中村獅童、巡業公演「松竹特別歌舞伎」に「『超歌舞伎』の座組で古典舞踊の巡業を」と思い語る

令和6年度（公社）全国公立文化施設協会主催「松竹特別歌舞伎」の取材会が、昨日5月22日に東京都内で行われた。

これは、中村獅童を中心にした巡業公演。本公演の上演演目には、獅童が歌舞伎初心者の疑問に答えたり、歌舞伎俳優が舞台に出るまでを紹介したりと、歌舞伎の魅力を説明する「中村獅童のHOW TO かぶき」、名古屋山三を澤村國矢、不破伴左衛門を中村獅一、留女を中村蝶紫が勤める「鞘當」、中村種之助による「供奴」、獅童が武蔵坊弁慶、小川陽喜が牛若丸に扮する「橋弁慶」が並んだ。

取材会には獅童が出席。集まった報道陣に対し「（息子の）陽喜がいることを期待して、テレビの方たちも来てくださったかと思うのですが……ごめんなさい、今日は僕だけです（笑）」と話し、会場を笑いで包む。記者からキャスティングについての質問が飛ぶと、「いつも、新作の『超歌舞伎』で一緒にやっている座組で、新作ではなく古典舞踊の巡業をできないか、ということを（松竹に）相談させていただきました」と言葉に力を込める。

巡業公演で、獅童が陽喜と共演するのは今回が初。獅童は、親子で共演する「橋弁慶」の上演の経緯について、「この巡業の話が決まる前から、陽喜は藤間勘十郎先生のところで『橋弁慶』を稽古していました。稽古を重ねるうちに、陽喜にとって大好きな踊りになったので、ではこのまま巡業の演目にしたらどうかと」と語る。なお陽喜は、6月に東京・歌舞伎座で行われる「六月大歌舞伎」で、初代中村陽喜として初舞台を踏む。獅童は、巡業がそのあとすぐにスタートすることに触れ、「6歳児にしてはハードスケジュール。一応、陽喜には全部説明したのですが、彼はとにかく舞台に出ることが大好きなので、『やる』と言いました」と明かした。「あまり期待しすぎると、親のエゴになってしまいます。とにかく、勘十郎先生に教わった通り、のびのびとやってもらえれば……と思いつつ、ついつい口出ししてしまいます（笑）」と陽喜への思いを述べた。

公演は、6月30日の東京・北とぴあ さくらホール公演を皮切りに、7月31日まで全国で行われる。