「ふじのくに→せかい演劇祭2022」のプレス発表会が本日3月9日に行われた。
「ふじのくに→せかい演劇祭」は、
SPAC芸術総監督の
続けて各作品が紹介された。ブルガリアの演出家ディアナ・ドブレヴァが手がけるイヴァン・ヴァゾフ国立劇場「カリギュラ」は日本初演作。宮城は本作の招聘には、駐ブルガリア日本大使からの“ブルガリアの方は日本に非常に興味を持っている。ブルガリアと日本の演劇の文化交流ができないかと思っている”というレターがきっかけになったと話す。また、イヴァン・ヴァゾフ国立劇場の魅力を「演劇らしい演劇を守り続けている劇場」と評し、「同劇場の主任演出家ディアナ・ドブレヴァさんの、若いエネルギーも含めてブルガリアの演劇の厚みというものを感じていただきたい」と語った。
オマール・ポラスの「私のコロンビーヌ」は2020年に招聘予定だった作品。宮城は1999年のシアター・オリンピックスで観たポラスの「血の婚礼」に衝撃を受けたことや、ポラスとの対話を振り返りながら、本作が彼の自叙伝的な一人芝居であると説明した。
SPAC「ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む」は2009年の初演以来上演を重ねている人気作。宮城は作家・
本日新たに情報公開されたのは、南アフリカのアーティスト、ブレット・ベイリーがコンセプトを手がける「星座へ」。本作は日本平の森で繰り広げられる回遊型演劇で、観客は森の中に点在する灯りを巡り、灯りを司る“ガーディアン”たちのパフォーマンスを楽しむ。なお今回の上演ではSPAC文芸部の大岡淳が日本版キュレーションを手がける。宮城はベイリーについて「南アフリカの演出家と言うと社会問題への発言が注目されがちですが、ベイリーさんはそんな社会と関係した作品作りの中でも極めて純粋な美を求めている。その点に共感します」と紹介した。
また「ふじのくに→せかい演劇祭2022」と同時期に開催される「ストレンジシード静岡2022」について、フェスティバルディレクターの
最後に「ギルガメシュ叙事詩」について紹介。本作はフランス国立ケ・ブランリー美術館の委嘱作品で、3月末にフランスで初演されるSPACの新作となる。また本作には人形劇師の沢則行が人形デザインと操演で携わっている。沢は初めてのSPACとの創作について「“人間と自然がどう生きていくか”という宮城さんのコンセプトが非常にクリアで働きやすかったです」と述べ、巨大な操り人形・フンババのデザイン画を披露。「デザイン画は12、13回描き直しました。いわゆる神話や伝説に出てくるような怪物ではなく、粘菌やウイルスの写真を見て描いたんです。宮城さんにはとにかく大きいのが良いと言われたのでかなり大きなものを作ったのですが稽古場に入らず(笑)、野外劇場で稽古しています」と語った。
宮城は「僕は人形が出てくるものが好きなんです。昔から“人間は1人ひとりが唯一の存在だ”というような近代的な人間観に対してどこか息苦しさを感じており、“人間は違いを超えてみんな同じだ”ということとか、人間の限界を超えたいという思いが、人形だとわかりやすく表現できるのではないかと思って。そんな人間を超えたものを描くには、生身の俳優では表現できないところがあり、今回は沢さんの力をお借りすることにしました」と話した。
質疑応答の時間では、沢にコロナ禍での活動にどんな実感を持っているかという質問が寄せられた。沢は「この2年半くらい、変更は多かったですね。ただ幸いにも仕事の全体量はむしろ増えているんです」と答える。さらに「今宮城さんのお話を伺いながら、『演劇は何かがあったからやめてしまうという商売ではないな。それでも演劇はやるのだ』と感じました。ですので、5月の駿府城公園での上演が楽しみです。ただ……」と宮城に目をやり「(宮城さんが)“世界第2位の雨男”だと聞いたので、防水処理がされている人形で臨みたいと思います!」と話し、会場を笑いで包んだ。
「ふじのくに→せかい演劇祭2022」のチケットの一般前売は3月27日にスタート。
「ふじのくに→せかい演劇祭2022」
「カリギュラ」
2022年4月29日(金・祝)・30日(土)
静岡県 静岡芸術劇場
作:アルベール・カミュ
演出:ディアナ・ドブレヴァ
SPAC「ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む」
2022年4月29日(金・祝)・30日(土)
静岡県 舞台芸術公園 野外劇場「有度」
作:
演出:
出演:
ふじのくに野外芸術フェスタ2022静岡 SPAC「ギルガメシュ叙事詩」
2022年5月2日(月)~5日(木・祝)
静岡県 駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
台本・演出:宮城聰
翻訳:月本昭男(ぷねうま舎「ラピス・ラズリ版 ギルガメシュ王の物語」)
音楽:棚川寛子
人形デザイン:沢則行
出演:
「私のコロンビーヌ」
2022年5月3日(火・祝)・4日(水・祝)
静岡県 静岡芸術劇場
作:ファブリス・メルキオ
演出・舞台美術・衣裳・出演:オマール・ポラス
「星座へ」
2022年5月6日(金)~8日(日)
静岡県 日本平の森
コンセプト:ブレット・ベイリー
日本版キュレーション:大岡淳
「ストレンジシード静岡2022」
2022年5月3日(火・祝)~5日(木・祝)
静岡県 駿府城公園、静岡市役所、葵区役所 ほか
フェスティバルディレクター:
出演:少年王者舘、contact Gonzo、範宙遊泳、ままごと ソロ・ワークス、渡邉尚、壱劇屋×サファリ・P×SPACストレンジチーム ホナガヨウコ、モモンガ・コンプレックス、sunday、コトリ会議 和太鼓+ダンスユニット<まだこばやし>、齊藤コン、山田裕幸 × 劇団渡辺、劇団かいぞく船、羊のクロニクルズ ほか
※「ふじのくに→せかい演劇祭」の「→」は相互矢印が正式表記。
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ウォーリー木下 @worry_kino
動画メッセージで参加させてもらいました。GWは静岡へ!!どれも面白そう。 https://t.co/yQR4gOpy19