橋本絵莉子×スカート、“ストレンジなポップミュージック”で共鳴した金曜の夜

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2月14日に東京・東京キネマ倶楽部にてツーマンライブ「SMA50th Anniversary×ライブナタリー “橋本絵莉子×スカート”」が行われた。

スカートとは?

シンガーソングライター澤部渡によるソロプロジェクト。2010年にスカート名義での音楽活動を始め、同年に自主制作による1stアルバム「エス・オー・エス」をリリースした。以降もセルフプロデュースによる作品をコンスタントに制作し、2014年にはアナログ12inchシングル「シリウス」をカクバリズムより発表。2016年発売のアルバム「CALL」で注目を浴びた。2017年にポニーキャニオンよりメジャーデビューアルバム「20/20」をリリース。メジャーデビュー5周年を迎えた2022年12月にはアルバム「SONGS」を発表した。2024年8月には村上基 (在日ファンク)、adieu、SPECIAL OTHERS、井上花月 (Laura day romance)、パソコン音楽クラブをゲストに迎えた初のフィーチャリングEP「Extended Vol.1」を配信リリース。9月13日は本作のリリースを記念したフリーライブを東京・UNITで開催する。スカート名義での活動のほか、ギター、ベース、ドラム、サックス、タンバリンなど多彩な楽器を演奏するマルチプレイヤーとしても活躍しており、yes, mama ok?、川本真琴ほか多数のアーティストのライブでサポートを務め、スピッツや鈴木慶一のレコーディングにも参加。これまでに藤井隆、Kaede(Neggico)、三浦透子、adieu(上白石萌歌)ら他アーティストへの楽曲提供およびドラマや映画の劇伴制作にも携わっている。

橋本絵莉子

橋本絵莉子

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この公演は、ソニー・ミュージックアーティスツの創立50周年を記念した、SMAとライブナタリーのコラボ企画「SMA50th Anniversary×ライブナタリー」の一環として行われたもの。東京・Zepp Shinjuku(TOKYO)での岡崎体育と梅田サイファーのツーマン、大阪・Zepp Osaka Baysideでの真心ブラザーズと銀杏BOYZのツーマンに続く、第3弾公演として開催された。

スカート

澤部渡(G, Vo / スカート)

澤部渡(G, Vo / スカート)[拡大]

ステージに現れた澤部渡(G, Vo)、岩崎なおみ(B)、佐久間裕太(Dr)、シマダボーイ(Perc)、森川あづさ(Key)は「ストーリー」をプレイし、ライブをスタート。「さよなら!さよなら!」や昨年12月にリリースされた「火をともせ」を続けざまに披露し、豊潤なアンサンブルとグッドメロディで金曜の夜を華やかに彩っていく。澤部の歌声が朗々と会場に響き渡り、時折入るツリーチャイムやトライアングルの音色がそこにきらびやかさを添える。ひとしきりパフォーマンスを続けたのち、澤部は「誘っていただけてとてもうれしいです。ナタリーさんは前からズブズブなんですけど……SMAで声がかかると思ってなかったから。SMAなんてズブズブから一番遠いんだから!」と喜びを露わにした。

澤部渡(G, Vo / スカート)

澤部渡(G, Vo / スカート)[拡大]

スカート

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「今日は楽しくいろんな曲を演奏したいと思ってます」という宣言に続けて、澤部は「視界良好」「波のない夏 」など多彩な楽曲を次々と演奏。スカート屈指のアップテンポナンバー「セブンスター 」に続けて演奏された「静かな夜がいい」ではバンドメンバーによるソロ回しが繰り広げられ、1人ひとりに大きな拍手と歓声が送られる。その後、現在アルバムを制作中で明日も歌入れがあるという澤部は「今日の感じだったら明日いいテイク録れる気がする」と頬をゆるめた。「回想」「ODDTAXI」というキラーチューンの歌唱後、澤部は「橋本さんとご一緒できてうれしいです。ストレンジなポップミュージックという意味では、同じ地平にいさせていただいているような気がして」と語り「海岸線再訪」をプレイ。晴れやかなパフォーマンスでオーディエンスを魅了し、ステージをあとにした。

橋本絵莉子

橋本絵莉子

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曽根巧(G)、村田シゲ(B)、北野愛子(Dr)と登場した橋本は、ムーディな照明の中で「人一人」を歌唱。エッジィなサウンドにコケティッシュな歌声を乗せ、1曲目からオーディエンスの視線を釘付けにする。その後「踊り場」が披露されるとフロアはほのかな揺れに包まれ、続く「かえれない」でその揺れは大きくなった。「やさしい指揮者」では橋本がキーボードを演奏し、郷愁的なムードで会場をそっと包み込む。新曲「ジェンガ(仮)」では橋本のエモーショナルな歌声と開放的なバンドサウンドが重なり、観客の心を優しく、そして強く刺激した。

橋本絵莉子

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橋本絵莉子のライブの様子。

橋本絵莉子のライブの様子。[拡大]

村田いわく「親戚の子供を見てるのかと思った」というほどのゆるいMCを繰り広げつつも、演奏時にはキレのあるパフォーマンスで魅せる橋本。「ロゼメタリック時代」では、アグレッシブな演奏から生み出される轟音がこだまし、会場中が熱気に満ちていく。この日2曲目の新曲「大人げないね(仮)」でみずみずしいバンドサウンドを届けたのち、4人は「Oh, Cinderella」を演奏。一転して成熟したアンサンブルを届け、バンドの幅広さをオーディエンスに提示した。そしてラストに「ワンオブゼム」を力強く披露し、4人は舞台を去っていった。鳴り続ける拍手に答えて登場した橋本たちは、舞台に登場するなりアンコールとして「私はパイロット」を演奏。情感的ながらも軽やかなサウンドと凛とした歌声を聞かせ、ライブを締めくくった。

ライブレポート

セットリスト

「SMA50th Anniversary×ライブナタリー “橋本絵莉子×スカート”」2025年2月14日 東京キネマ倶楽部

スカート

01. ストーリー
02. さよなら!さよなら!
03. Aを弾け
04. 火をともせ
05. 視界良好
06. 駆ける
07. CALL
08. 波のない夏
09. セブンスター
10. 静かな夜がいい
11. 回想
12. ODDTAXI
13. 海岸線再訪

橋本絵莉子

01. 人一人
02. 踊り場
03. かえれない
04. やさしい指揮者
05. ジェンガ(仮) ※新曲
06. ロゼメタリック時代
07. 大人げないね(仮) ※新曲
08. Oh, Cinderella
09. ワンオブゼム
<アンコール>
10. 私はパイロット

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読者の反応

今野良介|編集者 @aikonnor

ほんと最高だったな

いまだに余韻の中にいる https://t.co/Z4L8dywcdp

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