SKE48「Tick tack zack」インタビュー|中毒性抜群の新曲と12年ぶりのチーム再編を語る

SKE48が通算34枚目のシングル「Tick tack zack」をリリースした。

表題曲「Tick tack zack」は、恋の駆け引きを描きつつ、「Tick tack zack」というフレーズを繰り返すリズミカルで中毒性の高いダンスナンバー。センターは前作「告白心拍数」に続き6期生の熊崎晴香が務めている。

今回、音楽ナタリーでは井上瑠夏(Team S / 8期生 / 23歳)、大村杏(Team S / 11期生 / 19歳)、伊藤実希(Team KⅡ / 10期生 / 22歳)、佐藤佳穂(Team E / 8期生 / 27歳)の4人にインタビュー。新曲「Tick tack zack」の話題のほか、4月に約12年ぶりのチーム再編を控えるなどグループが変革の時を迎えていることについて話を聞いた。

取材・文 / 小野田衛撮影 / 塚原孝顕

SKE48にとってのチーム制の意味

──現在結成17年目のSKE48ですが、ここに来てまた転換期を迎えている印象があります。とりわけ大きいトピックは、昨年末に発表されたチーム体制の再編。そもそもSKE48というグループにとってチーム制はどういう意味を持っているのでしょうか?

佐藤佳穂 私はTeam Eのリーダーをやっているんですけど、実際にリーダーになってみて感じたことがあるんですよ。それは「ほかのチームには負けないぞ!」というライバル意識がみんな強いこと。2022年にスタートした新公演を通じてチームの正規メンバーに昇格していく研究生もいますし、3チームが切磋琢磨している様子を楽しみながら、SKE48を応援してくださっているファンの方も多いんじゃないかな。

佐藤佳穂

佐藤佳穂

井上瑠夏 それは本当にそう。それぞれのチームならではのよさがありますからね。もともとSKE48は劇場公演に力を入れているグループだけど、最近だとチームごとに新たなオリジナル公演を作ったことがすごく大きかったと思います。その中でも私が所属するTeam Sは3チームの中で1発目に新公演を披露することになりまして。

大村杏 私もTeam Sなんですけど、新公演は小室哲哉さんがプロデュースしてくださったうえに、牧野アンナ先生がダンスをがっつり鍛えてくれたんです。

井上 なので正直なところ、「ほかには負けたくない!」という気持ちがありました。私は加入前からAKB48グループのファンだったんですけど、やっぱり“チームごとにカラーが違う”というのはグループにとってかなり重要なポイントだと感じていました。

井上瑠夏

井上瑠夏

伊藤実希 私がいるTeam KⅡは、“カッコいい”“おしゃれ”というのが特徴かもしれません。特にそれは新公演に表れていて、Night Tempoさんに曲をたくさん提供していただいているのでスタイリッシュなんですよ。アイドルってお客さんに笑顔を届けるというイメージが一般的ですけど、Team KⅡの新公演はいきなり暗闇の中でパフォーマンスがスタートして、さらにメンバーが帽子を深く被っているから誰が誰だかわからない状態なんです。ミステリアスだし、「これが本当にアイドルなの!?」という意外性があるのが今のTeam KⅡなのかなと思います。

チーム再編は成長できるチャンス

──Team S、KⅡ、Eでそこまでコンセプトが固まっていると、4月1日からの新体制への移行はグループにとってかなりの大変革になりますね。

佐藤 いや、本当にそうなんですよ。私たちもドキドキしています。

井上 チームのメンバーがガラっと変わるわけだから、それぞれのカラーや特徴も全面的に変わると思います。

伊藤 感覚としては、イチから新しいチームを作り直すというほうが近いかもしれない。

井上 ただ、私の中では“AKB48グループ=組閣”というイメージも強くて、ファン時代も楽しみなイベントではあったんです。メンバーとしては今まで作られてきた絆がなくなってしまうようで寂しいところもあるけど、チーム再編で環境が変わるというのは成長できるチャンスでもあるので、前向きに考えています。ここでファンの皆さんに新しいSKE48をお見せできるんじゃないかって。

──大村さんは昨年5月まで研究生でしたよね。

大村 はい。その頃は「正規メンバーになりたい」という気持ちが強かったですし、3チームに対する憧れもありました。“アンダー”という形で劇場公演に出演しながらも、研究生同士で「このチームに行けたらいいよね」と話し合っていましたし。

佐藤 そっか。そういう感じだったんだ。

大村 やっぱり研究生は夢を追いながら活動していますから。雰囲気が違うチームが3つあるのは研究生にとって希望ですし、がんばるモチベーションになっているんですよ。そうしてチームに憧れていた私が今度はTeam Eの一員になって、新しく入ってくる下の子たちの目標になる……そうなれたら素敵だなって。新生Team E一丸となってSKE48を盛り上げていきたいです。

大村杏

大村杏

井上 今までのチームを全面的にシャッフルするわけだから、珍しいメンバーの組み合わせもたくさん見られると思います。例えば私が4月から所属するTeam KⅡは愛知県以外の出身メンバーが9人もいるんです。ファンの方からは「出身地がバラバラだから、MCが面白そう」という期待の声が早くも上がっています(笑)。

──伊藤さんも新体制ではTeam KⅡの所属で、しかもリーダーに就任するのだとか。

伊藤 Team KⅡのメンバー全体を見渡してみても、10期生の私はまだまだ後輩という立場なんです。なので、「自分がめちゃくちゃ引っ張ってやるぞ!」という気負いはないんですね。もともと誰かの前に立って発言をするとか、リーダーとして意見をまとめるみたいなことに苦手意識がありますし。

──今は不安のほうが大きい?

伊藤 でも「立場が人を作る」とも言いますし、これを機に人間的にも成長できたらいいなと考えています。この壁を乗り越えることができたら、めっちゃ強くなれるはずなので。

井上 前向きでカッコいいよ!

伊藤 今度のTeam Sは「アイドル性が高い」、Team Eは「自分ならではのパフォーマンス力を持っている子が多い」、Team KⅡは「バラエティやMCに強い個性派集団」という特徴があると思うんです。アイドルだから歌とダンスをがんばらなくちゃいけないのは当たり前ですけど、その部分はすでにオールラウンドにこなせるメンバーが多いので、Team KⅡらしくほかのフィールドでも活躍できる個性を伸ばしていきたいです。

伊藤実希

伊藤実希

──すでに新リーダーとしての風格は十分ですね。

井上 私も4月からは新Team KⅡの一員になるんですけど、かなり強力なチームだなと思います。何しろ現Team Eリーダーの佐藤佳穂ちゃんと現Team Sリーダーの松本慈子ちゃんがいて、その先頭に立つのが伊藤実希ちゃんという構図なので。

伊藤 やめてください、そんなプレッシャーのかかる言い方(笑)。

井上 私自身は何もできないかもだけど、どこか助けられる局面があったら全力でサポートしたいと思います!