泉谷＆加奈崎、キヨシロー本出版イベントで名曲熱唱

2009年11月22日 22:22 1 音楽ナタリー編集部

泉谷しげると加奈崎芳太郎（ex.古井戸）の共著による書籍「ぼくの好きなキヨシロー」の出版を記念したイベントが、本日11月22日にブックファースト新宿店で行われた。

イベント開始前にはマスコミ向けのフォトセッション＆取材も実施。この本を書こうと思った理由を訊ねられると、泉谷は「俺は忌野さんが死んだと思っちゃいないんだけど、葬式やったりいろいろしてるわけじゃないですか。でも、あんな国民的な葬儀になるか？っていう感じなんですよ。ああいう祭り上げられ方は彼の本質が見えなくなるというのがあって。彼は常にアンチだったから、あの様子に違和感を感じるんですよね。だから、メチャクチャで素敵すぎる彼の姿をできるかぎり伝えたいなと思った」と語った。

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本書の中で印象的なパートについて問われると、泉谷は「随所にあるけど、（清志郎と彼の音楽に）出会ったときの衝撃を完全には伝え切れてない。そこがとてももどかしい」とコメント。これを受けて、加奈崎は「言葉や文章だけで伝えるのは無理だよ、だって音楽だもん」と続けた。

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「ぼくの好きなキヨシロー」は、忌野清志郎と40年来の盟友である泉谷と加奈崎が清志郎について語り尽くしたもの。若き日の出会いから思わず笑ってしまうユニークなエピソードまで、興味深い話題がたっぷりと詰まっている。

本日のイベントは泉谷＆加奈崎によるトークライブと、アコースティックライブの2部構成。トークライブでは書籍購入者50人を前に、泉谷と加奈崎が清志郎と出会った渋谷のライブハウス「青い森」時代の貴重なエピソードを披露。RCサクセションとしてステージに立った清志郎が客席に向かって毒づき、どんどんと観客が帰っていった話や、客が数人だけになると「今日はやーめた」と言ってステージを降りてしまう清志郎の話などを泉谷がするたびに、客席からは大きな笑いが起こった。

また、泉谷が当時の清志郎に批判的な檄を飛ばしたことから生まれたRCサクセションの「あきれて物も言えない」についての逸話や、泉谷の「俺は（清志郎と）仲良くしたくて付き合ってたわけじゃないし。自分にとっては友達という概念ではない」という清志郎との関係についても言及。ひとつひとつの話題に対し、観客はときに笑い、ときには深く頷きながら話に聞き入った。

トークライブが終了すると、いよいよアコースティックライブに突入。アコースティックギターを持った泉谷と加奈崎は、自身の楽曲を交えつつ2人が大好きな清志郎ナンバーを次々に披露していった。この日は客席に竹中直人の姿もあり、清志郎と加奈崎が映画音楽で参加した竹中の監督作品「119」から「満月の夜」を加奈崎がソロで熱唱。泉谷は難易度の高いRCサクセションの名曲「スローバラード」を、顔を真っ赤にしつつ声を絞り出すように歌った。

曲間では2人の軽妙なトークを交えつつ、ライブは終始和やかな雰囲気で進行。最後は泉谷の代表曲「春夏秋冬」を2人で歌い、約1時間にわたるスペシャルイベントは幕を閉じた。