総勢21組が白熱ライブ!祝福ムードにあふれた残響祭

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残響レコードが主催するライブイベント「残響祭」が、9月19日から21日にかけて東名阪で開催。この東京公演が9月21日に行われ、残響レコード所属アーティストや同レーベルと縁の深いバンドなど計21組が登場した。

出演者全員の記念撮影はduo MUSIC EXCHANGEにて実施。レーベルの絆の深さを感じさせるような1枚だ。

出演者全員の記念撮影はduo MUSIC EXCHANGEにて実施。レーベルの絆の深さを感じさせるような1枚だ。

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毎年9月21日は「残響祭」のため自宅で誕生日を過ごしたことがないというte'のmasa(写真中央)。アンコールでケーキがプレゼントされると、その場でかじりついた。

毎年9月21日は「残響祭」のため自宅で誕生日を過ごしたことがないというte'のmasa(写真中央)。アンコールでケーキがプレゼントされると、その場でかじりついた。

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9mm Parabellum Bulletの菅原はMCで残響レーベルの良さを語る一方、出演者の多さに「やりすぎじゃない? こんなにバンド呼んでさ(笑)」と言って会場を笑わせた。

9mm Parabellum Bulletの菅原はMCで残響レーベルの良さを語る一方、出演者の多さに「やりすぎじゃない? こんなにバンド呼んでさ(笑)」と言って会場を笑わせた。

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すっかり恒例となりつつある「残響祭」だが、今年はレーベル設立5周年を記念して盛大なものに。東京公演はSHIBUYA O-EASTと渋谷duo MUSIC EXCHANGEの2会場を舞台に3ステージ制で進行し、つねにどこかでアーティストのパフォーマンスを楽しめる内容となった。

まず、O-EASTのメインステージに登場したのは3nd。定刻に会場が暗転すると、開演を待ち構えていた観客から怒号のような歓声が沸き起こる。牧歌的なSEをバックに登場したメンバーは、美しいギターと屈強なリズムの応酬でフロアを酔わせ、MCでは「今日は祭ですよ! バンドもお客さんも関係なく、祭の一員として楽しんでください」と宣言するなどトップバッターにふさわしい勢いあるMCとパフォーマンスを繰り広げた。

続いてduo MUSIC EXCHANGEでは、AFRICAEMOのライブがスタート。独特の浮遊感を漂わせるラップと強烈なビートがオーディエンスを踊らせ、いつしか会場はダンスフロア状態に。基本のバンドスタイルに加え、タンバリンやボンゴ、カウベルをフィーチャーした楽曲の数々が、野外フェスさながらの開放感を呼んでいた。

韓国から来日したAPOLLO18の壮絶なパフォーマンスを挟み、O-EASTのサイドステージにtexas pandaaが登場。女性ボーカル2人を擁するこのバンドは、男臭い「残響祭」の中でも貴重な存在。フロントを務める夏堀朝子(Vo,G)、出川美樹子(Cho,B)の繊細なハーモニーと轟音の妙が、フロアを幻想的な空気で満たしていた。

続いて念入りなサウンドチェックの後、O-EASTのメインステージに立ったのはsleepy.ab。成山剛(Vo,G)の凛とした歌声がステージ上から全方位に広がり、観客の耳を引き付ける。さらに山内憲介(G)がエフェクターを駆使して紡ぎ出すやわらかな音色と、骨太なリズム隊が絡み合いながら叙情的な楽曲の数々を再現。北国の静謐さをたたえたような音像が、束の間の安らぎを与えてくれた。

イベントも中盤を迎えた時間帯には、残響レコードの新人ハイスイノナサがduo MUSIC EXCHANGEでパフォーマンスを披露。実験的音楽とも言うべき予測不可能な旋律とアンサンブルで、フロアを音の波に巻き込んでいった。また、O-EASTのサイドステージに現れたmiimiは、ノイジーなサウンドと太く情感豊かな女性ボーカルが魅力。小柄な体を振り絞るように繰り出されるyuko(Vo,G)の歌声が、オーディエンスを飲み込んでいたのが印象的だった。

O-EASTのメインステージに登場したLOST IN TIMEは、残響レコードのアーティストたちとは相反するシンプルなバンドサウンドと歌で勝負。海北大輔(Vo,G)は「列車」「希望」といった名曲を朗々と歌い上げ、大岡源一郎(Dr)と三井律郎(G)は安定感ある演奏でそれを支える。その実直なパフォーマンスは、多くの観客の心を打ったことだろう。

duo MUSIC EXCHANGEでパフォーマンスを披露したperfect piano lessonは、攻撃的なアレンジを聴かせる「(leaving this planet on the) Sunday Night」、爽やかな印象を残す「1,000 miles above」など最新アルバム「Wanderlust」からのナンバーを織り交ぜたセットリストを展開。ポップだが一筋縄ではいかないアンサンブルでフロアを圧倒した。

その後、O-EASTのサイドステージにはダイノジが登場。音楽イベントに出演する際のダイノジと言えばすっかりDJが定番となりつつあるが、この日はお笑いがメイン。きわどい時事ネタを盛り込みつつ、出番を控える9mm Parabellum Bulletのメンバーのエピソードを披露し観客の心をガッツリとつかむ。最後は大地洋輔のエアギターパフォーマンスも行われ会場を爆笑させた。

そして、おなじみのSEが爆音で響く中、O-EASTのメインステージに9mm Parabellum Bulletが姿を現す。9月9日の日本武道館公演では若干緊張した様子を見せていたメンバーたちだったが、この日はリラックスした雰囲気。「keyword」でライブの口火を切ると、破壊的な演奏と手加減なしの暴れっぷりで一気に会場のボルテージを上昇。MCで菅原卓郎(Vo,G)はこれまでの残響レコードとの歩みをしみじみと振り返り、「日本にはこういう音楽がないから、もっと広がっていくといいな」と抱負を語る場面もあった。

duo MUSIC EXCHANGEのトリを務めたPeople In The Boxは、スモークと青白い照明が幻想的なムードを演出する中、「昏睡クラブ」からライブを開始。ゆっくりと着実にその独特のグル―ヴで会場を染め上げていった。ライブ中盤には10月16日にリリースされる新作からのナンバー「日曜日/浴室」もいち早く披露され、集まったファンをおおいに喜ばせていた。

cinema staffのフレッシュなステージの後は、トリを務めるte’の出番。残響レコードの代表であるkono(G)が所属しているほか、病のため一時バンドを離れていたhiro(G)の復活ライブとあって、オーディエンスはライブ開始前から待ちきれない様子。SEが流れ始めると拍手とともに、なぜかどよめきが発生する。そしてhiroが両手を上げながらステージに登場すると、この日一番の歓声が会場に響きわたった。

定位置に着いたメンバー4人は、オーディエンスの期待にその熱演で応える。それぞれの音を時折ぶつけ合い、時折重ね合わせながら、歌心を感じさせる楽曲を次々と投下。MCでは復活したばかりのhiroが「ここに帰ってこれたのはみなさんのおかげです。一緒にずっと音楽をやり続けていきましょう」とファンに感謝を伝える場面もあった。

本編終了後も観客の興奮は冷めず、熱烈なアンコールに応えメンバーが再びステージに登場。konoは「1バンドのために始めたことがこんなことになって……」「スタッフもみなさんも最高です。まだまだ僕はやりますよ」と今後の展望を語った。さらにmasa(B)の誕生日であることが発表されると、バースデーケーキを持った出演者たちがステージに乱入。さらに客席を巻き込んでの「Happy Birthday」の大合唱が起こり、ハートウォーミングな空気が会場を包んだ。

アンコールとして披露されたのは、残響レコード誕生のきっかけとなった1stシングル「己が分を知りて及ばざる時は速やかに止むるを『智』と言うべし。」。うねるようなベースラインと流麗なギターフレーズ、フロアを震わせるリズムが見事に重なり合い楽曲を構築していく。すると、曲がクライマックスに差し掛かったところで再び出演者たちがステージに乱入し、te'のメンバーの楽器を奪い、各人が弾きまくるという珍事態に。9mmの滝善充(G)はマイクスタンドを持って暴れたかと思えば、次の瞬間にはドラムを乱打。その一方で菅原がギターをかき鳴らせば、その音にエアギターで応える人間がいたり、「oi」コールでフロアを煽ったりと、それぞれが自由気ままに暴れる様を見せる。その無秩序でなんでもありの状態は実に残響レコードらしいもので、会場のあちこちで笑いが起きるありさま。こうして約6時間におよんだ「残響祭」は、これ以上ないほどの狂喜にあふれた形でフィナーレを迎えた。

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音楽ナタリー @natalie_mu

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