倉田翠とワーカーが立ち上げる「今ここから」再演が開幕

「今ここから、あなたのことが見える / 見えない」が昨日11月23日に東京・東京国際フォーラム ホールD7にて開幕した。

これは大手町・丸の内・有楽町エリアで働くワーカーが出会い、彼らのコミュニケーションを通して立ち上げる舞台。今年5月に30名以上のワーカーにインタビューと公募が行われたのち、11人のワーカーにより初演され、今回が再演となる。

開幕に際し倉田は「今ここに生きていることを、ここまで生きてきたことを、ただひたすらに肯定したい。たまたま出会うことができた出演者たちに、心より感謝しています」とコメントした。公演は明日11月25日まで。

倉田翠コメント

舞台には、舞台にはというか私には、何か大きな事を動かす力やたくさんのお金を生み出す力はないのです。

宇宙から地球を撮影しているカメラみたいなやつで、地球、日本、東京、このエリア、どでかいビル、何階の、このデスク、に座っているあなた、と、どんどんズームしていって、一番小さなところまで降りていったら、やっと私も関われるんじゃないか、と思える。

ただ、あなたと関わろうとする時、いつも怖い。こんなに近くにいるのに、何も知らない。あなたに足を踏み入れた瞬間に、カメラが逆回しされて、ザーッと遠のいて行くような感覚がある。

かと思えば、そんなあなたの中に「これは私だ」と思える瞬間がやって来る。その瞬間、私が「私」を必死に説明することより遥かに強く、他者の身体を通して自分が理解されていくような気持ちになる。私は、自分が今ここにいることを許されていたいのではないでしょうか。

今ここに生きていることを、ここまで生きてきたことを、ただひたすらに肯定したい。

たまたま出会うことができた出演者たちに、心より感謝しています。