今回のツアーは2月23日にリリースされたニューアルバム「dead stock」のレコ発ツアーとして行われたもの。代々木公演のチケットは2日間ともソールドアウトし、ファンの熱気が会場を満たした。
16日の公演では「dead stock」の収録曲はもちろん、インディーズ時代のレアなナンバーも続々と披露。昨年12月に行われた初の東京ドームライブを経て、4人がさらにパワーアップしたことを印象付けるステージを展開した。
ライブ序盤の「シェルター」でマオ(Vo)は「行けるか東京!」と絶叫。Shinji(G)は攻撃的にギターをかき鳴らし、明希(B)は複雑なベースラインを奏でながら観客を煽る。ゆうや(Dr)はタイトなリズムを力強く刻み、ロックテイストの強いアンサンブルで場内のテンションを急上昇させた。
「cosmetic」ではマオが官能的な歌詞を情感豊かに歌い上げ、明希とゆうやの鳴らす低音がその世界観を盛り上げる。「いいひと」ではマオ、Shinji、明希がゆうやのドラムセット前に腰を下ろし、柔らかなアレンジを会場中に届けた。会場の空気が一変したのは「sleep」。激しくも切ないサウンドに乗せ、マオが全身全霊の力を込めて熱唱。圧巻のパフォーマンスに、オーディエンスは息を呑んで聴き入っていた。
アンコールのMCでマオは「世の中的に悲しいニュースがあって、今回のツアーはやれるかやれないかっていう状況でした。でもこうやって代々木で無事にライブができて、いつも思っていることだけどより強く思ったことがあります。……今日は来てくれて、本当にありがとう」と挨拶。集まったファンから大きな拍手を浴びた。
アンコールでは最新のナンバーから、イントロで大歓声が起こったレア曲まで5曲を披露。4人はファンへの感謝の思いを届けるかのように、真剣な表情で丁寧な演奏を繰り広げていた。
終演後、明希は花道からファンに向かって「ありがとう!」と笑顔で挨拶。Shinjiは「なんでもないことが幸せなんだなあ、と(笑)。ライブができることが幸せだと思いました」と語り、ファンをなごませた。ゆうやは「やっぱりここはホームだね。久しぶりにやったけど久しぶりな感じがしない、すごくやりやすくて。『やっぱここだな』って感じました」と、代々木への愛を語った。最後にステージに残ったマオは、いつもどおりマイクを通さずに生声で客席に向け「愛してます!」と絶叫。何度も手を振り、名残惜しそうにステージを去っていった。
ツアーはこの後、東日本大震災の影響で延期となった札幌ニトリ文化ホール公演の振替公演を6月に実施。10月4日にはオフィシャルファンクラブ「ID-S」会員限定ライブを東京・日本武道館で開催することも決定している。
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音楽ナタリー @natalie_mu
「ここはホーム」シド、ツアー代々木公演でファンに感謝 http://natalie.mu/music/news/48158