桜井玲香主演「DOROTHY」宮川彬良が手応え語る「僕からのラブレターを受け取って」

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ミュージカル「DOROTHY(ドロシー)~オズの魔法使い~」の会見が、本日5月23日に東京都内で行われた。

ミュージカル「DOROTHY(ドロシー)~オズの魔法使い~」メインビジュアル

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作・演出を田尾下哲、作曲・音楽監督を宮川彬良が務める「DOROTHY(ドロシー)~オズの魔法使い~」は、ライマン・フランク・ボーム作の童話「オズの魔法使い」をベースにしたミュージカル。今回の上演版では、“魔法の国”であるオズの王国が、音楽を通じてコミュニケーションを交わす“音楽の国”に置き換えられ、少女ドロシーがバイオリニストを目指すオーケストラ部の大学生という設定に変更される。

会見には田尾下と宮川のほか、ドロシー役の桜井玲香、かかし役の蒼井翔太鈴木勝吾が登壇。田尾下は「オズの魔法使い」を新たにミュージカル化するにあたり「今回のキャストと今の時代を大事にしたいので、21世紀のとある大学を舞台にした」と脚色の意図を明らかにし、「『人生をどう生きて幸せを見つけようか』と悩む女性のストーリーにしたい。大人の物語になれば」と語る。上演に際しては「人間の身体で勝負したい」と構想を述べ「俳優が歌っていない、オーケストラの演奏パートの音の意味も大事にして舞台を作りたい」と意気込んだ。

宮川はオファーを受けた際のことを振り返り「『オズの魔法使い』といえば、すでに『虹の彼方に』という有名な曲がある。だから『そんなところに足を踏み入れてはいけない!』とプロデューサーに言いました(笑)」と率直な思いを明かす。宮川は続いて、依頼を引き受けた理由を「僕は “不朽の名作”をまだ作ったことがないし、ほかの人がこの舞台の音楽を作ったらそれはそれで悔しい(笑)。個人的にも、これまでのキャリアを総合して1つの答えを出す時期だと思ってお受けしました」と打ち明ける。

宮川は楽曲のキーワードを与えられてメロディを作り、そこに作詞の安田佑子が歌詞を足していくという流れで楽曲を制作していることを説明し、「キャッチボールのように曲を作っていますが、これは僕にとって初めての経験。何か革命的なことが起きている、と僕だけが理解している状態です(笑)」と話す。さらに宮川は「曲を作りながら『勇気が欲しい』『脳みそが欲しい』と思う。自分の中のライオンやかかしが反応しています。やりがいがある仕事ですよ。仕事というか、人生の総括をしているみたい」と目を輝かせ、「“暗号”の譜面を受け取ってください。僕からのラブレターです」と俳優たちに視線を送った。

桜井は宮川の楽曲を歌った感想を「初めて出会う音ばかりでとても難しく、『振り回された!』という印象でした(笑)。1曲の中にストーリーが詰め込まれていて、歌いながら感情が大きく動きました。ちゃんと形にできればすごい感動が生まれると思うので、全力でがんばります!」と言葉に力を込める。今回初めて舞台単独主演を務める桜井は「熱い思いを持った皆さんが集結しています。この作品が今後もずっと続く演目になるよう、みんなで総力を注いで作り上げたいと思います」と目標を掲げた。

蒼井は「僕自身、ミュージカルの経験は多くありませんので、勉強するつもりで考えたり感じたり勇気を出したりしていきたいと思います」とコメント。音楽について蒼井は「心を開かないと、宮川さんの音楽についていけないんだろうなと感じました」と言い、「小さい頃に戻ったつもりで、“空っぽ”の心で(音楽を)吸収したい……と思いますが、鈴木さんどうですか!(笑)」と鈴木に水を向け、記者の笑いを誘った。

蒼井の振りを受けた鈴木は笑いつつ「稽古場でいろいろな“壁”を感じるだろうけど、音楽を信じたい。役を演じる俳優としての生まれた感情を大切にしつつ、音がどのように僕の感情を導き出してくれるのか楽しみになりました。血の通った作品になりそう」と楽曲への期待を口にする。上演に向け鈴木は「今は疲れた時代の真っただ中。でも『DOROTHY』の稽古場に行けば、こうして熱い思いを共有できる人がいるんだなと。お客様にも、光るものを観てもらえればうれしい」と呼びかけた。

会見では「もしも魔法が使えたら?」という質問に登壇者たちが答える場面も。田尾下は「1日を38時間にしたい」、鈴木は「魔法学校に行きたい」、桜井は「透視の力で、エアコンの電源を消したかどうか確かめたい」と回答。蒼井が「指を鳴らすとメイクが完成したりすっぴんに戻ったりできるようになりたい」と答えると、桜井も「最高!」と同意して会場を笑いで包む。目を細めて登壇者を見守っていた宮川は「実は『魔法でこれがやりたい』というのが全然浮かばなくて。みんなが挙げた時間の操作や千里眼、変身のようなことって、魔法の力を借りなくても音楽で同じことができちゃう気がするんです。思い込みかもしれないけど、それくらいのことができるんだと思うと音楽は楽しいですよ」と笑顔を浮かべた。

会見の最後には、去る5月16日に28歳の誕生日を迎えた桜井のためにケーキが登場。宮川の伴奏で登壇者が「ハッピーバースデートゥーユー」を歌うと、桜井は両手を上げて喜び、記者を和ませる。ケーキを前にした桜井は「28歳になって最初の舞台になると思う。成長した自分をお見せできるようがんばります」と抱負を述べ、会見は終了した。

本作は8月20日から28日までの東京・日本青年館ホール公演を皮切りに、10月12日まで静岡、愛知、広島、兵庫、福井、富山、鹿児島、福岡、群馬を巡演する。

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ミュージカル「DOROTHY(ドロシー)~オズの魔法使い~」

2022年8月20日(土)~28日(日)
東京都 日本青年館ホール

2022年9月3日(土)
静岡県 静岡市清水文化会館(マリナート)

2022年9月10日(土)・11日(日)
愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール

2022年9月13日(火)
広島県 広島文化学園HBGホール

2022年9月16日(金)~19日(月・祝)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

2022年9月21日(水)
福井県 フェニックス・プラザ

2022年9月23日(金・祝)
富山県 オーバード・ホール

2022年9月28日(水)
鹿児島県 川商ホール(鹿児島市民文化ホール) 第1ホール

2022年10月1日(土)・2日(日)
福岡県 久留米シティプラザ ザ・グランドホール

2022年10月12日(水)
群馬県 高崎芸術劇場 大劇場

作・演出:田尾下哲
作曲・音楽監督:宮川彬良
作詞:安田佑子
出演:桜井玲香 / 蒼井翔太鈴木勝吾 / 渡辺大輔 / 小野塚勇人、栗山航 / 伊波杏樹、横溝菜帆 / 凰稀かなめ / 鈴木壮麻 / 荒木啓佑、井坂泉月、石井大希、大山五十和、古清水愛奈、後藤紗亜弥、咲花莉帆、瀬戸口希哉、森山晶之、渡部光夏

※蒼井翔太と鈴木勝吾、小野塚勇人と栗山航はWキャスト。

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※2022年8月17日追記:8月20日から26日までの公演は新型コロナウイルスの影響で中止になりました。

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misaki @misaki_hayase

【会見レポート】桜井玲香主演「DOROTHY」宮川彬良が手応え語る「僕からのラブレターを受け取って」 https://t.co/L90BKRvmC5

彬良さまがネクタイしめてスーツ着てる…。確か賞を受賞なさったときもスーツだったよね。
そんで彬良さまのお隣の方ってPPTPに実写出演なさったあの方じゃないのか!😍

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