柳沼昭徳演出「夜の道づれ」開幕、観客も道づれとなりこつこつは続く

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こつこつプロジェクト Studio公演「夜の道づれ」が昨日4月15日に東京・新国立劇場 小劇場にて開幕した。

こつこつプロジェクト Studio公演「夜の道づれ」より。(撮影:田中亜紀)

こつこつプロジェクト Studio公演「夜の道づれ」より。(撮影:田中亜紀)

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三好十郎の「夜の道づれ」は、作家・御橋次郎と、見知らぬ男・熊丸信吉が、敗戦後の夜明けの甲州街道を歩き続ける物語。演出を烏丸ストロークロックの柳沼昭徳が担い、出演者には石橋徹郎金子岳憲林田航平、峰一作、滝沢花野が名を連ねた。

こつこつプロジェクト Studio公演「夜の道づれ」より。(撮影:田中亜紀)

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開幕に際し柳沼は「何かを積み上げていくというよりも、『夜の道づれ』の作品の登場人物たちのように、出会った人々と道づれとなって、どこまでも続いてゆく道のりを対話しながら歩き続ける。私にとってのこつこつプロジェクトとはそうした体験でした」とコメント。

石橋は「特別な状況になった時だけでなく、できれば今をあらためて見なおしてみて、当たり前に思っていたことや、大したことだとは思っていなかったことが、ほんとは少し有難いことだったんだと感じることができたなら、生きることには甲斐がある。と思える。そんな舞台になっていれば嬉しいです」、金子は「派手に誤魔化したりせず、シンプルに人間が演じる舞台になったような気がします。公演中もこつこつ発見し話し合っていきたいです」と思いを語った。柳沼、石橋、金子のコメント全文と林田、峰、滝沢のコメントは以下の通り。

こつこつプロジェクトは、小川絵梨子演劇芸術監督のもと、時間に追われない稽古の中で1年間をかけて試演を重ね、演出家と芸術監督、制作スタッフが協議を重ねて作品を育ていていくこつこつプロジェクトの、節目ごとに行われる試演会。これまでクローズドで行われていた試演を、今回はStudio公演と銘打ち公開する。上演時間は約2時間、公演は4月20日まで。

柳沼昭徳コメント

何かを積み上げていくというよりも、「夜の道づれ」の作品の登場人物たちのように、出会った人々と道づれとなって、どこまでも続いてゆく道のりを対話しながら歩き続ける。私にとってのこつこつプロジェクトとはそうした体験でした。作品がいま、稽古場から劇場へと移り、ようやくお客様と作品を共有できる段階となりました。これから、ご覧いただいた皆さまも一緒に道づれとなって、こつこつできることにワクワクしています。

石橋徹郎コメント

自分のいのちの嬉しさに気づくことができたら。それはどんなときに気づくことができるのか。

特別な状況になった時だけでなく、できれば今をあらためて見なおしてみて、当たり前に思っていたことや、大したことだとは思っていなかったことが、ほんとは少し有難いことだったんだと感じることができたなら、生きることには甲斐がある。と思える。

そんな舞台になっていれば嬉しいです。

金子岳憲コメント

言葉の多い「夜の道づれ」を立体化するのに皆で本当によく話し合いました。僕は去年から皆はもっと前から。当初はどうすればいいんだ?と途方に暮れていました。分からないんです。分からないから今日はここまでしか出来ないと正直に稽古場に通うのは最初は勇気がいりました。そこに皆の知恵や雑談混ぜ込んで少し前進したりまた分からなくなったり他の人の分からないも共有しながら今日まで来ました。派手に誤魔化したりせず、シンプルに人間が演じる舞台になったような気がします。公演中もこつこつ発見し話し合っていきたいです。

林田航平コメント

この4年間を通じて「夜の道づれ」の稽古場は、自分にとって演劇とはなんだろうということと、改めて向き合える場所になりました。

あーでもないこーでもないと、メンバーと話し合い稽古を重ねてきた今回の作品作りは、なにか皆で楽しめるお祭りを、一丸となって作っているような感覚です。

ご観劇くださる皆様と、夜の甲州街道を共に歩いていけるよう、最後までこつこつし続けたいと思います。

峰一作コメント

一人では到底太刀打ち出来ない事も、ひとりの問題とせず、皆と共有して作品づくりに取り組んできました。こつこつプロジェクトだからこそ出来た事だと思います。『夜の道づれ』のカンパニーの一員として舞台に立つという事は、数多くの助け合いを、積み重ねた結果だと思っています。手を取り合ってようやく初日まで辿り着けた事を奇跡の様に感じています。そしてお客様とも僕らの体験を共有できたら、それ以上の喜びはありません。

滝沢花野コメント

2021年からこつこつ積み重ねてきた「夜の道づれ」に、ついにお客様の視線や息づかいが加わったこと、なんだか胸がいっぱいになりました。

ある意味愚直なまでに真正面から「生きていくこと」に向き合ったこの戯曲は、戦争直後に書かれたものでありながら、今を生きる私たちにもそっと寄り添ってくれるような気がしています。

短い上演期間ではありますが、ぜひこの作品のいっときの道づれとして、いろいろなことを感じていただけたらうれしく思います。

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こつこつプロジェクト Studio公演「夜の道づれ」

2025年4月15日(火)〜20日(日)
東京都 新国立劇場 小劇場

スタッフ

作:三好十郎
演出:柳沼昭徳

出演

石橋徹郎 / 金子岳憲 / 林田航平 / 峰一作 / 滝沢花野

公演・舞台情報

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AkiTanaka ぷらっとphoToほーむ/BONBONFILM plaT-PHOTO-home @sorapsorap

#夜の道づれ

開幕おめでとう御座います

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