティングされた。

時はロシア革命前夜の1916年。怪僧・ラスプーチンの助言に従うニコライ2世の治世に、民衆たちは不満を募らせていた。そんな中、帝都ペトログラードで皇帝の警護にあたることになったドミトリーに、フェリックスがラスプーチンの暗殺を持ちかける。同じ頃、ドミトリーと皇帝の娘オリガとの結婚話が持ち上がるが、ドミトリーはある女性と思いを通わせていたのだった。

一面雪に覆われたロシアの広大な大地を表現した、美しい舞台美術が印象的な本作では、時代のうねりに翻弄されながらも、己の信念を貫いたドミトリーを朝夏が好演。朝夏は、滅びゆく王朝への思いと、愛しい人との別れを切ない表情と歌声で表現した。また稲葉太地作・演出によるレビュー「クラシカル ビジュー」では、宙組メンバーをさまざまな宝石になぞらえたステージが展開。華やかなダンスに加え、これまで宙組を率いてきた朝夏が、組子たちと視線を交わし合うシーンも見どころの1つとなっている。

通し舞台稽古後の囲み取材には、黒燕尾姿の朝夏が出席。朝夏は「神々の土地」について、「ドミトリーはすごく難しい役で苦労しましたが、(8月から9月にかけて行われた)宝塚大劇場公演を経て、自分の中に少しずつ役が降りてきたような気がします。当時のロシアの時の移り変わりと、今の宙組とは重なる部分があるので、組子のみんなで大きな波を作っていけたらと思います」と見どころを語る。

また朝夏は「クラシカル ビジュー」で組子と顔を合わせる場面にも言及。「みんなの心からの笑顔を見ることができて幸せです」と柔らかく微笑み、最後の衣装に黒燕尾を選んだ理由については、「みんなと同じ黒燕尾を着ていても、発するオーラが違うスターに憧れていたんです。また、宝塚の数ある伝統の中で黒燕尾の踊りを継承していきたいという思いがあったので、やっぱり最後はこれ(黒燕尾)かな、と」と襟元を正した。

さらに、「自身にとって宝塚とは?」と問われた朝夏は「人間としても舞台人としても成長させてもらった場所だと改めて思います」と思いを噛み締めるとともに、「お客様からの愛や、先生や組子の愛に包まれて、充実した気持ちで大劇場公演を終えることができました。東京宝塚劇場公演が本当の集大成になりますので、観に来てくださるお客様に今の宙組のパワーをお届けできるよう、先頭を切って引っ張っていきたいです」と意気込みを語った。公演は11月19日まで。なお千秋楽公演は全国各地および香港、台湾の映画館で生中継される。

宝塚歌劇宙組「ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~」「レヴューロマン『クラシカル ビジュー』」

2017年10月13日(金)~11月19日(日)
東京都 東京宝塚劇場

「ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~」

作・演出:上田久美子
出演:朝夏まなと真風涼帆星風まどか、伶美うらら ほか

「レヴューロマン『クラシカル ビジュー』」

作・演出:稲葉太地
出演:朝夏まなと、真風涼帆、星風まどか、伶美うらら ほか

ステージナタリーをフォロー