加藤いづみ25周年コンサートでサプライズに涙「お礼は歌で返します」

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加藤いづみのデビュー25周年を記念したコンサート「加藤いづみ 25th Anniversary Concert『あの日、私の歌が生まれた』」が、5月21日に東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで開催された。

加藤いづみ

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「加藤いづみ 25th Anniversary Concert『あの日、私の歌が生まれた』」の様子。

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1991年5月21日に1stアルバム「テグジュペリ」でデビューした加藤。ちょうど25年後に行われた今回のコンサートは、デビュー当時の楽曲から書き下ろしの新曲まで披露され、25年間を凝縮したような濃密なステージとなった。

「加藤いづみ 25th Anniversary Concert『あの日、私の歌が生まれた』」の様子。

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デビュー時からの付き合いであるプロデューサー・高橋研(G)をはじめ、狩野良昭(G)、佐藤史朗(Key)、榎本高(B)、田中徹(Dr)といった気心の知れたメンバーと共に登場した加藤は、1997年発売のアルバム「Sad Beauty」からのナンバー「星合いの空まで」でライブをスタートさせる。続けて「屋根の上で」「どれだけあなたのことを」と初期の2曲を歌うと、加藤は「25年前の今日、私はデビューしました。この日に歌が歌いたい、そして私の歌を聴きに来てくれる人たちと一緒に過ごしたい。そう思って今日のコンサートを決めました。来てくれて本当にありがとうございます」とファンに感謝の思いを伝え、「でもね、実感ゼロです(笑)。今日のコンサートは、私自身も25年ということを実感していく時間なのかなと思っています」と胸の内を明かした。

ピアニカを演奏する加藤いづみ。

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「雨のタワー」では加藤がキーボードの前に座り、アコーディオンに持ち替えた佐藤と2人だけで弾き語りを披露。続く「ジェニーの片想い」と「エトランゼ」では、佐藤、榎本、田中のみをバックにしたシンプルな編成でジャジーな演奏を聴かせた。その後、3人と入れ違いで高橋と狩野がステージに上がると、加藤は「この2人は本当に付き合いが長くて、親戚みたいな関係です」と2人との思い出話を語り、「今日はメンバーだけじゃなく、懐かしいスタッフもお手伝いに来てくれていて。相変わらずなメンバーが集まって、相変わらずなことをしゃべって。みんな一緒に年を取っていく感じがね。なんか、生きてるっていいねって純粋に思っちゃいました」としみじみつぶやく。ギタリストの2人は、加藤の地元・愛媛の商店街を思って高橋が書いた「銀天街」と、2ndアルバム「星になった涙」の収録曲「ドライヴ」をアコースティックスタイルで演奏。再びバンドメンバー全員そろっての「髪を切ってしまおう」では、バイオリン奏者の中井一郎もこの1曲だけのために駆けつけた。

並んで歌う加藤いづみ(左)と高橋研(右)。

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ライブ終盤には「毎日がEXAMINATION」「最後の恋の見つけ方」と昨年8月発売の最新アルバム「MUSIC」からの楽曲が歌われ、1stアルバム収録曲「もう少しお金持ちなら」では観客を1階席左右と2階席の3チームに分けての3声コーラスに挑戦。きれいなハーモニーが場内を包み込んだ。そして本編ラストは「手のひらに愛がいっぱい」でさわやかにフィニッシュを迎えた。

加藤いづみ

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アンコールの声を受け再びステージに上がった加藤は、ここで代表曲「好きになって、よかった」を披露する。高橋のアコースティックギターのみをバックに切々と歌い上げた加藤は、「この曲ができたときは、私にとってこんなに大きな存在になるとは思ってもみなくて。この曲があったから、私は歌い続けて来られたのかなって思ったりすることもあります」とこの代表曲への思いを語り、ここまで終始フランクなやりとりを続けていた高橋に対し「こんなに素敵な曲を書いてくれてありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。高橋と入れ替わり佐藤がステージに上がると、「史朗さんも自分の節目になるような曲を書いてもらっています。史朗さんの曲は難しいので、いつも自分の力量が試される感じでね。ではもう1曲、がんばってるあなたに贈ります」と、佐藤が手がけたいくつもの楽曲から「休息」をチョイスした。

突然現れたももクロに抱きつかれる加藤いづみ。

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改めてバンドメンバー全員が合流し、加藤が1人ひとりを紹介していると、ステージ背後にゆっくりとスクリーンが降りてくる。「これ、サプライズってやつですか?」と驚く加藤をよそに、スクリーンにはmiwa、高橋みなみ、武部聡志、槇原敬之、坂崎幸之助(THE ALFEE)、小田和正といったゆかりのアーティストから加藤へのお祝いコメント映像が届けられた。映像が終わると、高橋が「いいなあ、俺もメッセージが言いたい」と突然言い出し、デビュー前の加藤との思い出を語り始める。そして「僕は大体のことは彼女に伝えていますが、こぼれている思いが若干ありますので、言葉に代えて聞いていただきたいと思います。募る思いがありますので、少し声が大きくなります」と前置きした高橋は、なぜか突然「週末ヒロイン、ももいろクローバーZ!」と叫び、ステージにはももクロの5人が登場。彼女たちは前述のアーティストと同様にコメント撮りを依頼されたが、「お世話になっているいづみさんの25周年なんだから、直接お祝いに行こう」とこのサプライズを企画したという。加藤は驚きのあまり「頭が真っ白で気の利いたことが言えない」とパニック状態だったが、「こういうことをしてくれるから、本当にこの子たちはかわいくてしょうがないんですよ」と5人の来訪を喜んだ。

白い花で埋め尽くされた観客席。

白い花で埋め尽くされた観客席。[拡大]

目を潤ませて場内を見渡す加藤いづみ。

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ももクロが去り、ひと呼吸整えた加藤は「今日のために曲を作ってきました。今私が言いたいことがすべて詰まっている曲です」と、この日のライブのタイトルにもなった新曲「あの日、私の歌が生まれた」を披露。音楽への思いと感謝が込められたその歌に、観客からは大きな拍手が送られた。加藤とバンドメンバーが去っても拍手は鳴り止まず、ダブルアンコールへ。加藤はバンドメンバーと“1曲入魂”での参加だった中井を呼び込み、1stアルバムからのナンバー「ZERO」を歌う。すると観客全員が白い花を掲げ、場内が白一色に染め上げられた。ファンからの思わぬサプライズに加藤は涙で声を詰まらせてしまうと、観客はサビを大合唱。加藤は「ステージでこんなに涙を流したのは初めてです。本当にありがとう。このお礼は歌で返します」と感謝を伝え、笑顔でステージをあとにした。

MUSIC

加藤いづみ「MUSIC」
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加藤はこのあと6月4日より、およそ7年ぶりとなるアコースティックツアー「風の街へ、夏」を開催。高橋と2人で、全国8会場を回る。

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加藤いづみ 25th Anniversary Concert「あの日、私の歌が生まれた」
2016年5月21日 Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE セットリスト

01. 星合いの空まで
02. 屋根の上で
03. どれだけあなたのことを
04. 新世界
05. ネガ
06. 雨のタワー
07. ジェニーの片想い
08. エトランゼ
09. 銀天街
10. ドライヴ
11. 髪を切ってしまおう
12. 想い出がいっぱい
13. 毎日がEXAMINATION
14. 最後の恋の見つけ方
15. もう少しお金持ちなら
16. 手のひらに愛がいっぱい
<アンコール>
17. 好きになって、よかった
18. 休息
19. あの日、私の歌が生まれた
<ダブルアンコール>
20. ZERO

加藤いづみ feat. 高橋研 "MUSIC" アコースティックツアー「風の街へ、夏」

2016年6月4日(土)愛知県 カフェ サルーテ
2016年6月5日(日)京都府 SOLE CAFE
2016年6月11日(土)広島県 ヲルガン座
2016年6月12日(日)福岡県 Pleiades
2016年6月18日(土)北海道 円山夜想
2016年6月19日(日)北海道 Cafe B&B ククム
2016年6月25日(土)宮城県 SENDAI KOFFEE CO.
2016年6月26日(日)岩手県 GLOBE

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