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独自の切り口でドストエフスキーに挑む、三浦基演出「罪と罰」始動

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「罪と罰」公開稽古の様子。

「罪と罰」公開稽古の様子。

「罪と罰」の公開稽古が1月下旬に行われ、演出を手がける三浦基が取材に応じた。

以前から地点と交流のあったロシア・サンクトペテルブルクのボリショイ・ドラマ劇場のレパートリー作品として、6月に同劇場で上演される本作は、ロシアの作家フョードル・ドストエフスキーの代表作の1つ「罪と罰」を、三浦の演出で立ち上げるもの。ロシア公演に先駆けて2・3月に神奈川と京都で上演されたのち、4月から6月にかけてロシアで滞在制作が行われる。

壁、階段、ブリッジという3つの要素を軸にした舞台美術には、ボリショイ・ドラマ劇場の所在地であり、小説の舞台でもあるサンクトペテルブルクの街を抽象化したデザインを採用。垂直方向と水平方向に伸びる空間の中を、登場人物たちが歩き回る構造になっている。

公開稽古を終えた三浦は「舞台装置が決まったので、次はセリフの構成作業に入ります。地点は少人数の俳優と作品を作ることが多いですが、『罪と罰』の国内公演には11人、ロシア公演には15人の俳優が出演する予定。テキスト構成の手法は普段と同じですが、出演者が多く、原作も長編で長いので大きな作業になると思います」と感触を述べる。

具体的な構想について尋ねると、「原作のテキストは主に会話文、独白、地の文で構成されていますが、今回は会話文をメインに据えながら、いろいろな要素をミックスして劇言語にしようと考えています。演出に関しては、ロシアの身体性をヒントに、ロシアのストレートプレイを逆手に取った仕組みを取り入れていけたら」と明かした。

また三浦は、自身がこれまでにアントン・チェーホフをはじめとするロシアの作品を多く演出してきたことに触れ、「僕の目線からどのようにドストエフスキーを切るのか、僕なりの冷徹な演出をどのように施していくのか。アンドレイ・マグーチー芸術監督率いるボリショイ・ドラマ劇場も、そこに注目してくださっているのだと思います」と公演に向けて気持ちを新たにした。

国内公演は2月29日・3月1日に神奈川・神奈川県立青少年センター 紅葉坂ホール、3月20日から22日まで京都・京都芸術劇場 春秋座で行われ、ロシア公演は6月にボリショイ・ドラマ劇場で実施される。

「罪と罰」

2020年2月29日(土)・3月1日(日)
神奈川県 神奈川県立青少年センター 紅葉坂ホール

2020年3月20日(金・祝)~22日(日)
京都府 京都芸術劇場 春秋座

原作:フョードル・ドストエフスキー
翻訳:江川卓
演出:三浦基
出演:安部聡子、石田大、小河原康二、窪田史恵、小林洋平、田中祐気 / 相生翠、金子仁司、岸本昌也、河野早紀、増田知就

※2020年6月にロシアのボリショイ・ドラマ劇場で公演あり。

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