
テンミニ!10分でハマる舞台
佐藤アツヒロがピースフルに立ち上げる!松本幸大・今江大地ら出演の絵本朗読LIVE「ビロードのうさぎ~ペールトーン~」
フェスのように楽しめる舞台に
2025年7月9日 12:00 PR絵本朗読LIVE「ビロードのうさぎ~ペールトーン~」
取材・
ただ読むだけではない、絵本朗読LIVEに感じた手応え
今年2月に上演されたPEaCE PROJECTの第1弾、絵本朗読LIVE「ビロードのうさぎ~モノクローム~」では、白と黒を基調にしたステージで俳優の様子がリアルタイムでスクリーンに投影され、生演奏に乗せて朗読が展開した。佐藤アツヒロは、PEaCE PROJECTの立ち上げに朗読劇を選んだ理由を、「朗読劇には“これ”というような確立されたスタイルがなく、自分なりに楽しい朗読劇が作れるのではと。お母さんが子供にするように、絵本の読み聞かせは僕らが人生で最初に触れるエンタメ。そこに役者が本気で挑んだらどうなるのか試したかった」と振り返る。“ただ読むだけではない”絵本朗読LIVEの第1弾は、観客や佐藤の舞台仲間からの評判も良く、佐藤は「舞台は作り手にとって本当に過酷な現場ですが、その中にも楽しさや高揚感があり、それらが舞台上に見えてくる作品に、僕自身何度も出会ってきました。良い雰囲気でモノ作りができた実感があったので、それを感じ取っていただけたのが良かったのかな」と少し照れた様子を見せた。
物語はとある年のクリスマスから始まる。プレゼントにビロードでできたうさぎのぬいぐるみをもらった少年は、お気に入りのおもちゃとして大切に扱っていた。うさぎは、同じくおもちゃのボートさんや木馬さんの話を聞きながら、“本物”になりたいと願うようになる。そんなとき、少年は伝染病に罹ってしまい……。今回は少年を松本幸大、うさぎを今江大地が演じる。
朗読劇は作り手の思いを“より濃く”伝える舞台
「5years after」「命のバトン」など、朗読劇への出演が続く松本は、朗読劇についての思いをこう語った。「台本のセリフを“自分の言葉”にして落とし込む舞台作品とは違い、台本を手にしながら書いてある通りにセリフを読む朗読劇に、実はプレッシャーを感じることもあるんです。でも、その一方で、だからこそ脚本家の思いや演出家の意図を、より濃く伝えなくてはいけないんだなと感じます」。さらに、「朗読劇は声だけで表現するので、芝居力・経験値においてすごく成長させてもらっています」と言葉に力を込めた。
今江は近年、コメディやヒューマンドラマなど、多彩な舞台作品に出演しており、「ブラックジャックによろしく」、30-DELUX Special Theater 2025「デスティニー -アドラメレクの鏡-」では佐藤と共演した。俳優としての佐藤の姿を間近で見てきた今江は、「アツヒロくんは信頼できる先輩。僕は人見知りなので、新しい現場では『自分を知ってもらうことから始めなきゃ』と焦ってしまうのですが、アツヒロくんはすでに僕の“生かし方”を熟知してくださっている(笑)。ありのままで稽古に没頭できるのがうれしい」と目尻を下げた。
真面目な少年と一番優しいうさぎ
絵本朗読LIVE「ビロードのうさぎ~ペールトーン~」には各回6名、総勢20名のキャストが回替わりで出演する。佐藤、松本、今江のほか、声優の蒼井翔太や若手俳優の阿部快征など、多ジャンルで活躍する顔ぶれがそろう。佐藤は「声色を作るのがうまい声優、身体から魅力的なエネルギーを発する役者、それぞれがベストの表現で役を作り出そうとしてくれています。演出家は彼らの感情や動きの交通整理をするだけ。自由にやってもらえたら、その場から生まれた“呼吸”を舞台に乗せられるまでの作品になるんじゃないかな」と自信をのぞかせる。
風通しの良さそうな稽古場で、松本は「演出も含め、“絵本朗読LIVE”という冠がピッタリな“新しい朗読劇の形”を感じている」と言う。また、自身が演じる、素直で気まぐれな少年役について「自分も昔はこんなことを言っていたなあと思う、“ザ・少年”の役です(笑)。高崎翔太くん、木村聖哉くん、米内佑希くん、ランズベリー・アーサーくんと、演じる人によって役の雰囲気が違うだろうし、本番で初めて声を合わせる人もいるので、常に初々しい気持ちを大切に演じられたら」と説明した。
一方、主演舞台が終わったばかりで、稽古に加わって日が浅い今江は、「うさぎって初めは何もわからない状態で少年の元にやって来るんです。少年やボートさん、木馬さんなどと関わっていく中で、うさぎも成長していく。セリフにも疑問形が多く、“みんなに教えてもらう”立ち位置なので、演技プランを固めずに作っていきたい」と構想を明かした。佐藤が「うさぎは受けの芝居だから、大地の考え方は理にかなっている。今日、大地の芝居を観ていて、5人のうさぎの中で一番優しいうさぎになると思った」とコメントすると、今江はうれしそうな表情を浮かべた。さらに佐藤は、稽古場での松本の様子についても言及。「幸大は本当に真面目。それでいて稽古を心から楽しんでくれている様子が伝わってくる」と評すると、松本は無言で大きくうなずくことで佐藤の言葉を肯定し、2人から笑顔を引き出した。
松本と今江に演出家・佐藤の姿を聞くと、本作で「PLAYZONE'12 SONG & DANC'N。PARTII。」(編集注:「PLAYZONE」は1986年に初演されたオリジナルミュージカルで、2015年まで上演された)以来、佐藤と13年ぶりの共演を果たす松本は、「『PLAYZONE』はファミリーの団結感がありましたが、今回はアツヒロくんが作り出す、また違う温かさがある。どこまでも優しく頼もしい兄貴」と答え、今江も「アツヒロくんは演出面でもズバッと導いてくれる」と続けた。
第2弾にして20名の大所帯で公演を行うことになったPEaCE PROJECT。佐藤は「いろいろな方が参加するフェスのように、役に扮してお芝居をする世界観での“お祭り”のような舞台があっても良いはず。その日限りのライブ(LIVE)な演劇を観に来てほしいです」と語る。また、PEaCE PROJECTの今後について佐藤は、「僕自身、緊張することが大嫌いで、とにかく“楽しい場”を作りたいんですよ(笑)。幸大が言った『PLAYZONE』は、好きなことをして楽しむ“子供の遊び場”のようなものでしたが、その延長線上にあるのがこの企画。ストレートプレイやミュージカルに挑戦しても良いし、俳優がそれぞれの実力を出し切れる、楽しい場所で作った舞台を、お客さんにも存分に楽しんでほしいですね」とアピールした。
絵本朗読LIVE「ビロードのうさぎ~ペールトーン~」
2025年7月9日(水)〜21日(月・祝)
東京都 CBGKシブゲキ!!
スタッフ
原作:マージェリィ・W・ビアンコ「ビロードのうさぎ」
脚本:白川ユキ
演出:佐藤アツヒロ
出演
松本幸大 / 今江大地 / 蒼井翔太 / 阿部快征 / 木村聖哉 / 小松昌平 / 下元大夢 / 鈴木千佳子 / 関隼汰 / 関山美沙紀 / 髙木俊 / 高崎翔太 / テジュ / 輝馬 / 柊太朗 / 中村太郎 / 比留間俊哉 / 米内佑希 / ランズベリー・アーサー / 佐藤アツヒロ
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