9mm×ミドリ×時雨、三つ巴対バンにクライシス勃発

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9mm Parabellum Bulletミドリ凛として時雨が、12月21日に東京・新木場STUDIO COASTで行われたライブイベント「新木場クライシス」に出演。熾烈なライブバトルで満員の会場を狂乱の渦へと巻き込んだ。

9mm Parabellum Bullet(撮影:橋本塁)

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ミドリ(撮影:橋本塁)

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凛として時雨(撮影:橋本塁)

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開催情報が発表されるや否や、その豪華な顔合わせが注目を集めたこの企画。観客が一心にステージを見つめる中、トップバッターとして登場したのは凛として時雨。SEとともにステージを覆っていたカーテンが開くとスタンバイした3人の姿が現れ、怒号のような大歓声が飛び交った。

オーディエンスの熱狂に応えるように、1曲目として鳴らされたのは「JPOP Xfile」。フロアからは盛大なoiコールが巻き起こり、会場が上下に揺れる。続けて「Telecastic fake show」「I was music」の2曲が投下され、会場内の熱が上昇していく。そのまま間髪入れずに、TK(Vo, G)の鋭いカッティングギターから345(B, Vo)のドライブ感あるベースに流れる「想像のSecurity」へ。畳み掛けるようなツインボーカルの妙が、楽曲の攻撃性を増幅させていく。イントロで歓声が沸いた「DISCO FLIGHT」の後は、345のリバーブがかかった声が響く「illusion is mine」。青白い照明の元でTKのギターが会場に新鮮な空気を送り込んだ。

MCコーナーではワンマンライブ同様ピエール中野(Dr)が活躍。時事ネタを盛り込んだコール&レスポンスを手短に行うと、「今日は暴れるからよろしく! すごい夜になることは確定です。最高の夜にしようぜ」と気合のほどをうかがわせた。

さらに「こんな夜にぴったりな曲を用意してきたから」と宣言すると、激しいドラムソロから「nakano kill you」へなだれ込む。この曲では乱反射するライトがフロアを彩り、それに呼応するように多数のクラウドサーファーが発生。そして3人は最後に「感覚UFO」を披露すると、脇目もふらずに颯爽とステージを降りていった。

続いての登場はミドリ。SE「六甲おろし」の陽気な歌声をバックに、後藤まりこ(Vo, G)がカーテンの間から顔を出す。ひさしぶりのセーラー服姿に、観客は驚きを見せつつ拳を突き上げ大歓迎。続けて小銭喜剛(Dr)、ハジメ(Key)、岩見のとっつあん(B)も拳を突き上げながらステージに登場。観客もメンバーと一緒に「六甲おろし」を大合唱するという妙な一体感が広がる中でライブがスタートした。

1曲目はハジメの軽やかなキーボードが光る「あんたは誰や」。後藤はハンドマイクでステージをうろつき、危うげな歌声を響かせ、観客の視線を釘付けにしていく。次の「うわさのあの子」ではエレキギターを抱え、キュートな声を聴かせたかと思えば、いきなり吠えるように会場を挑発。観客はその歌声と祭囃子のようなリズムにあわせて体を激しく揺らした。

「ゆきこさん」を歌い終えると、後藤が唐突に「9mm観に来た人? 時雨観に来た人?」とオーディエンスに質問。「ミドリ観に来た人?」と問いかけると一番大きな拍手が発生するが、「嘘や! ウチらさいたまスーパーアリーナも武道館もやってへんぞ!」と毒づく。それに対しあちこちから「嘘じゃないよ!」と声があがると、彼女は「コミュニケーションしよか?」と笑顔を見せた。

続いて「ミドリの中で一番ハードコアな曲です」という曲紹介から「スピードビート」が始まるが、後藤がマイクを頭に激しく打ちつけ、ゴツッという鈍い音がマイクを通して会場に反響。しかし彼女は何事もなかったように歌い続け、ミラーボールが美しい光を放つ中、狂おしい歌声を響かせる。先ほどまでの激しいムードをジャジーなナンバーで一変させていくが、曲が終わった瞬間「なんじゃこりゃ! 顔がパリパリする!」と絶叫。頭から流血していることが発覚し、会場が騒然とする場面もあった。

しかし傷の応急処置が終わると、すぐさまライブを再開。後藤とハジメの絶叫と甘い声のギャップで魅せる「さよなら、パーフェクトワールド。」、小銭の乾いたドラムや複雑なアンサンブルが印象的な「エゾシカ・ダンス!!」を披露。「どんぞこ」では助走をつけてフロアへ飛び込み、一時も目が離せないパフォーマンスで観客を沸かせる。後藤は最後に「POP」を優しく歌い終えると、何度も「ありがとう」を大声で連呼し、マイクをフロアに投げダッシュで退場。それを他のメンバーがゆっくり追いかけるという形でライブは終了した。

そしてイベントのトリは9mm Parabellum Bulletが担当。ATARI TEENAGE RIOTの「Digital Hardcore」が爆音で流れる中、赤く染め上げられたステージにメンバー4人が威勢良く登場。オーディエンスからは雄叫びのような歓声が上がり、早くも場内の熱狂は最高潮に。

前の2バンドの熱演を受けメンバーの気合も十分で、1曲目の「Psychopolis」からフルスロットル状態。かみじょうちひろ(Dr)のスティックがいきなり折れてしまうほどの勢いを見せつつ、続けて暴発寸前のアンサンブルで「Caucasus」「Discommunication」を鳴らし、フロアの興奮と熱気を煽っていく。

一気に4曲を演奏し終えると、初めて菅原卓郎(Vo, G)が口を開き「ありがとう! これでみんなもクライシスの仲間入りだね」と観客の熱狂ぶりを褒める。続けて「俺らとこの2バンドが一緒にやるのは初めてかな? こんなふうにライブができてうれしく思ってます。楽しんでます」と笑顔で語った。

そして「これから電車に乗るから付き合ってくれ」という菅原の言葉で「次の駅まで」へ。中村和彦(B)のアップライトベースが肝となる「キャンドルの灯を」では、滝善充(G)のムーディなギターソロが炸裂。展開の激しいダンサブルなナンバーを続けて披露し、バンドのレンジの広さを見せつけていく。

再び菅原は口を開くと「ありがとうございます。来年も我々とミドリと凛として時雨、そして隣の人をよろしくお願いします」と年末らしい言葉を放つ。「『新木場クライシス』はもう間もなくクライマックスを迎えるけど、最後までもれなく楽しんでください」という言葉からライブは終盤戦に突入。サビで観客の大合唱が響く「Termination」、ダンサブルなビートにあわせて床が揺れまくる「Black Marcket Blues」と攻撃的な曲が続く。曲間で中村はステージ中央に移動し観客を煽る仕草を見せ、滝はなぜかでんぐり返しを披露。前半とは打って変わって、奔放なパフォーマンスで観客の視線を引きつけた。

「marvelous」では中村も滝も自分の楽器をステージに残し、ところ狭しと暴れまわる。一方で菅原は声を張り上げ、かみじょうは髪を振り乱しドラムを乱打。カオス状態に陥った会場の空気に拍車をかける。本編のラストナンバーは「sector」。菅原が「かかってこい!」と挑発すると、オーディエンスは拳を突き上げ、もみくちゃになりながら踊り狂う。最後は断末魔のような中村のデス声が響く中では終幕した。

強烈な個性を持つライブバンド3組がぶつかり合い、これ以上ない幸福な音楽空間を作り上げた「新木場クライシス」。会場が明るくなった後も観客の拍手はしばらく止むことがなく、フロアには3バンドが叩きつけた激しい音像の余韻が漂い続けた。

「新木場クライシス」セットリスト

凛として時雨
01. JPOP Xfile
02. Telecastic fake show
03. I was music
04. 想像のSecurity
05. DISCO FLIGHT
06. illusion is mine
07. nakano kill you
08. 感覚UFO

ミドリ
01. あんたは誰や
02. うわさのあの子
03. ゆきこさん
04. スピードビート
05. さよなら、パーフェクトワールド。
06. エゾシカ・ダンス!!
07. どんぞこ
08. POP

9mm Parabellum Bullet
01. Psychopolis
02. Caucasus
03. Discommunication
04. エレヴェーターに乗って
05. 次の駅まで
06. キャンドルの灯を
07. Termination
08. Black Marcket Blues
09. marvelous
10. sector

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ಠ_ಠ __せ りな________ ✍🏻 @_sdsrs

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