DOPING PANDA、最強セットリストで2008年を締める

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12月21日、DOPING PANDAがLIQUIDROOM ebisuでワンマンライブを開催。今年最後のライブにふさわしい、圧倒的なステージを繰り広げた。

今年7月にJCB HALLで行われた全国ツアーファイナル公演以来、実に5カ月ぶりとなったドーパンのワンマンライブ。この日のリキッドには約950人のドーパメイニアが訪れ、フロアはすし詰め状態。ほとんどのメイニアがTシャツ&タオル姿で、3人の登場を今か今かと待ち焦がれた。

Yutaka Furukawa(Vo,G)、Taro Houjou(B)、Hayato(Dr)の3人がステージに姿を現すと、すさまじい歓声がリキッドを埋め尽くす。Hayatoのカウントから1曲目「Introck」が始まり、続いて「Blind Falcon」「Naked」「Game」とアッパーなチューンが次々と披露され、フロアは早くも酸欠寸前の熱気に包まれる。

「待たせたなドーパメイニア!今年最後のDOPING PANDAのライブです。燃え尽きるまでやろうぜ!」とFurukawaがオーディエンスに挨拶。「ワンマンやりたいってずっと思ってたんだけど、久し振りだから不安もあってね……もうおっさんだから(笑)。でもすぐよみがえるね。そこらへんが人とは違うよね(笑)」と、彼の饒舌な口ぶりからもこの日のライブの手ごたえを早くも感じ取っていることがうかがえる。

12月10日にリリースされたライブDVD「無限大DANCE LIVE」初回盤に収録された新曲「Lost & Found」も披露。疾走感が心地よいこのナンバーで、メイニアたちも気持ちよさそうにノリ続ける。続く「thunder」は、Furukawaがギターではなくシンセサイザーを弾きながら歌い、ストリングサウンドをフィーチャーしたアレンジで驚かせる。さらに「Hi-Fi」はユーロビート調の新たなリズムに乗せたサウンド。聴き慣れたナンバーも予想外の進化を遂げており、彼らの意欲がすみずみにまで感じられるひとときとなった。

「今日のチケットは10分か15分か、そのぐらいで完売しちゃったんだよね?だから我々は知ってるんです、君たちが何者かを。ちょっと興味があって観に来たって人じゃないんでしょ?いわゆる“コアファン”ってヤツでしょ」と、Furukawaがニヤリと笑いながらメイニアたちに告げる。先日イギリスでのライブを終えたばかりの彼らだが、「さっきやった『thunder』と『Hi-Fi』はね、UKバージョンだったんですよ。もうやんないでカギかけておこうかと思ったんだけど、簡単に開けちゃいました(笑)だってね、君たちが何者かを知ってるわけですから」と、コアなメイニアたちに向けたプレゼントだったことを明かす。

ひさびさのワンマンライブのせいか、Furukawaのマシンガントークは止まらない。「今日は本当に今年最後のライブなんです、カウントダウン何某に出たりとか、なんとかスクールのライブに飛び入りで参加したりとか、そういうことはありませんから!(笑)31日は10年ぶりぐらいに何も予定がないんでね、家で『笑ってはいけない』に浸ろうと思ってます」「タロティは今年はツアーと北京オリンピックがかぶっちゃって大変だったんだよね。何出てたんだっけ、フェンシングだっけ?帰ってきてから『何も言えねえ』って言ってたよね」。熱心なメイニアばかりが集まった場所とあって、肩の力を抜いて思う存分喋り倒す彼の様子を全員が楽しく見守っていた。

「Lover Soca」「Moralist」「Stairs」と、ゆったりとしたアダルトなナンバーでフロアを穏やかに揺らした後、恒例の「無限大DANCE TIME」がスタート。「行くぞ、今年最後の無限大DANCE TIME!」というFurukawaの掛け声とともに、強力なダンスナンバーばかりが次々と繰り出される。これまでの「無限大DANCE TIME」では取り入れられていなかったナンバーも新たに加わり、さらにパワフルにメイニアたちを踊り狂わせる。

「nothin'」では「無限大サンバタイム」と銘打ったサンバ調のリズムも披露。ダンスタイム終盤、「Crazy」のイントロでFurukawaは「I'm sorry me ミラクル起こしちゃってさ」と、異様なほどの盛り上がりとなったライブを振り返るように歌詞を変え、フロアから大きな歓声を浴びた。本編ラスト、「It's my life」を終えると、「あれやっときますか」とFurukawaが叫び、なぜか「10、9、8……」とカウントダウンを開始。カウントがゼロになると「ハッピーニューイヤー!明けましておめでとうございます!ことよろー!」と一足も二足も早い新年の挨拶をして、妙にすがすがしい気分にさせたままステージを去っていった。

アンコールの声に応えて、おそろいのグッズTシャツ姿で再びステージに登場した3人。ひさびさのワンマンライブにFurukawaは「今日は痛感しました。コンスタントに君たちの前に出てライブしないと、……本当に死ぬかと思った(笑)。(ライブ中に革のジャケット姿だったことを指して)今日俺ずっとカッコつけてたじゃん?皮膚呼吸できないんだもん、2年ぐらい前は平気だったのにだんだんダメになってきた」と、苦笑いしながら熱狂のライブを振り返った。

そして気になる今後の活動についても発表。ニューシングルをリリースすること、シングルの初回盤にはUKライブのドキュメント映像を収録予定であることを発表し、メイニアを大いに喜ばせた。「この先もいろいろびっくりするようなことをやっていますので、って犯罪じゃありませんよ、えー……ここで時の人のことを言ってしまってはいけませんね(笑)、犯罪以外でびっくりさせることをたくさん用意してますので」とも語り、2009年のパワフルな展開に期待を持たせた。

この日は久しぶりのライブということもあり、珍しくHayatoとHoujouの2人もオーディエンスに挨拶。Hayatoは「今年は(FRONTIER BACKYARDの)忠章先輩みたく上手くなろうとしたんですけど、夏はクーラーに浸って冬はこたつに入ってて、あんまり練習しなくて……(笑)結局追いつけませんでした。来年は頑張ります」とさらなる飛躍を誓い、Houjouは「今年後半は不幸が続きまして。2009年はいい年にしたいです」と、ブログにも書けないほどの事件に巻き込まれたことを示唆。来年への気合いを新たにしていた。

アンコール1曲目では、シングル収録曲とは異なるという新曲を披露。ミドルテンポの、過去のどの曲とも同じにカテゴライズできないナンバーで、2009年の彼らの方向性を示すようなステージを展開した。さらに「Teenage Dandyism」では、ジャムセッション風のアウトロを披露し、こちらも進化したドーパンサウンドを誇示するような迫力の演奏となった。

一度3人は袖に下がるが、「Introgical」に乗せてすぐに再登場。「帰りたくないぜ!」と絶叫したFurukawaは「やっぱりこの曲で締めるしかないでしょう!Candy house!」と、ラストナンバーのフレーズをかき鳴らす。メイニアたちも3人の全力のステージに応えるかのように、最後の力を振り絞って踊り、ジャンプを繰り返す。すさまじい湿気が充満したフロアに、Furukawaは「年に1回は必ずこういうのやりましょう!」と、楽しみなセリフを吐いて去っていった。

“コアファン”ばかりが集まったことを十二分に意識して懐かしのナンバーを揃えつつ、新しめの曲や新たなアレンジを加えた曲なども多数取り入れ、全方向からメイニアを満足させたこの日のライブ。2009年の展開にますます期待を持たせる、1年間の総決算にふさわしい圧巻の夜となった。

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音楽ナタリー @natalie_mu

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