今年夏から秋にかけて上演されるミュージカル「SMOKE」のキャストが明らかになった。
本作は、夭逝した韓国の詩人・李箱(イ・サン)の連作詩「烏瞰図 詩第15号」から着想を得て創作された韓国発のミュージカル。2018年に
今回出演が明らかになったのは、日本初演から参加している
初参加の東山は「作品の印象として、三者三様膨大なセリフを吐き出しあってるその熱量に魅了された覚えがあります」と本作を観劇した際の印象を述べ、楽曲の難しさに触れながら「しかし歌い手にとっては最幸の挑戦。楽しみですが、心して挑みたいと思っております。愛煙家の皆様、どうぞ宜しくお願い致します」とメッセージを送る。同じく初参加の伊藤も「オーディションの結果を伺った時は、とても信じられない気持ちでありました。何の因果か“左利き”の私です。鏡のない部屋に入る覚悟を決めるときが来たのかもしれません」と意気込みを語った。
菅野、大山、池田、そしてキャストたちからのコメント全文は下記の通りだ。
菅野こうめいコメント
SMOKEは晴れるのか?
これまで繰り返し上演して来たMusical SMOKEは、今夏もしも、何事もなく上演されることになれば、四演目と言う事になります。もしも、と言うのは勿論コロナ禍において、と言う意味ですが、この「もしも」がSMOKEにとっては重要なキーワードなのかもしれません。
「もしも、鏡の中の自分と会話が出来たら」。李箱と言う詩人は常々思っていたのです。そして、「もしも、そうすることが出来たのなら、自分の人生をデザインし直せるに違いない」。そう信じて作品を創り続けていたと思うのです。
僕がその事に気がついたのは、今回の上演を目指して行った数回のオーディションとワークショップを経ての事でした。ただ考えると、昨今、恐らく世界中の人が閉じこもることを強いられた時間の中で、似たような経験をしているのだろうな、と思うのです。
難解な作風を持った詩人の難解な人生を扱った作品故に、SMOKEは難解なMusicalと思われているかもしれません。でも、今回のリハーサルで、初演からのキャストと、そして新しくカンパニーに加わったキャストと一緒に、「もしも」を共有し、「間違いなく」に言い換える作業が出来れば、SMOKEは見事に晴れてくれるはずだ、と思っています。楽しみです。
大山真志コメント
また暑い季節にSMOKEが帰ってきます。新たなこのメンバー……ワクワクして仕方がありません。悶えてのたうち回りながらも飛ぼうとする、3人の織りなす濃厚なSMOKEをお届けできたらと思います。
池田有希子コメント
何度演じても、作品が成長したがっている溶岩のように蠢くエネルギーを台本と譜面から感じる……「SMOKE」は私にとってそんな作品です。3年前の初演時には想像もつかなかった激流が世界を襲う今、「SMOKE」を更に進化させる責任を任せていただき、こんな光栄なことはありません。登場人物の咳払い一つが放つ意味が、今この状況下で、どれだけ深く強いものに変容したか、考えただけで涙が出そう! 「SMOKE」未体験の方にも「愛煙家」の方にも、是非「今この時」の作品のパワーに触れていただきたい! この煙はお客様に届いて初めて完結するのですから。
東山光明コメント
atlas作品3作目にして、再び詩人を題材にした作品に挑ませて頂きます。
「僕とナターシャと白いロバ」の儚くも美しい恋物語からスリリングで勢いが止まらない「SMOKE」の世界へ。全く違った役どころだと感じており役を構築していくのが非常に楽しみです。
作品の印象として、三者三様膨大なセリフを吐き出しあってるその熱量に魅了された覚えがあります。
またキレのあるダイナミックな音、繊細で時に狂気的な旋律は、どれも生半可では歌えないものばかりだと「BLUE RAIN」でも味わいました。しかし歌い手にとっては最幸の挑戦。楽しみですが、心して挑みたいと思っております。愛煙家の皆様、どうぞ宜しくお願い致します。
伊藤裕一コメント
台本の最初のページを開いた瞬間、全身に大きな衝撃が走ったのを覚えています。
冒頭からこの大きな仕掛けを抱えて演じることが「SMOKE」の難しさであり、やり甲斐であるように感じています。
まるで魂の叫びのような作中に登場する李箱の詩はどれも魅力的で、その煌きは、僕にとっては、思わず目を細めてしまうほど強い、鏡の反射のようです。また、菅野こうめいさんをはじめとする素晴らしいキャスト・スタッフの皆様とご一緒できることをとてもうれしく思います。
オーディションの結果を伺った時は、とても信じられない気持ちでありました。
何の因果か“左利き”の私です。
鏡のない部屋に入る覚悟を決めるときが来たのかもしれません。
山田元コメント
この作品に僕は衝撃を受けました。ドラマトゥルギー、キャラクター、構成、音楽、その全てが血を沸らせ、この作品に出れていない自分に歯痒さを覚えたのです。捉えられない煙が常に纏わりつくように、もし次があるのなら必ず……そう決め込んでからは自分の無力さに絶望しながらも、弱い自分を超えるように日々過ごしてきました。
今回“超”を演じる機会を頂けたこと大変嬉しく思っています。
それでもまだまだまだまだたりない素晴らしいキャストの皆さんと創り上げる2021年版「SMOKE」、是非楽しみにしていてください。
内海啓貴コメント
2018年、ミュージカル「SMOKE」の日本初演を知人の紹介で観に行きました。
耳に残る綺麗で特徴のある旋律と天才詩人の詩でできた歌と三人が織りなす物語が合わさり、とても見応えのある作品だなと思いました。
特に“海”の感情の中で“超”と“紅”がグルグルと蠢いていて、“海”をどう演じるか次第で作品の色が変わってくるのではないかと感じているので僕にしかできない色々な表情の“海”を魅せたいと思っています。
役者の熱量や息遣いを感じられる素敵な空間で、自分の“海”が観にきて下さった方々にどんな熱量で伝えられるか、とても楽しみです。
工藤広夢コメント
前回の公演を観せていただきましたが、その時はまさか自分が出演する事になるとは思ってもいませんでした。とても光栄ですし、間違いなく僕の役者人生の大きな一歩になると確信しています。
SMOKEは、演じる側からみると、自分と向き合うということの究極を教えてもらえるような作品だと思います。イ・サンという一人の天才がどのようにもがき、その先に何を見つけたのか。この作品の魅力を伝える架け橋になれるよう、ひたすら海という役を考え抜いていきたいです。
オーディションを経て、自分にはまだまだ課題がみつかっていますので、稽古ができるのが楽しみで興奮
しています! どうぞよろしくお願いします。
中村翼コメント
SMOKEのオーディションは、今までのオーディションの中で一番長いものでした。
オーディションというよりまるで稽古場のようで、作品にどっぷり浸かった日々でした。
色々学ばさせて頂きましたし、沢山チャレンジがあったとても貴重な体験でした。
それほど長くSMOKEの世界一色だったので、海としてSMOKEに関わらせていただくことが決まったときは、感無量でした。
初めてのロングランの公演、3人芝居でその3人が実は……?という特殊な作品
初めてのことばかりですが、今までの海とはまた違う、自分にしか出せない海になるよう2021年バージョンの新しいSMOKEを作れるよう挑戦していきたいです。
木村花代コメント
「好き」か「嫌い」かで言えば「大好物」(笑)
観劇した後の感想はこれでした(笑)
ただ、役者としては精神的にも肉体的にも鍛えていかなければ成り立たない手強い作品だなと……。その時演じてる方々を心の底から尊敬した事を思い出します。
今回出演が決まった時に、台本と一緒に送られてきた資料に「最も難しいキャラクターが紅だ」と書かれてあり「解釈は無数のスモーク」の持つ意味も、これから自分の肉体を通して全身全霊で役を生きる事になるんだと思うとゾクゾクします。
のめり込む事間違いなしなので、言葉の通り「三位一体」となって共演者の方々と体当たりで創り上げていきたいです。
井手口帆夏コメント
一昨年、初めてこの作品を観劇したとき、人間のうごめく感情のエネルギーが身体を突き抜けていくような感覚に圧倒されました。
瞬きさえ勿体ないと思いながら観ていた作品に、出演できる喜びと、今度は自分があの空間に立つんだという緊張感で胸がいっぱいです。
この作品に出演することは、私にとって役者としての新たな一歩でもあります。自分自身と向き合うことが、この作品と向き合うことにも繋がると思うので、誠心誠意自分とぶつかっていこうと思います。
まだ見ぬ自分を呼び起こし「SMOKE」の世界に飛び込みます。よろしくお願いします!
ミュージカル「SMOKE」
2021年夏~秋
作:チュ・ジョンファ
音楽:ホ・スヒョン
日本語上演台本・訳詞・演出:
振付:
音楽監督:河谷萌奈美
出演:
関連記事
ステージナタリー @stage_natalie
ミュージカル「SMOKE」大山真志&池田有希子が続投、東山光明らが初参加(コメントあり)
https://t.co/Pk76iHta4r https://t.co/fGPxLJl9v5