「インサイド・ウィリアム」は2021年に韓国・ソウルで初演されたミュージカル。セリフの過半数がウィリアム・シェイクスピア戯曲からの引用となる本作では、世界的な名作の誕生を夢見る劇作家シェイクスピアと、彼が生み出したキャラクターたちの交流が描かれる。日本キャストによる今回の公演では、10人の出演者によるダブル・トリプルキャスト編成となり、全公演でキャストの組み合わせが異なる。日本版台本・演出を
合同取材会には、シェイクスピア役の平野と鍵本をはじめ、ロミオ役の
平野は「本作は韓国ミュージカルということで、映像配信や円盤化は行われません。キャストの組み合わせが毎回違うので1公演1公演が一期一会」と貴重さをかみ締め、「この劇場から出ると、お高いお皿や茶器が並んでいますが、それらに負けない価値のある作品にしたい」と、劇場が東京・日本橋三越本店の6階にあることにちなんで、熱意を表現した。
劇中ではロミオ、ジュリエット、ハムレットの3人が、彼らの生みの親であるシェイクスピアのコントロールから外れ、自我をもって自分というキャラクターを作り上げていく。鍵本は「他人の評価を気にしてやりたいことを表現できない今の時代に響く物語。“望むように生きていいんだよ”というメッセージがお客様に伝われば」と思いを語った。
Wキャストが初めてという橋本は「海外では同じキャスト同士がバチバチした雰囲気になると聞いていましたが、今回は1つの役をみんなで作り上げる素晴らしい空気の中で稽古ができた」と明かす。また、野嵜は「以前、祥平くんがメインキャストを務めていた舞台に出演させていただいたことがあるので、今回久々に同じ舞台に立てること、そして同じ役を演じられることが本当に光栄です」と姿勢を正し、「ロミオはジュリエットとタンゴを踊ったり、ジュリエットに“求愛ダンス”をしたりします。魂を込めてロミオを表現しています!」と役にかける思いをアピールした。
岩田は「1度の舞台に立つのは4人だけですが、10人が一丸となって作り上げてきた作品なので、みんなで千秋楽までバトンをつないでいけたら」と意気込み、舞羽は「4人のうち1人が変わるだけでも空気がガラッと変わる。そんな唯一無二のキャラクターたちがシェイクスピアを巻き込んで大暴れしているので、ぜひ何度でも楽しんで」と期待を込める。「楽曲がどれも素晴らしい」と言う吉宮は、ステージ上でのバンド生演奏を本作の魅力として挙げ、「(演奏の様子まで見てしまうと)目が何個あっても足りない(笑)」と瞳を輝かせた。
宮島は稽古を振り返り、「毎日稽古場に来る人が違うので、『今日は良さん』『今日は輝くん(鍵本)とお芝居ができる』と毎回楽しい気持ちで取り組めました」と笑顔を見せる。大澤は「三越劇場という歴史ある劇場がシェイクスピアの世界観とぴったり。2階席のバルコニーはまさにジュリエットがいそうな雰囲気」と声を弾ませた。磯野は「ハムレット役の3人で集まって話し合いながら役を作ってきました」と充実した様子で振り、「本番期間も数日おきに出演しない日があるので、最後まで新鮮な気持ちで駆け抜けられるはず」と述べた。
上演時間は約1時間45分。公演は3月23日まで。
ミュージカル「インサイド・ウィリアム」
2025年3月13日(木)〜23日(日)
東京都 三越劇場
スタッフ
韓国オリジナルスタッフ
作・作詞:キム・ハンソル
作曲・編曲:キム・チヨン
日本版スタッフ
日本版台本・演出:
日本語翻訳・訳詞:安田佑子
音楽監督:宮崎誠
出演
シェイクスピア:
ロミオ:
ジュリエット:
ハムレット:宮島優心(ORβIT) / 大澤駿弥(ORβIT) / 磯野亨
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平山トオル TORU HIRAYAMA @toru_hirayama05
「インサイド・ウィリアム」
たくさんの拍手とスタンディングオベーションの中、初日の幕がついに開きました。
思い返せば難曲づくしのこの作品。
日本人が苦手な3拍子が出てくる出てくる。
変拍子も、転調も、テンポや曲想、リズム、ビート変化もフェルマータも盛りだくさん。… https://t.co/i2tJBtFtI0 https://t.co/RBzEJ3Bf2e