11月29日に
客電が消え、指笛と拍手に迎えられた永積崇は「ようこそ! 倒れないようにね。隣の人をちゃんと見ててね。って恋が始まったりして」と笑いながら挨拶。そのままオーディエンスと会話をするように「ハンキーパンキー」を歌い出した。柔らかなギターと崇の呟くような歌声にあわせて手拍子が重なり、2番ではトランペットとサックスが彩りを添える。アットホームな空気がフロアを包み込んだところで、崇はエレキギターに持ち替え「Crazy Love」をプレイ。ゆったりとしたレゲエサウンドで、オーディエンスを心地良く酔わせていく。
観客はもちろんだが、崇もフロアに充満するハッピーな雰囲気に上機嫌。「うわっ! 気持ち良いぜ」と思わず口にすると、「こっから先、どんどん体が動く感じなんで慌てなくていいよ」とこのあとの盛り上がりを予告した。
そこから始まったのは、息の合ったバンドセッションとソウルフルな歌声が堪能できる「レター」、崇の呼びかけで観客による朗らかなコーラスが起きた「音タイム」。さらに「今日恵比寿駅ですごいラッキーなことがあって、蛭子(能収)さんを見たんですよ! まあ、めでたいって話で……」と奇跡のようなエピソードを披露したあとに、コール&レスポンスを盛り込みつつ「大安」が披露された。
「こういうときにバタッと倒れちゃうんだよ。だから気を付けてね」という観客を気遣う言葉から、落ち着いた曲が続く中盤へ。切ないフレーズが響く「きみはぼくのともだち」や、10月に行われたダンサーの近藤良平の公演「11DANDY」のために書き下ろした同名の新曲、児玉奈央に提供したバラード「Spark」が続けて届けられる。
ひとしきり空気がしっとりすると、再びアッパーなモードにチェンジ。崇が楽しげに踊りながら歌った「あいまいにあまい愛のまにまに」、美しいハンドクラップがパーカッションのように響き、崇が巻き舌で煽るように熱唱した「踊る人たち」と賑やかなナンバーがフロアの熱が上昇させる。サイケデリックなセッションを挟んで始まった「…がしかしの女」では、マダムギター長見順がゲストで登場。「スペシャルゲストを紹介します。日本で一番素敵な女性ギタリスト」という紹介で現れたマダムギターは、ときに激しくブルース調のギターを奏で、ときにアグレッシブな歌声でオーディエンスの耳を刺激する。
マダムギターの気合たっぷりのパフォーマンスに、崇は曲の途中から「すでに負けた気がする」と降参気味だ。しかし、火花を散らすようなギターバトルと掛け合いのようなデュエットを経て、マダムギターが「蛭子さんに会っただけはあるわね」と少し悔しそうに一言こぼす場面も。最終的に2人は握手を交わし、お互いの熱演を讃え合っていた。そして本編ラストには、マダムギターとパーカッショニストを加えた7人編成で「オアシス」が演奏された。
アンコールを求める拍手と歓声に呼ばれてステージに戻ってきた崇は、「空気薄くない?」と会場の熱狂ぶりに驚いている様子。ファンキーモード全開の「ごっつあんです」や、滋味のある声が聴き手の心に響く「People Get Ready」をプレイした。
ダブルアンコールは、ライブには欠かせない「明日天気になれ」。みたびステージに出てきた崇はおもむろにイントロをつま弾き始め、観客の熱狂に再び火をつけた。明るく照らされたステージには、出演者が勢揃いし、笑顔でセッションを繰り広げる。そして「明日天気になれ!」と観客の歌声が響く中で、この日のライブはフィナーレを迎えた。
なおハナレグミは、年明けの1月より全国ツアー「TOUR オアシス」を開催。1月28日の愛知県芸術劇場からスタートし、3月3日の沖縄市ミュージックタウン音市場まで12公演を行う。
ハナレグミ「live house live」2011年11月29日(火)東京都 LIQUIDROOM ebisu セットリスト
01. ハンキーパンキー
02. Crazy Love
03. レター
04. 音タイム
05. 大安
06. きみはぼくのともだち
07. 11DANDY
08. SPARK
09. ボク・モード キミ・モード
10. あいまいにあまい愛のまにまに
11. 踊る人たち
12. か!た!!かたち!!!
13. …がしかしの女
14. オアシス
<アンコール>
15. ごっつあんです
16. People Get Ready
17. ちきしょー
<ダブルアンコール>
18. 明日天気になれ
※記事初出時、アーティスト名の表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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音楽ナタリー @natalie_mu
ハナレグミ、笑顔と多幸感に満ちたリキッドライブ http://t.co/zS7zWw6q