これは、小川絵梨子演劇芸術監督のもと、時間に追われない稽古の中で1年間をかけて試演を重ね、演出家と芸術監督、制作スタッフが協議を重ねて作品を育ていていくこつこつプロジェクトの、節目ごとに行われる試演会。これまでクローズドで行われていた試演を、今回はStudio公演と銘打ち公開する。
上演されるのは、2021年にスタートした第二期からの参加作品「夜の道づれ」で演出を烏丸ストロークロックの
上演に向けて柳沼は「この『夜の道づれ』が他の作品群のなかで異彩を放っているのは、台詞で語られる言語だけでなく、人が劇中ほとんどの時間を歩き続けている点にあります。歩くことで生じる体の変化と、連動して生じる心の変化を劇要素にすることで、身体を起点にあるカタルシスを得ようとする挑戦がなされています。歩く目的を『出離』と三好が表現するように、社会混乱のなか、迷いや不安を断つために世俗から離れ、真理に向かうこの物語ですが、いつの世であっても、七転八倒しながらも足を踏み出し続ける人間。その生き生きとした凄みを体感していただけると幸いです」とコメントした。
上演時間は約2時間。チケットの一般前売りは2月15日10:00にスタート。
柳沼昭徳コメント
敗戦を境に迎えた180度異なる新たな戦後日本の夜明け。人々が戦争の痛みを抱えながら、明日どうなるともわからないながら、復興する街を生きている。三好十郎は、このころの東京の街を歩きました。そこで見聞きしたことをありのままに取り上げたドキュメンタリーとして描いたのが本作です。ここでも多くの三好作品同様「いかに生きるか」という普遍的な問いと、孤独な人間同士が連帯することの絶望と希望が、三好節というべき言葉の質量で描かれています。
しかしこの「夜の道づれ」が他の作品群のなかで異彩を放っているのは、台詞で語られる言語だけでなく、人が劇中ほとんどの時間を歩き続けている点にあります。歩くことで生じる体の変化と、連動して生じる心の変化を劇要素にすることで、身体を起点にあるカタルシスを得ようとする挑戦がなされています。歩く目的を「出離」と三好が表現するように、社会混乱のなか、迷いや不安を断つために世俗から離れ、真理に向かうこの物語ですが、いつの世であっても、七転八倒しながらも足を踏み出し続ける人間。その生き生きとした凄みを体感していただけると幸いです。
こつこつプロジェクト Studio公演「夜の道づれ」
2025年4月15日(火)〜20日(日)
東京都 新国立劇場 小劇場
スタッフ
作:三好十郎
演出:
出演
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こつこつプロジェクト試演を披露、三好十郎「夜の道づれ」演出は柳沼昭徳(コメントあり)
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