浜崎あゆみ史上最長3時間45分、徹底演出で魅せた“真夜中のサーカス”

浜崎あゆみの全国ツアー「ayumi hamasaki ARENA TOUR 2015 A（ロゴ） Cirque de Minuit ～真夜中のサーカス～」が昨日7月5日の神奈川・横浜アリーナ公演をもって終了。追加公演の神戸公演と横浜公演ではキャリア史上最長の3時間45分におよぶライブが展開された。

この「Cirque de Minuit ～真夜中のサーカス～」は、近年浜崎のステージにおいて裏テーマのように存在していた“サーカス”というキーワードをダイレクトに打ち出したツアー。2014年末のカウントダウンライブで同じタイトルを掲げて序章とし、4月から約3カ月にわたるアリーナツアーで全国10カ所を訪れた。なお今回のツアーでは約17万3000人を動員した。

ライブ本編の大半は「真夜中のサーカス」という公演名にのっとったコンセプチュアルな内容。幅36m、高さ17mの大規模なステージで、エアリアルシルクと呼ばれる布を使った空中パフォーマンスやラートといったサーカスの雑技が繰り広げられたり、全長4.7mのメタリック調の象のオブジェが登場したりと、観る者を楽しませる。浜崎もトラッドな赤いジャケットからレオタード風まで11種類の衣装で魅せたほか、ムチを持ってサディスティックな女性像を演じたかと思えば、月のオブジェに乗って空中でしっとりと歌い、サーカスの世界観を先導した。さらに序盤の「GAME」では地上12mの高さで男性ダンサーとともにフライングパフォーマンスを行い、中盤の「Secret」や「Last minute」では曲の世界に入り込んですすり泣くように歌うなど、体を張って持ち前のエンタテイナーぶりを発揮していた。

何度目かのインタールードを挟んでの最後のパートはショーモードからライブモードへ。浜崎は「最後までついてこいよ横アリー！」と観客を煽り、「immature」「evolution」といったライブ定番曲で一体感を生み出す。本編ラストは、冒頭と同じ衣装に着替えてドラマチックな表情で「Mirrorcle World」を熱唱。「始まりなのかって？ 終焉なのかって？」という歌詞がこの構成とリンクし、不思議な余韻を残して「真夜中のサーカス」は幕を降ろした。

アンコールでは、8月5日にリリースするミニアルバム「sixxxxxx」から新曲「Sayonara feat. SpeXial」と「summer diary」のミュージックビデオを先行公開。同作の先行配信シングル「Step by step」や、EDM風に生まれ変わった宇多田ヒカル「Movin' on without you」のカバーも披露した。この日はツアーファイナルとあって、浜崎は「この『真夜中のサーカス』は去年の秋に作って、カウントダウンライブで初披露して、それから22公演やってきました。こんなハッピーなオーディエンスのみんなと作り上げることができて本当にうれしいです。どうもありがとう」と感謝を述べる。

MCの最中には、9月から11月にかけて12年ぶりとなるファンクラブツアーを開催することを発表。喜びの歓声に包まれる中、彼女は「8月は『a-nation』で、9、10、11月はTA（Team Ayu）ツアー、そしたらもうカウントダウンやろ？ ずっと一緒やねー！」と気さくな博多弁でニッコリ。その後のライブでは、夏ソングを多く含むメドレー、恒例の大合唱が巻き起こる「Boys & Girls」と続いた。フィナーレでは、場内に「あゆー!!」の声が飛び交う中、涙ながらに「Who...」「MY ALL」を歌唱。コンセプチュアルなツアーを完遂した浜崎は「全国の皆さんと今日横浜アリーナに集ってくれた皆さん、『真夜中のサーカス』を愛してくれてありがとうございました！ また会える日まで笑顔でいてね！ バイバーイ!!」と、ファンとの別れを惜しむように最後まで手を振っていた。