“1つの言葉から音楽が誕生する喜び”描く、「ISSA in Paris」で海宝直人・岡宮来夢ら歌唱披露

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海宝直人岡宮来夢らが出演するミュージカル「ISSA in Paris」の制作発表会見が、本日11月20日に東京都内で行われた。会見には、出演する海宝、岡宮、潤花豊原江理佳、演出の藤田俊太郎が登壇。それぞれに、現在の心境を語った。

ミュージカル「ISSA in Paris」制作発表会見より。左から長野県マスコットキャラクター・アルクマ、藤田俊太郎、潤花、海宝直人、岡宮来夢、豊原江理佳、信濃町PRキャラクター・一茶さん。

ミュージカル「ISSA in Paris」制作発表会見より。左から長野県マスコットキャラクター・アルクマ、藤田俊太郎、潤花、海宝直人、岡宮来夢、豊原江理佳、信濃町PRキャラクター・一茶さん。

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「ISSA in Paris」は、モーリー・イェストンが原案・作詞・作曲、高橋知伽江が脚本・訳詞を手がけ、藤田の演出により立ち上げられる新作。劇中では、俳人・小林一茶の若き日の“知られざる10年”が、現代の東京で“ISSA”というアーティスト名で活動しているシンガーソングライター・海人の、時空を超えた旅を通して描かれる。会見では、一茶の句「露の世は 露の世ながら さりながら」からインスピレーションを得た「露の世は」を岡宮がパフォーマンスし、海宝、岡宮、潤、豊原が「俳句」を、海宝がソロ曲「一つの言葉」を生演奏に乗せて披露。一足先に作品世界の雰囲気が伝えられた。

ミュージカル「ISSA in Paris」制作発表会見より、歌唱披露での海宝直人(左)、岡宮来夢。

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ミュージカル「ISSA in Paris」制作発表会見より、歌唱披露の様子。

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原案を担ったイェストンは、“俳句をミュージカルにする”という構想を20年以上持っていたという。そこから藤田をはじめ、クリエイターたちがアイデアを持ち寄り、1本のストーリーに仕立てた。作中では、作曲にスランプ中の、俳句の研究一家生まれの海人が、志半ばに亡くなった母親を追ってフランス・パリに行き、誰も知らなかった一茶像とその俳句の意味を知る様子が紡がれる。藤田は「この作品は、“1つの言葉から音楽が誕生する喜び”を描いた作品です。小林一茶さんの俳句には、“小さいもの”への繊細な眼差しと、大胆に世界を捉える視点があり、そこに共振しています。小林一茶さんが持つ大胆さをどのような演出で見せるかというのが私の仕事ですが、ファンタジーとなる本作で、ユーモアにあふれる世界観を、人間の力を駆使して描きたい。時空を超える瞬間は大胆な演出で、繊細さは俳優の皆さんの演技で作り出していきたいと思っています」と演出の構想を述べた。

藤田俊太郎

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海人役の海宝は、「物語の冒頭で海人は、ヒット曲を書けずに悩みますが、その裏には家族に対する葛藤や苦しい思いを抱えていて、その中で、自分自身と向き合おうとします。そんな海人は、母親を通して小林一茶に出会い、気付きや成長を得る。誰もが共感できるような人間らしいキャラクターなので、ぜひ、皆さんもそれぞれの人生を重ねて観ていただきたいです」と役について説明した。また、パフォーマンスを振り返り、「制作発表での歌唱披露システムは恐ろしいです。責任重大ですから」と微笑みつつ、「この物語では時代も場所も変わるので、楽曲の幅の広さを感じました。日本的なメロディラインもあれば、現代人の海人が書いたモダンな楽曲、“これぞ”なモーリーさんのクラシカルな楽曲もある。楽しく聴いていただけるはず」と楽曲について述べた。

海宝直人

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岡宮は、演じる小林一茶と同じ、長野県出身。「信州人の小林一茶さんを演じられることの喜びをかみ締めながら稽古をがんばり、大千秋楽まで駆け抜けたい」と早くも気合い十分。さらに、「“一茶がパリに行っていた”というファンタジーな構想が自分自身も楽しみ。これまでたくさんの方が小林一茶を演じてきましたが、弱いものや貧しいものに視点を当てつつ、海や山などのスケールが大きいものにもフォーカスし、それを17文字で表現する。そんな一茶を演じるにあたり、1つひとつに心を動かして、優しくも情熱的な人物を演じられたら」と瞳を輝かせた。

岡宮来夢

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潤は、自身が演じるパリの現地ガイドの女性ルイーズについて、「海人に新しい世界を見せる人」と表現。「フランス人の父と日本人の母を持ち、日系人としてパリに住む彼女は、いろいろな痛みを経験しているからこそ、弱く、声を上げられない人に対しての愛情の注ぎ方に長けています。最初から海人の心にずかずかと入っていくのですが、その裏には、海人の母親との出会いや小林一茶に対する思いがあり、彼女もまた“真実”を追い求めたいという気持ちが強くなっている。その過程を丁寧に描けてこそ、海人に新しい世界を見せることができるのではないかなと思っています」と役への思いを語った。

潤花

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「俳句の世界に飛び込んだことがなく、わからないこともたくさんありますが、すでに始まっているお稽古で、モーリー・イェストンさんの音楽と小林一茶さんの俳句の世界が美しく融合しているのを感じています」と言う豊原は、弥太郎(小林一茶の本名)がパリで出会う女性テレーズに扮する。「舞台女優として活躍する傍ら、革命運動に身を投じている女性です。今までフランス革命を題材にした作品が多く上演されてきましたが、藤田さんから『見たことがないような、新しい女性のリーダー像を作りたい』とご提案いただいて。自分の中にある正義感や、どういうときに自分が“声を上げなきゃ”と感じるかというところから、役と照らし合わせていけたらと思います」と語った。

豊原江理佳

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最後に、締めの言葉を求められた藤田は、「露の世は……」の句を例にとり、「この句は、一茶さんが亡くした子供を思って作った俳句ですが、死を悲しむ、慈しむだけではなく、そこからの再生を願った尊い瞬間のことを詠っているのだと思います。私たちが作る舞台作品も同じように儚く、お客様と共鳴する時間は消えてしまうものかもしれませんが、心の中には残り続けるはず。ぜひ、作品を楽しみにしていただいて、劇場でお会いしましょう」と呼びかけて、場を締めくくった。なお、制作発表会見には長野県マスコットキャラクター・アルクマと、信濃町PRキャラクター・一茶さんがスペシャルゲストとして登場。登壇者らと和やかに写真撮影を行った。

ミュージカル「ISSA in Paris」制作発表会見より、登場でお辞儀をするアルクマ(写真右)。

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ミュージカル「ISSA in Paris」は来年1月から2月にかけて、東京・日生劇場、大阪・梅田芸術劇場 メインホール、愛知・御園座で上演される。

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ミュージカル「ISSA in Paris」

開催日程・会場

2026年1月10日(土)〜30日(金)
東京都 日生劇場

2026年2月7日(土)〜15日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

2026年2月21日(土)〜25日(水)
愛知県 御園座

スタッフ

原案・作詞・作曲:モーリー・イェストン
脚本・訳詞:高橋知伽江
演出:藤田俊太郎

出演

海宝直人 / 岡宮来夢 / 潤花 / 豊原江理佳 / 中河内雅貴(Wキャスト) / 染谷洸太(Wキャスト) / 彩吹真央(Wキャスト) / 藤咲みどり(Wキャスト) / 内田未来 / 阿部裕 / 森山大輔 / 塚本直 / 井上真由子 / 岡田治己 / 尾関晃輔 / 加藤翔多郎 / 黒川賢也 / 木暮真一郎 / 斎藤准一郎 / 渋谷茉樹 / 島田隆誠 / 根岸みゆ / 般若愛実 / 引間文香 / 深瀬友梨 / 古川隼大 / 武者真由 / 森加織 / 森田有希(オンステージスウィング) / 中井理人(トリプルキャスト) / 星駿成(トリプルキャスト) / 見﨑歩誠(トリプルキャスト)

公演・舞台情報

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アムール・タカラヅカ @AMOUR_TKRZKA

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