東啓介・有澤樟太郎・甲斐翔真・松下優也、“実感湧いてきた”4人が「キンキーブーツ」への思い語る

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4月に開幕する「ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』」の合同取材会が、11月下旬に東京都内で行われ、出演者の東啓介有澤樟太郎甲斐翔真松下優也が現在の心境を語った。

左から東啓介、有澤樟太郎、甲斐翔真、松下優也。

左から東啓介、有澤樟太郎、甲斐翔真、松下優也。

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2005年公開の映画「キンキーブーツ」を、ハーヴェイ・ファイアスタインの脚本、シンディ・ローパーの作詞・音楽、ジェリー・ミッチェルの演出・振付でミュージカル化した本作。日本では2016年の初演以降、2019年、2022年と上演が重ねられてきた。劇中では、老舗の靴工場を継ぐことになったチャーリーが、周囲と衝突しながらもドラァグクイーンのローラと“キンキーブーツ”を作り、再起を図ろうとする姿が描かれる。2025年公演では、東と有澤がチャーリー役、甲斐と松下がローラ役をそれぞれWキャストで演じる。

ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」メインビジュアル

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4人は公演のプロモーションで顔を合わせるたびに、「出演への実感が湧く」と口をそろえる。甲斐は、「(出演者の露出に触れると)お客様も『キンキーブーツをやるんだ』という実感を持たれるのでは。作品ファンの方々の期待を裏切らず、はるか上を行けるように準備をしていきたい」と作品人気の高さにも言及した。

役作りについて問われると、松下は「ローラはキャラが立って見えるけど、人間だから、繊細さや大胆さ、ユーモアなどがある。そこに辻褄が合うように幅を作らなきゃいけないんです。身体の重心が左右どちらかに偏っているとクイックに動けないように、芝居でも“ローラはこういう人”だと決め込みすぎると、まったくの別人になってしまうので、自分なりの“本物のローラ”を見つけたい。今回、ローラを演じることで、新しい自分を発見できると思っています」と答える。

左から東啓介、有澤樟太郎、甲斐翔真、松下優也。

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一方、甲斐は役作りではいつも、その人物の「一番黒いところ」を探すという。「ローラは、自分の中に呼び起こしたくないものがあるからこそ、きらびやかな衣裳を着て、ステージに立ち、自分以外の何者かになる。ローラが明るく振る舞うようなシーンも大事ですが、もっと深いところにある答えを求めたい」と述べる。また、オーディションのオファーが来た際に「迷った」と言い、「自分の中に(ローラの要素が)なさすぎて、苦しい作業になると思ったんです。それに、日本初演の(三浦)春馬くんが衝撃的で、当時の日本のミュージカル界で良い意味で浮いていた。その姿を知っているからこそ、踏みとどまる自分がいました。でも、春馬くんも研究を重ねて、苦しみながらやっていただろうし、僕の倍音多めの歌声はローラに求められる声質に近いのではと思ったので、飛び込んでみることにしました」と振り返った。

また、前回公演を観たときに、終始「チャーリーと同じような気持ちで一喜一憂しちゃった」と笑う有澤は、当時の自身の心境が、「今回の目標」だそう。「チャーリーは葛藤したり、周りとぶつかったりもするけれど、共感できる要素はたくさんある。チャーリーの一挙手一投足が作品を左右すると考えると、とても演じがいがある役だし、芝居としてチャレンジしてみたいと思いました。ただ、カッコよく歌いながら気持ちを表現する技術も必要なので、お客さんに『もう!(そうじゃない)』と思われないように、4人での対話を楽しみながら作っていきたい」と意気込む。

ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」ビジュアル

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ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」ビジュアル

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役作りの一環として、Instagramで靴の作り方を研究しているという東は、「チャーリーの“定まってない感”を大事にしたい。悶々としていて、田舎者で世間知らずのチャーリーは、いろいろな人と関わるうちに自分自身が形成されていきます。大きな流れの中で彼が成長する姿は魅力的。稽古に入ってからの自分の変化をチャーリーに重ねて、ありのままを出せたら」と語り、歌唱面では「もともと『キンキーブーツ』の歌がすごく好きで、コンサートでも歌っていました。今は、パッションがある力強さも得ないといけないと感じているので、課題を見つけてチャレンジしていく日々を送っています」と語った。

先日、4人が劇中歌「NOT MY FATHER'S SON」を歌うMVが公開された。「NOT MY FATHER'S SON」は、ローラが自身の生い立ちを歌い、チャーリーがそれに共鳴するというナンバー。日本版アコースティックバージョンで披露されたMVについて松下は、「4人の良い部分を見せていく、という趣旨のMVだったのですが、『本番ではこれをほぼ1人で歌うのか……』という気持ちに(笑)。めちゃくちゃ芝居歌で、でもそこに行きつく日が来年には来るのかと思うと、大変だけど作りがいがありました」と回顧する。甲斐は日本上演版でチャーリーを演じてきた小池徹平に話を聞いたうえで撮影に臨めたことが「大きかった」と明かし、「何を話したかは秘密です」と微笑む。有澤は「あの場でしか生まれない何かを共有することができた」と手応えを述べ、東は「個性を出し合いながら曲を完成する、実りある時間でした。本番でチャーリーがこの曲をどう受け止めて参加していくのか。稽古が楽しみになりました」と期待を語った。

公演は4月27日から5月18日まで東京・東急シアターオーブ、26日から6月8日まで大阪・オリックス劇場にて。チケットの一般販売は、東京公演分が1月11日10:00、大阪公演分が2月15日10:00にスタート。

「NOT MY FATHER'S SON」MV

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ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」

2025年4月27日(日)〜5月18日(日)
東京都 東急シアターオーブ

2025年5月26日(月)〜6月8日(日)
大阪府 オリックス劇場

スタッフ

脚本:ハーヴェイ・ファイアスタイン
音楽・作詞:シンディ・ローパー
演出・振付:ジェリー・ミッチェル
日本版演出協力・上演台本:岸谷五朗
訳詞:森雪之丞

出演

CHARLIE PRICE(チャーリー・プライス):東啓介 / 有澤樟太郎
LOLA / SIMON(ローラ / サイモン):甲斐翔真 / 松下優也
LAUREN(ローレン):田村芽実 / 清水くるみ
NICOLA(ニコラ):熊谷彩春
DON(ドン):大山真志
GEORGE(ジョージ):ひのあらた
PAT(パット):飯野めぐみ
TRISH(トリッシュ):多岐川装子
HARRY(ハリー):中谷優心
ANGELS(エンジェルス):穴沢裕介 / 佐久間雄生 / シュート・チェン / 大音智海 / 工藤広夢 / 轟晃遙
ANGELS / SWING(エンジェルス / スウィング):本田大河 / 長澤仙明
SIMON.SR(サイモンシニア):藤浦功一
MR.PRICE(ミスタープライス):石川剛
RICHARDBAILEY(リチャード・ベイリー):聖司朗
MARGE(マージ):舩山智香子
MAGGIE(マギー):伊藤かの子
GEMMALOUISE(ジェンマ・ルイーズ):熊澤沙穂
HOOCH(フーチ):竹廣隼人
MUTT(マット):趙京來
YOUNG CHARLIE(ヤングチャーリー):奥田奏太 / 星駿成 / 村山董絃
YOUNG LOLA(ヤングローラ):古澤利音 / 見﨑歩誠 / 髙橋維束
SWING:上條駿 / 加藤文華

公演・舞台情報
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