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2021年に始動したドラマ&舞台連動シリーズ「あいつが上手で下手が僕で」は、お笑い界で売れることを目指して奮闘する芸人たちを描く青春群像劇。シーズン3を締めくくる今作では、国内最大級の漫才大会“38(サンパチ)ファンタジスタ”、通称パチファンの準決勝を巡る、3つのコンビの姿が描かれる。
時浦可偉(
今作では、個々の生い立ちや家族関係にまつわる問題が物語を大きく動かし、その中で家族愛や、コンビ愛が深まる様が描かれる。荒牧は島にすぐヤキモチをやく時浦役を情熱的に、和田雅成はそんな時浦をいなす島役をクールに演じ、熟年カップルのようなテンポの良い会話で客席を和ませる。エクソダスの物語に深く関わる、島世紀の父親・島日紀を演じるのは本多新也。荒牧扮する時浦と本多扮する島日紀が、島世紀の腕を引っ張り合い、奪い合おうとするコミカルなシーンでは観客の笑いを誘うが、島世紀が行方不明になったシーンではそれぞれ相方と息子を思う気持ちで結託し、観客を温かな人間ドラマへ引き込んだ。
ラストワルツは、エクソダスとロングリードより年上の安定感のあるコンビ。和田琢磨は、後輩たちから慕われる岬役を時にスマートに、時に滑稽に演じ、染谷は、明るさの塊のような高砂役をはつらつと立ち上げる。かつて父親に言われた「お笑いは役に立たない」という言葉に囚われていた岬が、高砂が無意識に発した「楽しませることで、観客の役に立てた」という発言を聞いて乗り越える場面では、岬と高砂の相性の良さを再確認できる。
ロングリードは、橋本扮する湾野がネタを考え、田中扮する犬飼が彼を全肯定するいびつな関係性だったが、今作では本音をぶつけ合い、対等な間柄に変化する。湾野へ本音を訴える犬飼役の田中の真剣なまなざしと、悩みを1人で抱え込みがちだった湾野役の橋本に徐々に笑顔が増えていく様が印象的だ。なお芝居パート後には、恒例のライブパートが展開。キャストたちが歌とダンス、客降りで会場を盛り上げた。
ゲネプロ前の囲み取材には、メインキャスト6人が参加。荒牧は「カミシモシリーズ最高傑作です。今までテレビドラマを3作、舞台を3作やってきて、舞台はこれが4作目。どの作品も笑いに包まれた作品になったので、今作もたくさんの方に笑っていただけるのでは。我々もカミシモという作品の楽しさを噛みしめながら板の上に立ち、皆さんに最大の幸福をお届けしたい」と語る。和田雅成は「今回は特に、家族愛が濃く描かれています。最近、世の中から愛がすごく少なくなっていると思うので、愛を持って観に来ていただき、僕たちも愛でお返しできればなと思います」とコメント。
和田琢磨は「カミシモシリーズはテレビドラマ・舞台連動で、漫才、歌、踊りと幅広いエンタメを取り扱う非常に珍しい作品。これからカミシモを知るという方にも楽しんでいただけるよう、精一杯がんばります」と意気込み、染谷は「何も考えずに楽しめると思うので、ぜひ明るい気持ちになっていただけたらと思います」と観客へメッセージを送る。
橋本は「3年経ってもいまだにサンパチマイクの前に立つと緊張しますし、すごくドキドキしながら初日を迎えるんだろうなと思います。今まで積み上げてきたものを信じて、僕らなりのお笑いを突き通したいと思います。ぜひ応援よろしくお願いします」と呼びかけ、田中は「僕自身もやっていてすごく楽しい作品で、笑いをこらえながらやっている部分もあるので、皆さんにもその場面で笑っていただけるのかなと。漫才のシーンはぜひ構えずに、リラックスしてたくさん笑っていただければなと思います」と期待を込めた。
上演時間は休憩なしの約2時間20分。東京公演は11月21日まで。その後、本作は28日から12月1日まで大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。
舞台「あいつが上手で下手が僕で」-人生芸夢篇-
2024年11月15日(金)~2024年11月21日(木)
東京都 日本青年館ホール
2024年11月28日(木)~2024年12月1日(日)
大阪府 森ノ宮ピロティホール
スタッフ
企画:橋本和明
脚本:左子光晴
演出:
出演
エクソダス
ラストワルツ
ロングリード
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