吉井武道館にダチョウ飛び入りで「masa-yume」実現

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吉井和哉が12月28日、東京・日本武道館で全国ツアー「Flowers & Powerlight Tour 2011 ~born-again~」の最終公演を行った。

吉井和哉

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ダチョウ倶楽部と一緒に「マサユメ」を歌う吉井和哉。

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今回のツアーは全国9会場で実施。最終公演は毎年恒例となった12月28日の武道館公演と重なり、ファンにとっても、そして吉井自身にとっても特別なライブとなった。

ライブは最新ミニアルバム「After The Apples」のラストナンバー「Born」からスタート。浮遊感を放つスローナンバーは、曲が進行するにつれて徐々に熱を帯びていく。今回のツアーからバンドに参加している生形真一(G / Nothing's Carved In Stone)が曲の合間にノイジーなギターサウンドを聴かせ、独特の存在感を提示。吉井和哉のサウンドに新たな魅力を加えていた。

「Born」の余韻を切り裂くように突入した2曲目の「無音dB」では、アグレッシブなサウンドとパフォーマンスで観客を煽る。続く「VS」でもその勢いは止まることを知らず、吉井はロックスター然とした立ち振る舞いで会場に集まった1万人のファンを楽しませた。

最初のMCで吉井は「恒例の武道館です。本当に今日を迎えないと年を越せないと自分でも思っているし、皆さんにもそう思っていてほしいんですけど。今年の汚れは今年のうちに! 特に今年はいろんな汚れがあったので、今年のうちに!」とファンに挨拶。「今の吉井和哉を楽しんでってください!」と言うと、そのまま「Next Innovation」を演奏し始めた。力強いビートが印象的なこの曲に続いて披露されたのは、2月15日からデジタル配信される新曲「煩悩コントロール」。強靭なギターリフとグルーヴィなリズムに乗った吉井のセクシーな歌声は、武道館に集まった観客を魅了した。

そして、吉田佳史(Dr / TRICERATOPS)が叩き出すビートに合わせて、バンドはTHE YELLOW MONKEY時代の楽曲「FINE FINE FINE」を奏で始める。この曲での吉井のパフォーマンスは、90年代のTHE YELLOW MONKEYを彷彿とさせるもので、その一挙手一投足に対し悲鳴にも近い歓声が沸き起こった。

この日最初のピークを迎えた後は、シンプルなサウンドとソウルフルなコーラスが魅力の「母いすゞ」を披露する。最新ミニアルバム「After The Apples」の肝と言えるこの曲によって、会場の空気は90年代から再び現代へと引き戻された。吉井はその後も「ダビデ」「HATE」とムーディーな楽曲を歌唱。そして「クランベリー」で再び会場を加熱させると、THE YELLOW MONKEY時代の楽曲「RED LIGHT」をプレゼントし、観客を熱狂させた。

吉井はひと呼吸置いてから「今年はいろんなことがありました。来年からもまたいろんなことがあると思いますけど、一緒に乗り越えていこうって曲を歌いたいと思います」と観客に語りかけ、「ALL BY LOVE」を観客とともに合唱。ライブ中盤のダークな世界観から一転、吉井は笑みを浮かべながらポジティブなこの曲を力強く歌う。ニューウェーブ調アレンジの「バスツアー」で会場をダンスホールへと変化させると、続くTHE YELLOW MONKEY時代の楽曲「嘆くなり我が夜のFantasy」で客席の盛り上がりは最高潮へ達した。

続く楽曲で、吉井は「来年こそは夢を正夢にしようぜ。そうなるために、素敵なゲストを呼んできたぜ。本日限りの結成だ、masa-yume!」と叫びサプライズゲストのダチョウ倶楽部をステージに呼び入れる。ダチョウ倶楽部の3人はお約束の「イヤーッ!」をステージ上手、下手、中央でした後に、吉井の股間に向けて「ムッシュムラムラ!」と叫び、11月にmasa-yume名義で発表されたファンクロックナンバー「マサユメ」を一緒に歌唱。ダチョウ倶楽部は個性的な歌やアクションを次々に披露し、それを目にした吉井が思わず笑ってしまう場面もあった。

ダチョウ倶楽部がステージから去ると、いよいよライブもクライマックスに突入。ライブ終盤には欠かせない「ビルマニア」では、終盤のサビを観客のみで合唱するなど、会場のボルテージはマックス状態に達した。そして、吉井は「今回は春のツアーで震災が原因で中止になったエリアでのライブに、毎年恒例にしてる大阪城ホールと12月28日の武道館を組み込んで1つのツアーとして回って、無事最終日を迎えることができました。ただ、今日で終わるのはもったいない。自分にとっても本当に意味のあるツアーでした」とファンに感謝のコメント。続けて「震災の中、考え方によっては不謹慎だったのかもしれないけど、僕の作った音楽を通じて少しでも被災者の方に何かできればと思いツアーをやらせてもらいました」と語ってから、「LOVE & PEACE」をエモーショナルに歌い上げステージを降りた。

アンコールで再びステージに現れた吉井は、「今回のツアーは『裏・吉井和哉』な選曲でお送りしていて、シングル曲は2曲しかないので。あとはカップリングとか、アルバムの何曲目とかそういうのばっかりで(笑)」と今ツアーの趣旨を説明。「でも、どの曲も僕にとっては大切なものです」と言ってから、シングル「LOVE & PEACE」のカップリング曲「星のブルース」を歌い始めた。続く「MUSIC」では、吉井はダンスしたりステージ上に寝転がったりと感情の赴くままに動き回る。曲中では「これからもつらいことや悲しいことがあったら、吉井和哉のミュージックを聴いてくださいね。少しかもしれないけど、力になれると思うぜ!」と絶叫。ライブの定番曲「FINAL COUNTDOWN」ではバンドメンバーの紹介も行われ、自分のことを「リードボーカルの斉藤和義です!」と言って斉藤の「やさしくなりたい」を歌い出す冗談も飛び出し、客席には笑顔があふれた。

吉井は何度目かの感謝の言葉を口にした後、ラストナンバー「FLOWER」を熱唱。ステージ上も客席も最高の笑顔に包まれ、2時間におよぶライブは幕を閉じた。

吉井はライブ終盤、「来年はまた音源制作に入ります。最高に変な曲作るからな!」と発言。「The Apples」「After The Apples」といった2枚の作品を経て、彼がどのような楽曲を発表するのか、今から楽しみにしておこう。

KAZUYA YOSHII Flowers & Powerlight Tour 2011 ~born-again~
@日本武道館 2011.12.28 セットリスト

01. Born
02. 無音dB
03. VS
04. Next Innovation
05. 煩悩コントロール
06. FINE FINE FINE [THE YELLOW MONKEY]
07. 母いすゞ
08. ダビデ
09. HATE
10. クランベリー
11. RED LIGHT [THE YELLOW MONKEY]
12. ALL BY LOVE
13. バスツアー
14. 嘆くなり我が夜のFantasy [THE YELLOW MONKEY]
15. マサユメ [masa-yume]
16. ビルマニア
17. LOVE & PEACE
<アンコール>
18. 星のブルース
19. MUSIC
20. FINAL COUNTDOWN
21. FLOWER

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読者の反応

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つよしん @tsuyosinn

これが再び実現されるライブを生で見たかった…😭
ご冥福をお祈りします

吉井武道館にダチョウ飛び入りで「masa-yume」実現 https://t.co/geWu8na1KV

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