ASIAN KUNG-FU GENERATION、ベスト盤ライブで26曲披露

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ASIAN KUNG-FU GENERATIONが、初のベストアルバム「BEST HIT AKG」のリリースを記念したアリーナワンマンライブ「BEST HIT AKG」を全国4公演にわたって開催した。2月23日の日本武道館公演では、本編と2回のアンコール合わせて26曲を演奏。集まった約9500人のファンは大ヒット曲や往年の名曲など、幅広い内容のセットリストを存分に楽しんだ。

貫禄あるパフォーマンスで武道館のオーディエンスを圧倒したASIAN KUNG-FU GENERATION。

貫禄あるパフォーマンスで武道館のオーディエンスを圧倒したASIAN KUNG-FU GENERATION。

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今回のライブのアリーナ席はオールスタンディング形式となった。

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ステージ上のテレビは各曲に合わせてさまざまな光景を映し出した。

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開演時刻になり、場内の照明が落ちるとステージ上に設置された88台のテレビの画面が赤く明滅する。大きな拍手に迎えられてステージに現れたメンバー4人が最初に鳴らしたイントロは「迷子犬と雨のビート」。明るく照らされた客席からは手拍子が起こり、力強い音が武道館を揺らす。曲が終わると、後藤正文(Vo, G)は早くもこの日のライブの手ごたえを感じたように小さくガッツポーズ。「こんばんは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONです!」という挨拶に続いては「Re:Re:」「アンダースタンド」「君の街まで」と、初期の楽曲を次々と披露する。バンドの歴史と成長を感じさせるような4人の丁寧な演奏を、オーディエンスは全身で受け止めていた。

伊地知潔(Dr)のドラムソロから爽快に始まった「アフターダーク」では、後藤と喜多建介(G)の華麗なコーラスワークが冴え渡る。その後は疾走感たっぷりの展開から一転し、「或る街の群青」「ブラックアウト」「サイレン」と、じっくりと場内の熱量を上げていくような楽曲が続く。「ブラックアウト」では喜多のギターと山田貴洋(B)のベースが響き合い、力強いグルーヴを生み出す。4人の研ぎ澄まされたアンサンブルが会場を圧倒したのは「サイレン」。前半のハイライトとも言うべき、壮大な音像を作り上げた。

中盤のMCでは後藤が、東日本大震災の被災者や東北地方に新たなライブハウスを設立する「東北ライブハウス大作戦」を支援するために、このライブ会場で販売しているグッズについて説明した。「こういうMCをしなくていい時代が早く来てほしいんだよね。震災が起きて、音楽をやるのもはばかられるような時期もあったけど、でも何かできるんじゃないかと思ってこういうことを始めて。音楽好きな人全体で、困ってる人たちにエネルギーを送っていけたらと思っています」と、観客にさらなる支援を呼びかけた。

「ソラニン」からスタートした後半戦。「月光」では、逆光の強いライティングに照らされた4人が荘厳な音色を鳴らし、最新シングル「マーチングバンド」ではバンドの新たな地平を感じさせる。冬も折り返し点を過ぎたこの時期にぴったりのナンバー「融雪」も披露し、会場を爽やかな空気で包み込んだ。ここで後藤は「なんか『ベスト盤から漏れた俺の好きな曲をやる会』みたいになってすみません(笑)。Twitterとかでみなさんの声が届くんですよ、『ベストの曲やんねえなあ』とか(笑)。でも16年やってきてね、あの17曲だけってわけにはいかないし。何がベストかはわからないし。『融雪』も演奏しながら『いい曲だなー、なんでこんな曲書けたのかなー』って思ってたんですよ(笑)」と、この日の選曲理由を明かして観客を笑わせていた。

そんな言葉の照れ隠しのように「アッパーな曲やります」と紹介した後は「藤沢ルーザー」へ。続く「リライト」は、間奏のテンポを落とし、後藤のボーカルと喜多のギターの掛け合いでオーディエンスを沸かせる。4人が笑顔で会場を見渡しながら演奏した「ループ&ループ」、観客のジャンプが武道館を大きく揺らした「君という花」が終わると、後藤が最後の挨拶をした。「まだまだやんなきゃいけないこと、考えなきゃいけないこともたくさんあるけど、一歩ずつやっていけたらいいなと思ってます。これからもよろしくお願いします」。そんな言葉を強調するように、続く「さよならロストジェネレイション」「転がる岩、君に朝が降る」では、オーディエンスに語りかけるようなそれぞれの音色が美しく響く。本編最後は「海岸通り」の美しく優しい演奏で締めくくられた。

アンコールの声に応えて再びステージにメンバーが現れ、後藤が「今から新曲をやるんですけど……」と話すと、場内からは大歓声が起こる。「みんなよく知らない曲だと手持無沙汰になったりするけど(笑)、この曲はステップを踏んだりすることについて歌ってるので。踵でステップを踏んでください」と語って始まったのは、4月11日にシングルリリースが発表された「踵で愛を打ち鳴らせ」。柔らかなイントロから軽快なリズムに変化していく展開を、オーディエンスは全身で楽しんでいる。「真冬のダンス」を挟んで、アンコールラストに披露されたのは「新しい世界」。ここで初めて、ステージ後方の大型LEDビジョンにメンバーの姿がアップで映し出される。後藤はフロアを真っ直ぐに見つめながら、力強い思いを歌声に込める。最後の音が鳴る瞬間には客席の照明がいっせいに灯され、場内の一体感はピークに達した。

その後もダブルアンコールを求める手拍子は止まず、メンバーはまたしてもステージへ戻る。後藤は「今日、気分が高まって勝手に始めた曲とかあって……昨日より1曲多いんだよね。あとで怒られるなあ(笑)。でも歌いたいと思って歌っちゃった」と告白。客席からは喜びの拍手が送られた。そんな言葉の後、観客への感謝を込めるように演奏されたのは「遥か彼方」と「羅針盤」。さらなる地平を突き進むバンドの意志を明確にアピールするような迫力のパフォーマンスで、武道館2日目のステージが終了した。

ASIAN KUNG-FU GENERATION「BEST HIT AKG」@東京・日本武道館
2012年2月23日セットリスト

01. 迷子犬と雨のビート
02. Re:Re:
03. アンダースタンド
04. 君の街まで
05. 夜のコール
06. アフターダーク
07. 或る街の群青
08. ブラックアウト
09. サイレン
10. ソラニン
11. 月光
12. マーチングバンド
13. 惑星
14. 融雪
15. 藤沢ルーザー
16. リライト
17. ループ&ループ
18. 君という花
19. さよならロストジェネレイション
20. 転がる岩、君に朝が降る
21. 海岸通り

EN1-01. 踵で愛を打ち鳴らせ
EN1-02. 真冬のダンス
EN1-03. ワールド ワールド ワールド~新しい世界

EN2-01. 遥か彼方
EN2-02. 羅針盤

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読者の反応

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とり @426ub

ASIAN KUNG-FU GENERATION、ベスト盤ライブで26曲披露 https://t.co/4g6WNF30NB

10年前の武道館、お兄ちゃんと一緒に行ったなぁ〜〜って思い出した('、3_ヽ)_

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