ORIGINAL LOVE田島貴男、ソウルパワー充満した渋公で完全燃焼

ORIGINAL LOVEによる最新アルバム「ラヴァーマン」を携えてのライブツアー「ラヴァーマンTour 2015」が、昨日7月18日の東京・渋谷公会堂公演で千秋楽を迎えた。

田島貴男は「ひとりソウルツアー」や弾き語りライブなど1人のみでのライブをたびたび全国各地で行っているが、今回のツアーはサポートメンバーを迎え入れてのバンド編成。学生時代からの盟友である木暮晋也（G / ヒックスヴィル）をはじめ、冨田謙（Key）、真城めぐみ（Cho / ヒックスヴィル）、小松シゲル（Dr / NONA REEVES）、村田シゲ（B / □□□）という強力なメンバーとともに7カ所のステージを回ってきた。最終地点となった渋谷公会堂は、ORIGINAL LOVEがたびたびライブを行ってきた場所。田島はこの渋公が今年10月より改装工事に入りしばらく休館となってしまうことをMCで残念そうに語りつつ、思い入れたっぷりのステージを満喫した。

ライブはまず、1994年6月発売のアルバム「風の歌を聴け」収録のナンバー「The Best Day of My Life」からスタート。田島はラテンビートに乗せたねっとりとした歌声で渋公の温度をじわじわと上げていく。続けて「スキャンダル」を歌ったところで、田島が「ようこそ！ おひさしぶりです！」と短い挨拶をすると、すぐに1994年のヒット曲「朝日のあたる道」へ。サビでは早くも客席で大合唱が巻き起こった。大歓声を受けた田島は「真っ暗だから見えない」と照明スタッフに会場を明るくするよううながすと、2階の隅まで埋まった客席をゆっくり見渡して「ありがとう！」と叫んだ。

「1、2、サンシャイン！」の合図で始まった「サンシャイン日本海」では、Negiccoのペンライト“ネギライト”を振って声援を送るファンの姿も。この曲は田島がNegiccoに書き下ろした曲をセルフカバーしたもので、最新アルバム「ラヴァーマン」に収められている。同じく「ラヴァーマン」に収録されている新曲「クレイジアバウチュ」では、田島はギターを置いてマイクを片手にステージを所狭しと駆け回る。中盤は「ラヴァーマン」の楽曲を軸に構成され、エキゾチックな「今夜はおやすみ」、オールドジャズ風味の「99粒の涙」、サントリー「角ハイボール」のCMでおなじみの「ウイスキーが、お好きでしょ」などバリエーションに富んだ楽曲がバンドアレンジで披露された。

田島は激しいアクションを交えながらのパフォーマンスで汗だくになりながらも、矢継ぎ早に楽曲を畳み掛けていく。「月の裏で会いましょう」「接吻 kiss」ではイントロが奏でられた瞬間に大歓声が上がり、観客は大合唱。田島はその熱気に応えるようにソウルフルなフェイクを重ねた。続く「フリーライド」では終盤のコール＆レスポンスで「ソウルパワー！ 渋谷のソウルパワー！ 東京ソウルパワー、関東ソウルパワー、皆さんのソーウルパワーを！」「渋谷！ 渋谷！ ここから持ち帰ってください、ソウルパワーを！」とテンションのおもむくままに煽る田島のシャウトに観客が手拍子と「フリーライド！」のレスポンスで応える。「The Rover」ではバンドがうねりのあるグルーヴで渋公を包み込み、最後は「ラヴァーマン」のラストナンバーでもある「希望のバネ」でさわやかにフィニッシュ。エンディングではバンドが演奏を止め、田島の声とバンドのコーラス、観客の合唱のみのアカペラが鳴り響いた。

アンコールの声を受けて再びステージに上がった田島とバンドメンバーは、ここで最新アルバム表題曲「ラヴァーマン」を披露した。そして田島のカウントから「JUMPIN JACK JIVE」へとなだれ込むと、場内はまたしてもヒートアップ。ブレイクでは田島がバンドの演奏を制止させ、観客のハンドクラップのみをバックにまたも「ソウルパワー！」を連呼する。コール＆レスポンスで一体感を作り上げ、田島はギターアンプの上から豪快にジャンプ。息も絶え絶えにステージを去った田島に、さらなるアンコールの声がかかる。笑顔で戻ってきた田島は「ぶっとばしてもいいですか？」と呼びかけると、最後に「夜をぶっとばせ」を熱唱。またもギターアンプからのダイビングを見せたが、へとへとの田島は着地するなりステージ上にばったりとへたり込んでしまう。完全燃焼した田島の姿に盛大な拍手が贈られ、約2時間半におよんだライブは幕を下ろした。