氣志團スカパラ、タイマン勝負で「ビーバップ」セッション

氣志團の結成15周年およびメジャーデビュー10周年を記念した対バンライブシリーズ「極東ロックンロール・ハイスクール」の第15弾「～ドキッ！ 丸ごとバナナ 男だらけの吹奏大会～ 氣志團 vs 東京スカパラダイスオーケストラ」が、9月18日にZepp Tokyoにて行われた。

5月9日の「極東ロックンロール・ハイスクール」開校以来、個性の異なる14組のアーティストとの共演を繰り広げてきた氣志團。つい3日前に恵比寿マスカッツと笑いあり色気ありのステージを展開した彼らが、今度は東京スカパラダイスオーケストラに男同士の“タイマン勝負”を挑むという、この大きな落差も今シリーズの魅力のひとつだ。

トップバッターとして登場したスカパラのライブは、まずチャールズ・ミンガスのカバー「Boogie Stop Shuffle」からスタート。薄暗いステージに、濃いブルーのスーツに身を包んだメンバーの姿が浮かび上がると、客席からは大きな歓声が。冒頭からスピード感のあるスカが畳み掛けられ、場内は一気に温度を上げた。

谷中敦（Baritone sax）は「今日はなんかワクワクするね。今日は負けられないね。負ける気もしないね！」「バンドをもっと盛り上げてくれよ！ 戦うように楽しんでくれよ!!」と初っ端から観客と氣志團を挑発。中盤には茂木欣一（Dr）がボーカルをとるポップな歌モノナンバー「Twinkle Star ～頼りの星～」、NARGO（Tp）の光るピアニカを使った演奏が冴える「Ska Me Crazy」と、バリエーション豊かなスカパラならではのステージが展開される。

後半に披露された最新ミニアルバム「Sunny Side of the Street」収録曲「All Good Ska is One」は東日本大震災以降に完成した楽曲。この曲は、震災後に仙台で行ったライブで「全員両手を上げろ。そのまま左右に下ろして、全員で肩を組め！」という谷中のMCが生み出した美しい光景をヒントにして作られたという。ミニアルバムではアンジェロ・ムーア（FISHBONE）をゲストボーカルに迎えて制作されたが、この日は谷中がリードボーカルをとった。

およそ1時間におよぶスカパラの熱演を受けて登場した氣志團は、冒頭の「房総スカイライン・ファントム」からフルスロットル。團長・綾小路翔（Vo）による、おなじみ「オーライ！」のコール＆レスポンスは、氣志團初体験のスカパラファンにも大ウケだが、綾小路は「お前らこんなもんじゃないはずだ。そうだろ？ さっきのお前らはこんなもんじゃなかっただろ！ スカダンス踊りすぎだろ！ ずいぶんじゃないか」と不服な様子。そして「最高の音楽が鳴ってんのに踊んないなんてバカだよな！ OK、もっとひとつになろうぜ。お前ら両手を空に掲げろ！ それを左右に下ろすんだ」と、ついさっき聞いたばかりの美しいエピソードをさっそく盗む暴挙に。客席ではスカパラファンとKISSIESがよそよそしく肩を組む、不思議な光景ができあがった。

強引な方法で観客をひとつにした氣志團は、微熱DANJIの3人をダンサーに迎えた「結婚闘魂行進曲『マブダチ』」、熱いヤンクロック「愛 羅 武 勇」で、会場の熱気をさらにヒートアップさせていく。「気がつけばメジャーデビュー10周年……デビュー翌年には『今年中に消えるアーティスト』1位にも選ばれました。でもみんなのおかげで、10年経った今もこうしてロックンロールやれてるぜ！ 不景気だとか音楽業界ヤバいとか言われてるけど、こんなにもたくさんのみんなが、こんなにも楽しそうにダンスしてる。もう全然不安なんかない。みんなが音楽を好きでいてくれるから、俺たちにも音楽をやれる土壌があります。本当にありがとう！」という綾小路の言葉には、大きな拍手が送られた。

また、対バンを快諾してくれたスカパラについて、綾小路は感謝の言葉とともに「超ビビって来たぜ今日は。そして予想以上にビビらされたぜ（笑）。絶対絶対かなわない人たちだけど、さっき『俺たち負けねえ』って言ってくれたぜ。土俵に上げてもらったんだ俺たち」と深い尊敬の念と喜びのこもったコメントを寄せた。そしてラストは代表曲「One Night Carnival」、パンクアレンジの「My Way」と大盛り上がりのナンバーで締めくくられた。

アンコールでは氣志團の6人に加え、谷中敦（Baritone sax）、NARGO（Tp）、GAMO（Tenor sax）、北原雅彦（Tb）が合流。今回の対バンシリーズではアンコールでのセッション曲のセレクトにも注目が集まっているが、この日選ばれたのは映画「ビー・バップ・ハイスクール」の挿入歌「ビー・バップ・パラダイス」。氣志團は2002年にリリースされた2ndシングル「恋人 / Love Balladeは歌えない」のカップリングでこの曲をカバーしており、レコーディングにはスカパラホーンズも参加していた。ステージにはCDでもデュエットで参加している芸人まちゃまちゃも登場し、総勢11名による豪華コラボを展開した。中学の同級生でもある綾小路とまちゃまちゃは「東京でがんばってきた甲斐があったよー」と大満足。およそ3時間半におよんだステージはにぎやかに幕を下ろした。

いよいよ折り返し地点を越えた「極東ロックンロール・ハイスクール」。現在発表されているのは残すところ13公演だが、綾小路によると「もう少し増えて、20本近くになる」とのこと。今後のアナウンスも楽しみにしておこう。

氣志團 Presents 極東ロックンロール・ハイスクール

～怖そうで怖くない少し怖いライブ～ 氣志團 vs 怒髪天
2011年9月26日（月）東京都 SHIBUYA-AX
OPEN 18:00 / START 19:00

～トイスで会おうぜ！～ 氣志團 vs POLYSICS
2011年10月4日（火）東京都 LIQUIDROOM ebisu
OPEN 18:00 / START 19:00
一般発売日：2011年9月17日（土）

～ももクロちゃんに逢えちゃうよぉ～ウレPギャ～ス!!～ 氣志團 vs ももいろクローバーZ
2011年10月11日（火）東京都 SHIBUYA-AX
OPEN 18:00 / START 19:00
一般発売日：2011年9月24日（土）

～魁!!クロマニヨン高校～ 氣志團 vs ザ・クロマニヨンズ
2011年10月25日（火）東京都 SHIBUYA-AX
OPEN 18:00 / START 19:00
一般発売日：2011年10月1日（土）

～夢一夜（ワンナイト・ドリーム・カーニバル）～ 氣志團 vs 森重樹一
2011年11月6日（日）東京都 LIQUIDROOM ebisu
OPEN 18:00 / START 19:00
一般発売日：2011年10月8日（土）

～枕連（マクラーレン）～ 氣志團 vs the pillows
2011年11月8日（火）東京都 Shibuya O-EAST
OPEN 18:00 / START 19:00
一般発売日：2011年10月15日（土）

～3年B組金爆先生～ 氣志團 vs ゴールデンボンバー
2011年11月10日（木）東京都 Zepp Tokyo
OPEN 18:00 / START 19:00
一般発売日：2011年10月22日（土）

～サーチアンドデスとロイとグローリアとアレとソレとコレと恋しさとせつなさと心強さと部屋とYシャツと私～ 氣志團 vs The Mirraz
2011年11月16日（水）東京都 SHIBUYA O-EAST
OPEN 18:00 / START 19:00
一般発売日：2011年10月22日（土）

～10 PUNKS～ 氣志團 vs THE MODS
2011年11月21日（月）東京都 SHIBUYA-AX
OPEN 18:00 / START 19:00
一般発売日：2011年10月29日（土）
オフィシャルサイト先行抽選予約受付：2011年9月15日（木）21:00～21日（水）23:00

～呼ばれて 飛び出て ジェジェジェジェイ!!～ 氣志團 vs J
2011年11月24日（木）東京都 SHIBUYA-AX
OPEN 18:00 / START 19:00
一般発売日：2011年11月5日（土）
オフィシャルサイト先行抽選予約受付：2011年9月15日（木）21:00～21日（水）23:00

～さよならは11月のララバイ～ 氣志團 vs 吉川晃司
2011年11月29日（火）東京都 SHIBUYA-AX
OPEN 18:00 / START 19:00
一般発売日：2011年11月12日（土）
オフィシャルサイト先行抽選予約受付：2011年9月15日（木）21:00～21日（水）23:00

～三人の若者と六人のおじさんのすべて～ 氣志團 vs フジファブリック
2011年12月13日（火）東京都 SHIBUYA-AX
OPEN 18:00 / START 19:00
一般発売日：2011年11月26日（土）
オフィシャルサイト先行抽選予約受付：2011年9月15日（木）21:00～21日（水）23:00

～おれがあいつであいつがおれで～ 氣志團 vs DJ OZMA
2011年12月21日（水）東京都 Zepp Tokyo