つばき一色徳保、仲間に囲まれた活動休止前ラストライブで「また会いたいね」

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つばきがライブイベント「正夢になった夜 vol.18」を1月19日に東京・新宿LOFTにて開催した。

一色徳保(Vo, G / つばき)(撮影:小川舞)

一色徳保(Vo, G / つばき)(撮影:小川舞)

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一色徳保(Vo, G)の脳腫瘍の治療のため昨年3月より一時活動を休止していたつばき。この公演で活動再開となる予定だったが、この公演をもって再び活動を休止することを発表していた。さらに公演直前の1月15日に小川博永(B)が更新したブログにて、一色の体調に波があることがあることから当日はゲストバンドのボーカルが、つばきのステージにてボーカルを担当し、一色が歌唱するのは1曲のみになることがアナウンスされていた。

当日はつばきのほか、ゲストアクトとしてセカイイチLOST IN TIMELUNKHEADという、つばきにとって盟友とも言える3組が出演。彼らはひさしぶりの共演を喜びながらライブを行い、つばきへエールを送っていった。

セカイイチ(撮影:小川舞)

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トップバッターを務めたのはセカイイチは、岩崎慧(Vo, G)の「今日は10年前……つばきと出会ったときの魂を持って来ました」という言葉通り、「シルクハット」「石コロブ」といった古い曲を中心にしたセットリストを展開。「つばきに捧げます」と紹介してから始まった「神通力」では感謝の気持ちを丁寧に歌い上げ、「石コロブ」では岩崎が「つばきー!」とシャウトするなど、エモーショルな演奏を見せる。さらに岩崎はつばきを含めこの日の競演者について「とにかく本当に出会えてよかった。これからもよろしく」と述べ、バンドは最後に「バンドマン」を丁寧に届けてステージをあとにした。

LOST IN TIME(撮影:小川舞)

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続くLOST IN TIMEも、つばきと競演を重ねていた時期の楽曲や一色が書き下ろした「雨が降る夜」などをプレイしていく。それまで言葉少なめだった海北大輔(Vo, B)は、一息置くと「同世代のバンドにとって、みんなにとってもそうだと思うけど……つばきっていうバンドは希望そのものだと思います。一色くんの歌う歌、つばきが鳴らす音はこうやって僕らをつなぎ止めてくれた。すごく大事な、なくてはならない存在です」とつばきへの思いを語った。

LUNKHEAD(撮影:小川舞)

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LUNKHEADは小高芳太朗(Vo, G)が「はりきっていきましょうか、ロフト!」と声を上げ、ドライブ感あふれる「前進/僕/戦場へ」「光の街」で場内のテンションを引き上げていく。中盤にはミディアムチューンで切なげな表情を見せるも、「次はいよいよつばきやから、あっためときましょうかね。しみったれてる場合じゃねえぞ!」と再び観客を焚きつけ、アグレッシブに「体温」「ユキシズク」を熱演。殺気迫るほどのパワフルな演奏を見せて、つばきのアクトへとつないだ。

小川博永(B / つばき)(撮影:小川舞)

小川博永(B / つばき)(撮影:小川舞)[拡大]

岡本奈穂子(Dr / つばき)(撮影:小川舞)

岡本奈穂子(Dr / つばき)(撮影:小川舞)[拡大]

つばきはサポートギタリストとして曽根巧、大迫章弘(e-sound speaker)を迎えた編成で登場。小川が「つばきフレンズのような形でみんなに助けてもらいたい」とこの日のライブについて説明し、最初のボーカリスト、海北を呼び込み、「声の行方」「夜と夢の鼓動」の2曲をパフォーマンスした。続くボーカリストの岩崎は「昨日の風」「光~hikari~」、小高は「月の夜にいつもの川」「来る朝燃える未来」をそれぞれ熱唱。曲間にはボーカリストとつばきメンバーが楽しげに会話を繰り広げ、場内には和やかな空気が流れる。

そして小川が「ここで1曲だけ一色に歌ってもらいたいと思います」と告げ、一色を呼び込む。温かな拍手に迎えられ車椅子に乗って登場した一色は、スタッフに支えられながら立ち上がり、マイクを握り締めて自分の足でステージに立つ。ファンやメンバーがじっと見守る中、岡本奈穂子(Dr)に「何かしゃべりませんか?」と声をかけられると、ゆっくりと口を開き「どうもどうも。あけましておめでとう、今年もよろしくお願いします」と明るく挨拶をした。重ねて「うれしいねえ」とステージに立った喜びを口にし、バンドメンバーをイジってみせるなど、軽妙なトークで会場を和ませる。そして「意外と元気です、意外と(笑)。皆さん、今日は笑っていきましょう」とファンを気遣い、バンドは「花火」をプレイ。静かなミディアムチューンに乗せて、一色が丁寧に歌い上げると、ファンはじっと彼らの演奏に耳を澄ませた。

「正夢になった夜 vol.18」アンコールの様子。(撮影:小川舞)

「正夢になった夜 vol.18」アンコールの様子。(撮影:小川舞)[拡大]

アンコールでは、つばきメンバーとサポートギタリストのほか、ボーカリストとして岩崎、海北、小高がステージに集う。彼らは思い出話をしながら、互いによく競演していた10年ほど前を回想。一色が「仲悪いと見せかけて仲よかった不思議な世代」と冗談交じりに話し「太陽」を全員で演奏した。演奏後には一色が「仲間がいるっていいよ、助かるわ。ちょっとだけ感動しちゃった」と恥ずかしそうに感想を述べる。さらに「また会いたいね」と言葉を残し、3人は大きな拍手に包まれる中、ステージをあとにした。

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正夢になった夜 vol.18
2017年1月19日 新宿LOFT セットリスト

セカイイチ

01. シルクハット
02. 神通力
03. 石コロブ
04. Grave of Music
05. バンドマン

LOST IN TIME

01. 誰かはいらない
02. 約束
03. ココロノウタ
04. 雨が降る夜
05. 希望
06. 手紙

LUNKHEAD

01. 前進/僕/戦場へ
02. 光の街
03. プルケリマ
04. 三月
05. 体温
06. ユキシズク

つばき(カッコ内はボーカリスト)

01. 声の行方(海北大輔)
02. 夜と夢の鼓動(海北大輔)
03. 昨日の風(岩崎慧)
04. 光~hikari~(岩崎慧)
05. 月の夜にいつもの川(小高芳太朗)
06. 来る朝燃える未来(小高芳太朗)
07. 花火(一色徳保)
<アンコール>
08. 太陽(全員)

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@takumifujita

先日見に行ったライブ、レポになってますね。
https://t.co/4X6Bbf21vl

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