TRUSTRICK、弦楽四重奏と映像演出で魅せたサマーライブ第2弾

TRUSTRICKが7月4日、東京・ステラボールにてワンマンライブ「TRUSTRICK PREMIUM LIVE SUMMER "Iolite"」を開催した。

6月19日の東京・TSUTAYA O-EAST公演「TRUSTRICK PREMIUM LIVE SUMMER "Garnet"」と対をなす形で行われた今回のライブ。オールスタンディングの会場でアップテンポなナンバーを中心とした前回の“Garnet”に対し、“Iolite”は座ってじっくりと楽しむタイプの楽曲がセレクトされた。TRUSTRICKが着席スタイルのライブを行うのは今回が初めて。さらにステージ全体に投影する映像演出や弦楽四重奏を交えたパフォーマンスなど、TRUSTRICKの2人にとって初めてづくしの一夜となった。

開演時刻になると、幻想的なSEにあわせてステージ全体を覆った幕にファンタジックな映像が映し出される。薄い幕の向こうに神田沙也加（Vo）とBilly（G）のシルエットが浮かぶと、2人はボーカルとアコースティックギターのみで1曲目の「ATLAS」を歌い始めた。サビのタイミングで幕が開き、サポートメンバーのcoba84（Key）、角本雄亮（Dr）、山崎英明（B）が一斉に音を重ねると、息を飲むような緊張感に包まれた客席に大きな拍手が鳴り響いた。「いつかの果て」「君が居る未来のために」「恋人」では弦楽四重奏が合流し、優しく重厚なサウンドが場内を包み込む。また中盤にはライブ初披露となる坂本真綾のカバー「雨が降る」や、かつてアコースティックライブのみで披露されたMaroon 5のカバー「She will be loved」といった貴重なパフォーマンスも見られた。

「Calico」は先月の“Garnet”でも披露されたが、今回はBillyのアコースティックギターを中心としたシンプルなアレンジに。続く四つ打ち「Escape」もじわじわと高揚感を高めていくようなサウンドへと変化していた。そして神田が「みんなそろそろ立ちたいんじゃない？」と呼びかけると、観客は一斉に立ち上がり「Sunny Day」に乗せてハンドクラップを鳴らしながら心地よく体を揺らす。そのまま本編ラストの「未来形Answer」になだれ込み、最後は熱くステージを締めくくった。

「未来形Answer」の余韻を引き継ぐように、アンコールでは再び弦楽四重奏を交えて「FLYING FAFNIR」を熱演。ステージ背面にはメラメラと燃える炎やミュージックビデオからのシーンが投影され、演奏をエモーショナルに盛り上げた。Billyは「ここ（ステージ）にはいませんが、今日はTRUSTRICKバンドのメンバーが50人ぐらいいます」と、舞台裏でともにステージを作り上げているスタッフたちに感謝の言葉を述べる。そして神田はステージ手前で撮影しているスタッフを指差し、「先ほどから皆さんの前をカメラさんたちが行ったり来たりしてくださっていますが……実はですね、この『TRUSTRICK PREMIUM LIVE SUMMER "Iolite"』がDVD化されます！」と報告。このDVDにはライブ本編のみならず、ライブの企画打ち合わせから当日までの流れに密着したドキュメンタリー映像も収められるとのこと。詳細は追ってアナウンスされるので、ファンは楽しみにしておこう。

2人は最後に改めてファンに挨拶。神田は「“Garnet”と“Iolite”の2本を通して新しいTRUSTRICKが見てもらえたんじゃないかなと思います。ここから先、TRUSTRICKがどこに行くのか、勉強したことをどう生かしていくのかを、私たち自身も楽しみにしています。もっともっと魅力的なユニットになっていけたらいいなと思っています」とこの2本のライブで得た充実感を語り、Billyは「ダメだ、話がまとまんないわ」としどろもどろになりつつも「デビュー1周年を迎えて最初のライブが今日なので感慨深いものがありますが、これを終えて自分たちに何が残るのかに向き合って、新しいTRUSTRICKを作っていきます」と力強く宣言した。そしてさらにもう1曲、「On your marks!」を演奏してライブは終了。2人は満面の笑顔でステージをあとにした。