1996年にKi/oon Sony Records(現Ki/oon Music)からデビューを果たし、1997年に2ndアルバム「夜に生きるもの」、1998年に3rdアルバム「ベッドタウン」と立て続けにディープな作品を発表し高い評価を集めた高橋。本作は4thアルバムとして世に出る予定だったが、全曲のトラックダウンを終えマスタリング作業を残すのみという段階で、レコード会社との契約解除により“お蔵入り”となった。
アルバムのレコーディングセッションには、現在
アルバム発売に伴い、明日7月24日より計5会場を回るリリースツアー「REST OF THE WORLD 1999-2014」が開催される。また本作の発売を記念して、茂木欣一、
高橋徹也「REST OF THE WORLD - LOST SESSIONS 1999 -」収録曲
01. Weather
02. Les Vacances
03. スウィング
04. 意外な人
05. 今年一番寒い日に
06. Golden Week
07. ストレンジャー
08. One Light
09. 夜明け前のブルース
10. The Next Song
11. 音楽(2014 new recording ver.)
12. Inner Garden
13. ユニバース~風を追い越して~
14. 星の終わりに
高橋徹也 レコ発ツアー2014
REST OF THE WORLD 1999-2014
2014年7月24日(木)東京都 STAR PINE'S CAFE
2014年8月9日(土)京都府 SOLE CAFE
2014年8月13日(水)東京都 下北沢mona records(※フリーライブ)
2014年8月23日(土)静岡県 静岡LIVING ROOM
2014年9月6日(土)東京都 下北沢lete
高橋徹也 コメント
「REST OF THE WORLD」…このフレーズを最初に意識したのは、90年代当時、イタリア・プロ・サッカー・リーグSERIE Aで活躍した中田英寿選手が参加したエキシビション・マッチを観た時だろうか。それは確かチャリティーを目的とした試合で、ヨーロッパ国籍の選手だけで編成された「世界選抜チーム」と、ヨーロッパ以外の国々から選抜された「その他の世界チーム」という、ひどく差別的で一方的な価値観によるネーミングの2チームによる対戦だったと記憶している。つまりヨーロッパこそ世界。あとはそれ以外、という考え方に基づく概念。ただ当時も今も、それについてどうこう言うつもりはなく、単純に言葉の響きとして面白いなと思ったのが、この「REST OF THE WORLD」というフレーズだった。
ここに収められた音源は、覚えている限り1999年に行われたレコーディング・セッションで、事実上、通算4枚目のフル・アルバムとして世に出るはずだった、いわゆるお蔵入り作品である。ヴォーカル曲、インスト曲とバラエティに富んだ内容で、全曲分のトラックダウンを終え、いよいよマスタリングを残すのみ、というところでリリースが頓挫してしまった。個人的には当時所属していたレコード会社との契約解除に伴ういわく付きの作品でもあるので、正直この話題を避けてきたように思う。実際にこの音源のマスターが何処にあって誰が保管しているのかなど、当の自分ですらよくわからないまま長い年月が経過していった。
今回こうして正式にリリースの話が持ち上がり、改めて約15年振りに音源の全貌を耳にしてみると、意外なほどそれを素直に楽しめた自分がいた。「今だったらこうするのに」「これは余計だろう」という、音やアレンジに関する好みの変化は少なからず感じる。そして近年、コンスタントに作品のリリース、ライブも継続しているというささやかな自負もある。そんな充実した今、わざわざ過去の遺産をネタに商売する(笑)というのもいかがなものかと思わなかった訳でもない。ただ、それ以上にこの作品の持つ普遍性や純粋さ、そして何より愛すべき曲の数々が、自分の心を前向きに強く導いてくれた。そのことに改めて感謝したいと思う。ワインや漬け物ではないけれど、時として音楽にも必要な熟成期間というものがあるのかもしれない。
これは当時27才だった自分が、全身全霊をかけて築き上げようとした誇大な妄想とユートピアの幻想。約15年間の長きに渡り、主の帰還を待ち続けた「REST OF THE WORLD」の物語が静かに幕を開ける。今、スピーカーの向こうからから聴こえてくるその音楽に、僕はただ耳を傾けている。
ようこそ、その他の世界へ。
アーティストコメント
茂木欣一(東京スカパラダイスオーケストラ、フィッシュマンズ、So many tears)
高橋徹也くんに出会ったのは1999年初頭、シングル「愛の言葉」に参加したときです。そのレコーディングがとても充実していたなと思っていたところ、さらに声をかけてもらって、何曲かの新曲に関わることが出来ました。
その当時の新曲たち「ストレンジャー」「ユニバース」「意外な人」といった作品の濃密さやスケール感に興奮したのを憶えています。スティービー・ワンダーの「Innervisions」のような手触りとでもいうか。
あれから時が流れて、2014年夏。こうして「REST OF THE WORLD」が届けられたこと、本当に嬉しい限りです。印象的なシンセ音、そして徹也くんの歌声は深く音楽にのめり込んでいて、ヘッドフォンで真夜中に聴いていたら、あの頃の高橋徹也の心象風景が見えてきた気がしました。
たくさんの人に届くといいですね。また高橋徹也くんの音楽に関わることが出来ればと思います。ゆっくりお喋りしよう!!
リリースおめでとうございます。
Small Circle of Friends
思えば、このアルバムがあの日。
あの15年前に発売されていたら。
何がどう変わっていたのか…。
言っても、詮無い話だし。
逆を言えば、高橋さん自身15年後コレがどうなるかなんて、きっと思いもよらない。
その音は、作品に熱量とアイディアを思いのまま詰め込み、珠玉の音の塊はメロディへと変わる。
狂気にも似た感情で湧き上がる音を自在に操り、高橋徹也をカタチ創る。
そこには、全方向から見て、切り、そして刻んでも、見紛うコトのない高橋徹也が居ました。
何故、あの時世に出なかったのか?なんて無粋なコトは無し。
ゆっくり浸り、時にそれを喜びと思える音を、しばし聴き続けたい。
紛れもない名盤です。
上田禎
高橋、よかったね。
十数年間ぼくだけひとりで楽しんできたマスターテープが、
みんなで楽しめるなんて、、、
素敵な時代になったよね。
処分しなくてよかったー!
山田稔明(GOMES THE HITMAN)
僕が高橋徹也を初めて観たのは1997年だった。その頃僕は映像制作会社勤務のADで、川崎クラブチッタの空き時間を利用してデビューアルバムのなかの「真夜中のドライブイン」MVの撮影助手を担当したのだ。今になって考えれば観客のいないステージで独演する痩せた彼の姿はそのまま彼の音楽性を表していたように思える。そのとき挨拶すら交わさなかった僕らは月日が経って吉祥寺のいなたい居酒屋で、音楽について、レコードについて話をしていた。「発売中止になったアルバムがあるんだ」と聞かされていた作品がこの「REST OF THE WORLD」である。15年の時を越えて解き放たれた歌たちに僕は驚愕している。高橋徹也の音楽に触れるときに感じる不気味さや不穏さ、そして孤独感と静けさは1999年のセッションで完成していた。「いやいや」と謙遜する本人に会うとホッとするが、このレコードを鳴らしている間の緊張感はやたらとクセになる。2014年の夏、ワールドカップの熱狂をそっと冷ますのはきっとこの「REST OF THE WORLD」だ。
リンク
- 商品詳細 - VIVID SOUND
- 夕暮れ 坂道 島国 惑星地球
- 高橋徹也 (takatetsu_info) on Twitter
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茂木欣一 @kin_drums
ぜひ、体験してみてください。 RT @natalie_mu: 高橋徹也、幻のアルバムが15年の時を経て世へ http://t.co/3wYD70teDp