三浦透子・屋比久知奈らの歌声と共に「VIOLET」始動、藤田俊太郎「最後に光や未来を」

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藤田俊太郎が演出を手がける「ミュージカル『VIOLET』」の制作発表記者会見が、本日3月8日に東京・I'M A SHOWで行われた。

ミュージカル「VIOLET」制作発表記者会見の様子。

ミュージカル「VIOLET」制作発表記者会見の様子。

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「VIOLET」は、梅田芸術劇場とイギリス・ロンドンのチャリングクロス劇場による共同プロデュース企画第1弾として、2019年にイギリス、2020年に日本で上演されたミュージカル。幼い頃、父親による不慮の事故で顔に大きな傷を負ったヴァイオレットは、25歳の今まで人目を避けて暮らしていた。しかしあるときヴァイオレットは、あらゆる傷を癒す奇跡のテレビ伝道師に会うことを決意。そして彼女は長距離バスで、西へ1500kmの旅を始め……。

左から屋比久知奈、三浦透子。

左から屋比久知奈、三浦透子。[拡大]

報道陣と、梅田芸術劇場ネット会員から抽選で選ばれたオーディエンスが見守る中、会見はキャストたちによる劇中歌「マイ・ウェイ」の歌唱披露でスタート。ヴァイオレット役の三浦透子屋比久知奈に続いて出演者たちが登場すると、声を合わせて美しいハーモニーを響かせた。

ミュージカル「VIOLET」制作発表記者会見の様子。

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その後舞台に改めてキャストと演出の藤田が登壇。三浦は「ヴァイオレットはいろいろな方法で自分の心を守って生きてきた。彼女の心が新たな出会いによって柔らかくなっていく瞬間を舞台で作れたら」と言い、音楽監督・ピアノコンダクターの江草啓太から音楽の解説を受けたことに触れ、「1つひとつの音、メロディに意味がある。ヴァイオレットの感情変化のヒントが楽譜にあるので、丁寧に歌いたい」と意気込む。

屋比久はヴァイオレット像について「すごく苦しんでいて、ピュアだけど同時に世界を斜めに見てもいる人。舞台上でのやり取りを大切にしながら、彼女のキャラクターを探していきたい」と話し、「この作品の音楽には、最初の一音を聴くだけでその場所に連れて行ってくれるような素敵な曲がたくさんある。一音一音を大切に伝えたい」と真摯に語った。

東啓介

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立石俊樹

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黒人兵士フリック役の東啓介は「フリックの懐の深さや、彼が受けている差別を演技からにじませたい。新しい『VIOLET』を届けられるのが楽しみ。音楽と僕らの肉声を聞いてほしい」と観客に呼びかける。白人兵士モンティ役の立石俊樹は「モンティは一見、立ち居振る舞いに品がないけど、稽古を通じて彼の行動の理由や精神的な成長に迫りたい」と抱負を述べた。

sara

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若林星弥

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森山大輔(奥)

森山大輔(奥)[拡大]

saraは「『VIOLET』はお客様と一緒に作っていく作品。毎公演、新しい価値観に出会いながら公演期間を過ごせたら」と期待をのぞかせ、若林は「ヴァイオレットに影響を与える存在として役を深めたい」、森山は「本当に仲の良いカンパニーで楽しい。1960年代のアメリカ南部の空気を表現できれば」と顔を輝かせる。

谷口ゆうな(奥)

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樹里咲穂

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谷口ゆうなは、藤田がヴァイオレットと同じバスの旅をして撮影した写真を見たことを挙げて、「『ヴァイオレットはこういう場所で暮らしていたかも』という気付きがありました。藤田さんの写真を見てキャストそれぞれが感じたことを舞台に反映できたら」と語る。また樹里咲穂は「多くのキャラクターを演じ分けるキャストもいるので『こんな少人数でやってたの!?』とお客様に思ってもらえたらうれしい」と笑顔を浮かべた。

“伝道師”さながらのポーズでオーディエンスを笑わせる原田優一。手前右は、原田のポーズをまねする屋比久知奈。

“伝道師”さながらのポーズでオーディエンスを笑わせる原田優一。手前右は、原田のポーズをまねする屋比久知奈。[拡大]

2020年公演にキャスティングされていた原田優一は、新型コロナウイルスの影響で公演スケジュールが変更され、出演がかなわなかった。これに触れて原田は「改めて伝道師を演じるためにいろいろ“吸収”した結果、身体がサイズアップしたので衣裳を新調してもらって……公演前から予算を使わせてしまった」と笑いを誘い、「シンプルなテーマの積み重ねでできている作品だと思います。1つひとつのシーンを解き明かして自分なりに演じたい」と思いを口にした。

spi

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「みんなのパパになりたい、spiです!」とあいさつした父親役のspiは「ヴァイオレットの父親は、ポーカーが強い“一般男性”。あと歌がめちゃくちゃうまい(笑)」と報道陣を和ませ、上演に向け「大感動、間違いなしです」と自信をのぞかせた。

生田志守葉(左から2番目)、嘉村咲良(右から2番目)、水谷優月(右端)を見守る、立石俊樹(左端)ら大人キャストたち。

生田志守葉(左から2番目)、嘉村咲良(右から2番目)、水谷優月(右端)を見守る、立石俊樹(左端)ら大人キャストたち。[拡大]

ヤングヴァイオレット役の生田志守葉は「素敵な旅ができるよう、皆さんぜひ劇場に来てください」とコメント。同役の嘉村咲良は「ヴァイオレットは私が持っていない複雑な感情を抱えていて、大変だけど稽古をがんばるので観に来てくれたらうれしい」、同役の水谷優月は「みんなに『もう1回観たい』と思ってもらえるよう、セリフの1つひとつの意味を考えてやっていきたい」と話した。

藤田俊太郎

藤田俊太郎[拡大]

ミュージカル「VIOLET」歌唱披露の様子。

ミュージカル「VIOLET」歌唱披露の様子。[拡大]

藤田は「前回公演との最大の違いはオンステージシートがあること。お客様も一緒にバスの“乗客”になって旅してほしい」とコメント。藤田はヴァイオレット役の2人の印象を「三浦さんのヴァイオレットは心の中に強い信念と明るさを持っている。屋比久さんは、全身にパワーをみなぎらせたパッションあふれるヴァイオレット」と語り、「人と人が交流して温かさが生まれる瞬間、心の傷が消える。この作品ではそんな瞬間を重ねることで、最後にお客様と一緒に優しい光や未来を見たい」と言葉に力を込めた。

公演は4月7日から21日まで東京・東京芸術劇場 プレイハウス、27日から29日まで大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで行われる。

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ミュージカル「VIOLET」

2024年4月7日(日)~2024年4月21日(日) ※公演終了
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス

2024年4月27日(土)~2024年4月29日(月) ※公演終了
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

スタッフ

音楽:ジニーン・テソーリ
脚本・歌詞:ブライアン・クロウリー
原作:ドリス・ベッツ「The Ugliest Pilgrim」
演出:藤田俊太郎

出演

ヴァイオレット:三浦透子 / 屋比久知奈
フリック:東啓介
モンティ:立石俊樹
ミュージックホール・ シンガー:sara
ヴァージル:若林星弥
リロイ:森山大輔
ルーラ:谷口ゆうな
老婦人:樹里咲穂
伝道師:原田優一
父親:spi
ヤングヴァイオレット:生田志守葉 / 嘉村咲良 / 水谷優月

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※初出時、キャプションに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

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「ミュージカル『VIOLET』」の制作発表記者会見
「モンティは一見、立ち居振る舞いに品がないけど、稽古を通じて彼の行動の理由や精神的な成長に迫りたい」

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