ano vs ラウドロック界のラスボス!マキシマム ザ ホルモンとの壮絶な死闘、そして共闘

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anoが2月13日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で対バンツアー「ニャンオェちゃん vs チュープリくんツアー」のファイナル公演を行った。

「ちゅ、多様性。」を披露するano(右)とナヲ(左)。(撮影:横山マサト)

「ちゅ、多様性。」を披露するano(右)とナヲ(左)。(撮影:横山マサト)

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1月に自身最大規模の会場となる東京・NHKホールでワンマンライブ「スーパーニャンオェちゃん発表会」を開催し、2月からは「ニャンオェちゃん vs チュープリくんツアー」と題した対バンツアーを行ってきたano。愛知公演では主催フェス「DEAD POP FESTiVAL」やツアーに彼女を招いたSiM、大阪公演では「FNS歌謡祭」でコラボしたPUFFY、東京公演初日では「絶絶絶絶対聖域」の作編曲を担当したTK from 凛として時雨、そして東京公演2日目では「チューチュー ラブリー ムニムニ ムラムラ プリンプリン ボロン ヌルル レロレロ」でコラボしたマキシマム ザ ホルモンを対バン相手に迎えた。この記事ではツアーファイナルとなったホルモンとの対バンの模様をレポートする。

ナヲ「全員泣かして帰る」

anoとホルモンのファンが入り混じり、パンパンになったキャパ約3000人のZepp Haneda。安全に観たい人は後方での観覧を推奨するアナウンスが流れるなど、いつものanoのライブとは明らかに異なる雰囲気だ。開演時刻の18:30を迎えると、腹ペコ(ホルモンファンの呼称)が叫び始め、中には「押してるよー!」と開演を求める声も。その数十秒後に会場が暗転すると大歓声が広がり、ナヲ(ドラムと女声と姉)、マキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)、上ちゃん(4弦と歌とDANGER×FUTOSHI)、ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)の4人が怪獣のような大物感を漂わせて現れた。

マキシマム ザ ホルモンのライブの様子。(撮影:浜野カズシ)

マキシマム ザ ホルモンのライブの様子。(撮影:浜野カズシ)[拡大]

ダイスケはんはマイクを握るなり「やれんのかあ!!」と絶叫。彼らが代表曲「シミ」「恋のメガラバ」を畳みかけると、フロアは一気に地獄絵図へと変わり、絶え間なく人の上を人が転がっていく。anoのファンを心配せずにはいられないほどに、腹ペコの熱量はすさまじい。ダイスケはんは「オイ、思ったより臭いぞ!」と驚いた様子を見せ、ナヲも「すごいね!? 合宿でもしてきた?」とフロアに問いかけたほどだ。

ナヲ(マキシマム ザ ホルモン)(撮影:浜野カズシ)

ナヲ(マキシマム ザ ホルモン)(撮影:浜野カズシ)[拡大]

ツアーファイナルの対バン相手を務めるということで、ナヲは「ウチらがラスボスということでいいですか?」と観客に確認し、ダイスケはんは「ラウドロック界の小林幸子」と主張。「今日は初めましての方が多いと思うんですけど、ポップで行くとか考えてないんで」と宣告したナヲは、「今日はどっちがニャンオェちゃんで、どっちがチュープリくんなのかっていう戦いだから。全員泣かして帰る」と続け、オーディエンスの覚悟を促した。

まさかの「◯◯◯◯◯◯ feat. ano」

散々煽ってから、スカテイストのファニーなイントロの「ロックンロール・チェーンソー」が始まって、ダイスケはんがズッコけるボケもありつつ、「令和ストロベリーバイブ」「絶望ビリー」とヘヴィなナンバーを連発してフロアに混沌を生み出すホルモン。ライブ中盤には来場者が期待していた通り、anoを迎えたパフォーマンスも披露する。anoとのコラボ発表時、亮君が卵を吐き出す映像を公開した彼らは、今回それを再現する代わりに、餌を使ってanoを召喚するという。

anoの大好きなお菓子がセットされる中、ナヲが「ルールルルルル」と古典的なフレーズで呼びかけるとanoがフラフラとステージへ。まんまと引き寄せられた彼女を捕獲したホルモンは「あのちゃんゲットだぜー!」と喜び、「あの曲やるしかないでしょー!」と演奏になだれ込む。ここで披露されたのはanoとのコラボ音源がリリースされた「チューチュー ラブリー ムニムニ ムラムラ プリンプリン ボロン ヌルル レロレロ」……ではなく「ぶっ生き返す!!」だった。

マキシマム ザ ホルモンに召喚されたano。(撮影:浜野カズシ)

マキシマム ザ ホルモンに召喚されたano。(撮影:浜野カズシ)[拡大]

まさかの選曲に観客が沸き上がる中、anoはダイスケはんに引けを取らないデスボイスを披露し、ナヲのパートも伸びやかに歌唱。以前「ぶっ生き返す!!」をカラオケで歌った動画をSNSで公開していたanoだが、実はホルモンに招かれた八王子のスタジオでも、この曲でセッションしていたのだという。腹ペコたちとanoのファンがそろって熱狂する中、ホルモンとanoは、もちろん「チューチュー ラブリー ムニムニ ムラムラ プリンプリン ボロン ヌルル レロレロ」も披露。タオル回しで会場に一体感と爽快感を生み出した。コラボを終えたanoは足早に退場し、ホルモンはトドメの一発として「恋のスペルマ」を投下。サークルモッシュも巻き起こし、フロアを焼け野原にしてライブを終えた。

ano「音楽をしに来ました」

ano(撮影:横山マサト)

ano(撮影:横山マサト)[拡大]

ホルモンの激烈なライブをなんとか生き延びたファンが「あのちゃーん!」と必死に叫ぶ中、ツアーメンバーのTAKU INOUE(G)、西浦謙助(Dr)、真部脩一(B)、永山ひろなお(Key)に続いてanoが登場。青いホッケーシャツをリメイクしたラブリーな衣装だ。エレキギターを手にした彼女は、昨年解散したI'sのラストシングル「Past die Future」で口火を切ると「ファイナルみんなブチ上がっていくぞ!」とシャウト。ホルモンから刺激を受けたのか、彼女のパフォーマンスはいつも以上に荒々しく、感情むき出しに見える。そんなanoにファンも全力で応え、彼女が「デリート」に続けて泣き叫ぶように歌った「普変」ではクラウドサーフも多数発生した。

ano(撮影:横山マサト)

ano(撮影:横山マサト)[拡大]

ラメでキラキラの膝。(撮影:横山マサト)

ラメでキラキラの膝。(撮影:横山マサト)[拡大]

「今日は一生懸命楽しんでください!」と呼びかけたanoは「愛してる、なんてね。」「涙くん、今日もおはようっ」とポップなシングル曲を連発。彼女は「後ろも上も!」と会場全体に呼びかけながらパフォーマンスを繰り広げ、ダンサー2人を迎えた「スマイルあげない」ではファンのコールがきれいにそろって響きわたる。そんな会場の盛り上がりにanoは「すごいですねー、めちゃくちゃ楽しいです。さすがファイナルというか、めちゃくちゃいいわ」とご機嫌な様子だ。

ano(撮影:横山マサト)

ano(撮影:横山マサト)[拡大]

ナヲとはバラエティ番組で共演することもあるが、ホルモンと音楽でぶつかり合えることがうれしいと語ったanoは「音楽をしに来ました」と宣言。アコースティックギターを抱え、自身が作詞作曲した「YOU&愛Heaven」を優しく歌い上げた。

「あのときの自分が少し肯定できる」

anoのライブの様子。(撮影:横山マサト)

anoのライブの様子。(撮影:横山マサト)[拡大]

人気曲が怒涛の勢いで披露され、ライブはあっという間に終盤に突入。「僕はマキシマム ザ ホルモンにシラフで狂えるのが一番カッコいいと教わってきた」と切り出したanoは「今日シラフで誰が一番狂えるか! かかってこい!」と煽りまくる。そうして「猫吐極楽音頭」でフロアを再び燃え上がらせた彼女は、「許婚っきゅん」では「誰が一番かわいく踊れるかなー?」と呼びかけてキュートなパフォーマンスを披露。続けて「F Wonderful World」を飛び跳ねながら歌い、会場の熱気をさらに引き上げた。

ano(撮影:横山マサト)

ano(撮影:横山マサト)[拡大]

「いじめられてるときにマキシマム ザ ホルモンに出会ったんです。それがなかったら今日はないなと思って。あのときの自分が少し肯定できるなって思いました」と共演の喜びを改めて語ったanoは、「この瞬間がとてもとてもとてもとてもとてもうれしく思います。ありがとう」とファンに語りかけ、ラストナンバーの「絶絶絶絶対聖域」へ。鋭いサウンドが響きわたり、ホルモンのライブ同様の壮絶な光景がフロアに広がる中、anoは「今を! 今を抱きしめて!」と叫んだ。

ファイナルだけのサプライズ

抱き合うナヲとano。(撮影:横山マサト

抱き合うナヲとano。(撮影:横山マサト[拡大]

ライブ本編終了後、ano本人の発案から定番となったYouTubeチャンネル「あのちゅーる」の歌の大合唱でファンがアンコールを求めると、anoとバンドメンバーが再びステージへ。「まだまだ足りてません! やり残したことがありますよね!」とanoが言う通り、あの曲がまだ披露されていない。四つ打ちドラムが響く中、anoはナヲを呼び込むと、代表曲「ちゅ、多様性。」をデュエット。この日3曲目のコラボだ。サービス精神旺盛なナヲは、自分で黒線を引いたという黄色のトラックスーツを着用。anoの隣でコミカルに歌い踊って観客を大いに楽しませた。

この日限りの特別なパフォーマンスが盛りだくさんのライブだが、サプライズはまだ終わらない。ここでanoは2ndアルバムを夏にリリースすることを発表し、「全員いなくなっちゃえ」「邪魔してくる人はみんな嫌だな」という思いから作ったという楽曲「この世界に二人だけ」を披露。この曲はanoが2023年に制作して昨年6月に弾き語り映像をYouTubeで公開していたラブソングであり、リーガルリリーの編曲によってエモーショナルなバンドサウンドの楽曲として完成した。激闘でボロボロになった観客をいたわるように、anoは心に染み入る歌声を披露。歌い終えると「また必ず会いましょう! ありがとう!」と笑顔を見せ、さわやかに去っていった。

ano「この世界に二人だけ」Music Video

セットリスト

ano「ニャンオェちゃん vs チュープリくんツアー」2025年2月13日 Zepp Haneda(TOKYO)セットリスト

マキシマム ザ ホルモン

01. シミ
02. 恋のメガラバ
03. ロックンロール・チェーンソー
04. 令和ストロベリーバイブ
05. 絶望ビリー
06. ぶっ生き返す!!(ゲストボーカル:ano)
07. チューチュー ラブリー ムニムニ ムラムラ プリンプリン ボロン ヌルル レロレロ feat.ano
08. 恋のスペルマ

ano

01. Past die Future
02. デリート
03. 普変
04. 愛してる、なんてね。
05. 涙くん、今日もおはようっ
06. スマイルあげない
07. YOU&愛Heaven
08. 猫吐極楽音頭
09. 許婚っきゅん
10. F Wonderful World
11. 絶絶絶絶対聖域
<アンコール>
12. ちゅ、多様性。(ゲストボーカル:ナヲ)
13. この世界に二人だけ

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あの STAFF @ano_staff

【MEDIA】
音楽ナタリーにて
2/13(木)Zepp Hanedaにて開催された
ano 東名阪Zepp対バンTOUR「ニャンオェちゃん vs チュープリくんツアー」ファイナル公演のライブレポートが掲載されております!
https://t.co/4YJC6RHBwT

ぜひチェックしてください❤️‍🔥
#ano #マキシマムザホルモン

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