「ぼくの名前はズッキーニ」 の開幕に先がけ、脚本・演出を手がける
「ぼくの名前はズッキーニ」は、2002年にフランスで出版されたジル・パリスの小説。事故で母親を亡くし、孤児になった“ズッキーニ”ことイカールが、養護施設“みんなのいえ”で仲間や大人たちと出会い、前を向いて生きようとする姿が描かれる。今回の舞台版でズッキーニを演じるのは、
ノゾエは今回、はえぎわの「ガラパコスパコス」や「〇〇トアル風景」に代表されるようなチョークを用いた演出を取り入れていると話し、「なるべく装置に頼らずに、人そのものを見せたいと思って。この手法は長いことやっていなかったんですけど、今回の作品にぴったりなんじゃないかな」と晴れやかな表情で語る。2012年のはえぎわ本公演「ライフスタイル体操第一」以来、久々にノゾエ演出作に出演する本多は「特に稽古終盤にかけて、作品の密度がすごく高まっていって、『ノゾエさんは天才や!』と改めて感じましたね。ノゾエさんは自分がやったことに対して必ずリアクションしてくれるし、例えば“試み”がうまくいってなかったとしても否定せずに受け止めてくれる。だからノゾエさんの前だと安心して失敗できるんです」と信頼を寄せた。ノゾエは照れ臭そうな表情を浮かべつつ、「久しぶりに本多くんとご一緒して、『こんなに深みがある俳優なんだ』って気付きました。子供役を演じる俳優さんの中に、四十代の本多くんに入ってもらってすごく良かった。率先していろいろなことにチャレンジしてくれて、本当に頼もしいです」と本多に視線を送った。
また2人は座長である辰巳にも言及。ノゾエは「辰巳くんはまっすぐで誠実。いつもムードメーカーになってくれて、場をポーンと明るくしてくれます。それに、日々新鮮な気持ちで稽古に臨んで、アップデートし続けている。本当に素晴らしい俳優さんだと思います」と太鼓判を押す。続く本多も「辰巳くんが演じるズッキーニが笑顔になればなるほど、その奥にある悲しみのようなものが見えて引き込まれるんですよね。以前ノゾエさんも言っていたんですが、辰巳くんは“受けの芝居”がすごく上手で、何をやっても受けてくれるんです。このお話は、ズッキーニが周りの人からの影響を受けて変わっていく物語でもあるので、役とマッチしてるなって思いました」と辰巳が持つ俳優としての魅力を明かした。
取材の最後に、本多は「お芝居を観に行くのが難しい時期ではありますが、今作は特に“生”の良さをお伝えできる作品になっていると思うので、ぜひ劇場に来ていただけたら」と来場を呼びかけ、ノゾエは「作中で天気のことに触れるフレーズがあるんですけど、この作品を観終わったあとに、もしかすると天気の見え方や感じ方が少し変わるかもしれません。“生”のエネルギーが詰まった作品なので、それを皆さんと一緒に共有できたらうれしいです」と締めくくった。
「ぼくの名前はズッキーニ」 は、2月28日から3月14日まで東京・よみうり大手町ホール、19日から21日まで大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで上演される。
「ぼくの名前はズッキーニ」
2021年2月28日(日)~3月14日(日)
東京都 よみうり大手町ホール
2021年3月19日(金)~21日(日)
大阪府 COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
原作:ジル・パリス
脚本・演出:
音楽:田中馨
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