手を取り合うことで大きなエネルギーが、劇団青年座が韓国戯曲に挑む「黄色い封筒」開幕

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劇団青年座「黄色い封筒」が、昨日7月5日に東京・吉祥寺シアターで開幕した。

劇団青年座 第252回公演「黄色い封筒」より。(撮影:坂本正郁)

劇団青年座 第252回公演「黄色い封筒」より。(撮影:坂本正郁)

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劇団青年座 第252回公演「黄色い封筒」より。(撮影:坂本正郁)

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イ・ヤング(李羊九)の戯曲を、石川樹里の翻訳・ドラマトゥルク、須藤黄英の演出で立ち上げる本作は、劇団青年座が本公演として初めて取り組む韓国現代戯曲。日本で2019年に「韓国現代戯曲ドラマリーディングIX」で紹介された作品を、石川と須藤がブラッシュアップして上演する。

劇団青年座 第252回公演「黄色い封筒」より。(撮影:坂本正郁)

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劇中では、韓国で実際に起きた自動車メーカーのストライキと、労働者組合への損害賠償請求に心を痛めた主婦の行動から始まった市民団体ソンチャッコの“黄色い封筒プロジェクト”をもとにした物語が展開。同僚への不信感が募る様や人間関係の破綻が描かれるほか、2014年に起きたセウォル号沈没事件の要素も取り入れられる。

劇団青年座 第252回公演「黄色い封筒」より。(撮影:坂本正郁)

劇団青年座 第252回公演「黄色い封筒」より。(撮影:坂本正郁)[拡大]

須藤は「一人で台本を背負っていた孤独な時間は、俳優スタッフと意見を出しあい、信頼を積み重ねることでいつしか連帯感がうまれ、それは戯曲の追体験をしているようでもありました。そして、労働者の現状を広く知らせるという目的で書かれたこの作品が、決して韓国だけの話ではないということを、演者、お客さまと共有する場面があります。一人一人の力は小さくても、手を取りあうことによって、とてつもなく大きなエネルギーが生まれるということを劇場という場で体感して頂けるのではないでしょうか」とコメントした。

上演時間は1時間50分を予定。公演は7月10日まで行われる。なお9日公演ではアフタートークが開催され、イ・ヤング、石川、須藤、市民団体ソンチャッコ活動家のユン・ジソンが登壇する。

須藤黄英コメント

本日、開幕しました!

最後まで集中して、そして温かく見届けてくださったお客さまに感謝いたします。

会社から切り捨てられた労働者と、セウォル号沈没という大惨事がもたらした痛み、この重い事実とどのように向きあうか、それが稽古のスタートでした。

一人で台本を背負っていた孤独な時間は、俳優スタッフと意見を出しあい、信頼を積み重ねることでいつしか連帯感がうまれ、それは戯曲の追体験をしているようでもありました。

そして、労働者の現状を広く知らせるという目的で書かれたこの作品が、決して韓国だけの話ではないということを、演者、お客さまと共有する場面があります。

一人一人の力は小さくても、手を取りあうことによって、とてつもなく大きなエネルギーが生まれるということを劇場という場で体感して頂けるのではないでしょうか。

吉祥寺シアターでお待ちしております!

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劇団青年座 第252回公演「黄色い封筒」

2023年7月5日(水)~10日(月)
東京都 吉祥寺シアター

作:イ・ヤング(李羊九)
翻訳・ドラマトゥルク:石川樹里
演出:須藤黄英

キャスト

ビョンノ:久留飛雄己
ジホ:小豆畑雅一
アジン:世奈
ヨンヒ:小林さやか
ガンホ:賀久泰嗣
スビン:酒井美来
イ・ゴ:綱島郷太郎

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読者の反応

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嶋田翔平 shimashow* @shoheishimada

自劇団の海外戯曲の一番好きが更新されました。マジ、いい。観て欲しい。たまに言葉で表せない舞台に会いますが、それは勿論自分の好みとも合ってのことですが、それでした。ひりひりした。完売日もありますがチケット言ってくれたら取ります。または劇団に直接でも。ぜひ。
#黄色い封筒🎗 #青年座 https://t.co/yeSIyvX8LA

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